ものづくり補助金平成24年度茨城県

「重要保安部品・エレベータブレーキ用ボビンレスコイルの多層巻線設備の開発」

吉野電業株式会社

成果巻線作業の工数 20分→5分

この事例のポイント

  • エレベータのブレーキコイルは海外の大量生産体制に押されており、コスト削減が課題になっている。
  • 外径160ミリ、導体径0.8ミリのエナメル線で、巻線層数26層、巻数1,404回のコイル製作に成功した。
  • 巻線作業の工数 20分→5分。人の手による巻線作業の工数が95%低減し、作業者が付きっきりにならず他の作業もできるため、作業効率が飛躍的に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名吉野電業株式会社
所在地茨城県 日立市
業種電気機械器具製造業
技術分野部材の締結
従業員数31人
資本金1,000万円

事業の背景

主力製品は、エレベータや電力関係の重要な部分に使われるマグネットコイルである。電工作業の巻線工程が主な業務で、細線(直径0.04ミリ)から太線(直径3.2ミリ)まで多種多様なコイルを製作している。電磁石は主にエレベータの巻き上げ機のブレーキに利用されている。現在、大きなビルに使われるエレベータ用のブレーキコイルは海外の大量生産体制に押されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算エレベータのブレーキコイルは海外の大量生産体制に押されており、コスト削減が課題になっている。
  • 人手・技能巻線層数20層以上の大型ボビンレスコイルは整列巻線を機械化できず、熟練者の手作業に頼っていた。
  • 人手・技能熟練した技術を持つ人材の育成が困難になっている。
  • 品質・精度巻き方が乱雑だと線長が変動して電流値が変わるため、仕上がり寸法を揃えることが難しかった。

やったこと

外径160ミリ、導体径0.8ミリのエナメル線で、巻線層数26層、巻数1,404回のコイル製作に成功した。整列巻線の自動化と寸法確保のため、自動整列巻線機、テンション値を安定させるサーボテンション、巻治具(巻型)を導入した。まず巻治具の精度と治具面板の形状を修正して巻線幅の安定を図った。その後プログラムを見直し、ピッチ、巻幅、原点位置、巻線時のノズル位置の最適条件を探った。1層目のピッチと巻幅を調整して整列巻きを確保し、4層目からは回転速度を上げて巻線時間を短縮した。巻線後は巻治具ごと外さずコイルのみを取り外す構造とし、治具費用の低減と作業効率化を図った。

新しい製品・サービス:巻線層数20層以上のボビンレスコイルの整列巻線自動化技術

事業の効果

  • 巻線作業の工数 20分→5分

人の手による巻線作業の工数が95%低減し、作業者が付きっきりにならず他の作業もできるため、作業効率が飛躍的に向上した。コイルの寸法が安定し、信頼性とコスト削減が実現した。これにより海外への輸出と国内のエレベータリニューアル事業での受注獲得が期待できる。

今後の展望

ビルの大型化に伴い、エレベータの大型・高速化が求められ、ブレーキ構造の巻線技術は一層高度化が要求されている。国内では新規ビルの建築が少なく旧タイプのエレベータのリニューアルが中心となるため、海外輸出と国内リニューアル事業での今後の受注獲得が期待できる。

事業者の声

コイルは人間に例えると〈心臓〉であり、最後まで動いていなければならない

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。