ものづくり補助金平成30年度製造業静岡県

地元の柑橘系素材を使用し、二度の発酵工程で生み出す究極のクラフトビール製造計画

柿田川ブリューイング株式会社

成果瓶詰め作業の処理能力 40本/h→200本/h

この事例のポイント

  • 既存の瓶や樽への詰め替え作業が手作業で、1時間に40本しか処理できなかった。
  • 製造工程に2次発酵を取り入れ、ビールに砂糖と果皮を加えて出荷用のビール樽に詰め、樽の中で2次発酵させて樽ごと出荷する方式とした。
  • 瓶詰め作業の処理能力 40本/h→200本/h。瓶詰機の導入で既存事業の生産時間が短縮され、詰め替え時の吹きこぼれによるロスもゼロになった。

事業者のプロフィール

事業者名柿田川ブリューイング株式会社
所在地静岡県 沼津市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
資本金900万円
設立2016年

事業の背景

柿田川ブリューイングは2016年創業のブリュワリーで、ビール好きのメンバー4人で定番ビール6種類と旬の食材を生かした期間限定ビールを製造している。沼津地区の柑橘系素材と柿田川の名水に魅力を感じ、こだわりのビールを全国に広めたいと考えて事業を始めた。基本的なクラフトビールは熟成タンクから瓶や樽に詰め替えて出荷するが、その工程でビールが外気に触れて風味が損なわれることが課題だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力既存の瓶や樽への詰め替え作業が手作業で、1時間に40本しか処理できなかった。
  • 品質・精度詰め替え時にビールが外気に触れて風味が損なわれていた。
  • 人手・技能2次発酵を実現するには、発酵設備の導入と作業人員の確保が必要だったが、新たな人員の採用は難しかった。
  • コスト・採算手作業の詰め替えで吹きこぼれが生じ、ロスが発生していた。

やったこと

製造工程に2次発酵を取り入れ、ビールに砂糖と果皮を加えて出荷用のビール樽に詰め、樽の中で2次発酵させて樽ごと出荷する方式とした。2次発酵を実現するため、発酵タンクと2次発酵熟成兼出荷用ビール樽をそれぞれ導入し、既存事業の設備と分けて使うことで風味が混ざるのを避けた。手作業だった瓶詰め作業は瓶詰機を導入して自動化し、2人体制で1時間に40本だった作業を1人で200本に改善した。これにより1人分の余裕が生まれ、新規事業に取り組める運営体制を構築した。

その他発酵タンク
その他2次発酵熟成兼出荷用ビール樽
加工機瓶詰機

新しい製品・サービス:2次発酵を用いた究極のクラフトビール

事業の効果

  • 瓶詰め作業の処理能力 40本/h→200本/h
  • 売上高 1倍→1.4倍

瓶詰機の導入で既存事業の生産時間が短縮され、詰め替え時の吹きこぼれによるロスもゼロになった。2次発酵を樽の中で行うことで賞味期限が長くなり、廃棄ロスも減った。既存事業と新規事業の双方で生産性が向上し、スパークリングワインに近い風味の製品がワイン愛好家にも好評で販路が広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から8年間ビール作りを学んだ経緯と、地元素材・名水を使うこだわりの方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    沼津の柑橘素材と柿田川の名水という地域資源を強みとし、ワインに近い風味で愛好家に好評とあるが、市場動向との比較は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    課題として発酵設備の導入と作業人員の確保が挙げられ、瓶詰機導入で1人の余裕を生んだと書かれているが、高付加価値化の見通しは数字で示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業効率が40本/hから200本/hに改善し、売上高は事業開始前の1.4倍とあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    ビール好きのメンバー4人で定番6種類を製造しているとあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ワイン愛好家にも好評で販路拡大につながった点、賞味期限の長期化や風味が逃げない点など、選ばれる理由が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の遂行方法やスケジュール、中長期の課題検証については書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    二次発酵を用いた樽内熟成のクラフトビールで、同分野で高付加価値化を図る内容が具体的に書かれている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地元素材の活用や地域の名水の利用はうかがえるが、波及効果や雇用創出の数字は書かれていない。

  • 費用対効果3

    売上高1.4倍、ロス削減、作業効率10倍など効果は数字で示されているが、補助金投入額との比較は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    二次発酵を樽で行う製法の工夫はあるが、先端的なデジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    沼津地区の柑橘素材と柿田川の名水を活かし、地域の特性を生かした高付加価値の製品づくりが具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成30年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。