ものづくり補助金平成29年度製造業秋田県

環境に配慮した最新型湿式塗装ブース導入による生産性向上

有限会社佐藤塗装

この事例のポイント

  • 乾式塗装ブースでは溶剤系塗料を使うとフィルターの目詰まりや故障のリスクが高まっていた。
  • 受注サイズに応じて作業を振り分けられるよう、大型と中型の湿式塗装ブース(水によってミスト中の塗料を捕集する排気装置)を2基導入した。
  • 湿式塗装ブースの高速吸引により、作業の中断がなくなり、仕掛品や完成品へのミスト付着も大きく減少した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社佐藤塗装
所在地秋田県 にかほ市
業種金属製品製造業
技術分野表面処理,表面処理
従業員数15人
資本金530万円
設立1990年

事業の背景

有限会社佐藤塗装は、一般住宅建築塗装から始まり、近隣の金属部品製造業者からの依頼を契機に金属製品塗装を手がける機械金属塗装業者である。平成20年に大型製品用の塗装工場を建設し、東北最大級の乾燥炉を導入した。平成25年からは金属製品塗装のみを扱う業態となっている。近年は顧客からの依頼が自然乾燥から焼付塗装へと変化しており、強度と速さが求められる焼付塗装に対応する必要が高まっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力乾式塗装ブースでは溶剤系塗料を使うとフィルターの目詰まりや故障のリスクが高まっていた。
  • 生産能力大型製品の塗装時は舞い上がった塗料ミストが床下に排気されるまで作業を中断しなければならず、30分程度作業が止まっていた。
  • 品質・精度舞い上がったミストが保管中の完成品に付着し、再塗装が必要になる場合があった。
  • コスト・採算フィルターの目詰まり時の交換に3~4時間かかり、ランニングコストも課題だった。
  • 人手・技能排気速度が十分でなくミストが舞い上がるため、作業員の作業環境や衛生面の課題が多かった。

やったこと

受注サイズに応じて作業を振り分けられるよう、大型と中型の湿式塗装ブース(水によってミスト中の塗料を捕集する排気装置)を2基導入した。湿式塗装ブースは高速吸引で空気中の塗料ミストを効率よく回収でき、ミストの捕集効率が高く環境や人に優しい最新式である。既存の乾式塗装ブースの床下排気による作業中断をなくし、効率的に作業を進めることを目指した。

  • 加工機大型湿式塗装ブース中型湿式塗装ブース

事業の効果

湿式塗装ブースの高速吸引により、作業の中断がなくなり、仕掛品や完成品へのミスト付着も大きく減少した。排気速度の課題も解消され、作業環境をクリーン化したことで衛生環境が大きく改善した。作業員の評判も非常に良く、作業中断がなくなったことで残業時間の削減にもつながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 514観点のうち12観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性平成20年の大型塗装工場建設や東北最大級の乾燥炉導入、平成25年からの金属塗装専業化など、過去の投資と現在の受注の一貫性が事例に具体的に書かれている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性顧客の塗装依頼が自然乾燥から焼付塗装へ変化したことと、大型乾燥炉を持つ強みで県外からの大型製品受注が増えていることが書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決乾式ブースのフィルター目詰まりや作業中断30分、ミスト付着による再塗装といった課題を挙げ、湿式ブース2基導入で解決する計画が示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標残業時間の削減は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は数字で示されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    平成20年の大型塗装工場建設や東北最大級の乾燥炉導入、平成25年からの金属塗装専業化など、過去の投資と現在の受注の一貫性が事例に具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客の塗装依頼が自然乾燥から焼付塗装へ変化したことと、大型乾燥炉を持つ強みで県外からの大型製品受注が増えていることが書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    乾式ブースのフィルター目詰まりや作業中断30分、ミスト付着による再塗装といった課題を挙げ、湿式ブース2基導入で解決する計画が示されている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    残業時間の削減は述べられているが、付加価値額や賃上げの目標値は数字で示されていない。

  • 事業を進める体制3

    認定支援機関の手厚いサポートを受けて円滑に実施できたと書かれているが、体制の具体像は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    焼付塗装の需要増や大型乾燥炉の強みは書かれているが、顧客ターゲットの整理や選ばれる理由の裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は工場拡張やクリーンルーム整備を検討と書かれているのみで、スケジュールや課題解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    溶剤系塗料の焼付塗装で大型製品に対応できる差別化は書かれているが、市場での普及度との比較は示されていない。

公的補助の必要性2.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の金属塗装業者が県内数社と減少傾向にあると書かれているが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    中断がなくなり残業時間が減ったとあるが、補助金額に対する付加価値増や生産性の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献ー

    公開情報では判断できません。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    東北の金属塗装業者として県外受注を取り込む点は書かれているが、地域経済の牽引への言及は具体性が薄い。

今後の展望

大型乾燥炉を保有する強みを生かし、県内外からの大型製品の受注を拡大する方針である。中型以下の金属部品や半導体以外の分野についても受注を拡大させていく。将来的には工場の拡張やクリーンルーム整備も市況を見ながら検討したいとしている。

事業者の声

ミストの飛散がかなり抑えられたため作業員の評判は非常に良い。強度と乾燥スピードの両面から焼付塗装は増えているが、作業の中断が無くなったため残業時間の削減にもつながった。

公式の事例集より(原文のまま)

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。