ものづくり補助金平成29年度製造業福島県

地元産果実果汁を使った発泡酒販売拡大のための瓶詰機設備導入事業

この事例のポイント

  • 製造工程の不備から、さまざまな損失が生じている。
  • 販路開拓のため、樽詰に加えて瓶詰を製造できるよう、瓶詰から打栓までの一連のラインに新設備を導入した。
  • 瓶詰商品の製造が可能になり、小口購入や土産品としての販売機会を広げられるようになった。

事業者のプロフィール

所在地福島県 南会津町
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数1人
設立2017年

事業の背景

2017年6月に南会津初の醸造場として事業を開始し、同年10月にはクラフトビールを紹介するビールバーを開店した。製品は酵母が生きた無濾過の要冷蔵のクラフトビール(発泡酒)で、樽(容量15L)での提供のみだった。日本のビール市場は縮小を続けているが、クラフトビールは第一次ビールブーム同様に注目を集め、地ビール製造業の販売数量は増加傾向が続き市場は拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力製造工程の不備から、さまざまな損失が生じている。
  • 販路・情報発信主要商圏の福島県南会津郡で人口が減少していくため、土産品の開発や首都圏・大都市での販売拡大に取り組む必要がある。
  • 販路・情報発信樽のみの提供で販売先が飲食店などに限られ、個人客の少量購入や土産品購入への提供機会を逃している。
  • 生産能力既存の樽詰・出荷設備では小口対応ができず効率が悪く、安定的な出荷につながっていない。

やったこと

販路開拓のため、樽詰に加えて瓶詰を製造できるよう、瓶詰から打栓までの一連のラインに新設備を導入した。リンサー、フィルター、瓶詰機、コンプレッサー、発泡性充填機を組み合わせ、小瓶(330ml)への充填を検証した。試運転では小瓶を約200本/時で充填でき、今まで全く製造できなかった瓶詰商品の製造が可能になった。飲食店や小売販売店の店主(南会津町内外5名)にヒアリングを行い、香り、フレッシュ感、透明感(色合い)、のどごし(炭酸付き)、味わいの4点を検証した結果、樽より瓶詰が劣ることはないとの高評価を得た。

加工機リンサー
加工機フィルター
加工機瓶詰機
その他コンプレッサー
加工機発泡性充填機

新しい製品・サービス:小瓶(330ml)の瓶詰クラフトビール

事業の効果

瓶詰商品の製造が可能になり、小口購入や土産品としての販売機会を広げられるようになった。製造の効率化と高品質の保持が実現し、安定的な出荷にもつながる見込みである。ヒアリングでは瓶詰が樽詰に劣らないと高評価を得た。今後は販路拡大と事業拡大に伴う雇用創出を通じて地域経済や地方創生に貢献していく。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    平成29年6月開業、ビールバー併設、南会津の広葉樹使用など事業の経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    主要商圏の人口減少や首都圏展開の必要性は書かれているが、競合との比較や自社の強み・弱みの分析は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    既存の樽詰では小口対応できず販売先が飲食店に限られる課題を示し、瓶詰設備導入で小口購入に対応する方針が明確に読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値や賃上げの目標値は記載がなく、雇用創出は述べられるが数値目標はない。

  • 事業を進める体制3

    醸造長や代表の経歴、従業員1名との記載はあるが、補助事業を遂行する人員・体制の詳細は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    地元産果実やハーブを使う高付加価値クラフトビールで、飲食店・小売店5名のヒアリングで瓶詰の品質評価を得たと具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    試運転で約200本/時の充填を確認し今後の展開も示されるが、スケジュールや課題解決の段取りは明示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    クラフトビール市場が拡大傾向と記載され、会津産果実やハーブを使った完全オリジナルの高付加価値化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    震災復興や風評被害払拭、地域経済と雇用創出への貢献が述べられ、地域波及の意義はあるが定量的な根拠は薄い。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数字は記載がなく、効果は定性的にしか読み取れない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    南会津の広葉樹や会津産果実を活かし、地域の雇用創出と地方創生を牽引する意図が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

高品質な福島県会津産クラフトビールで地域活性を目指す。会津らしさを演出する果実やハーブ(木材・山菜・野草)を使った完全オリジナルの高付加価値クラフトビールを製造する予定で、県内外への流通により福島県会津産食品の震災からの復興と風評被害の払拭に取り組む。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。