ものづくり補助金平成29年度建設業福島県

地盤改良工事の内、中層混合処理工法の問題点を解決した「WILL工法」の確立による新たなサービスの提供

有限会社丸中建設

成果WILL工法の売上高 1倍→5倍

この事例のポイント

  • 地盤改良工事の需要が増えて同業者も増えたため、他社との差別化が喫緊の課題になっていた。
  • 視察研修と情報収集を綿密かつ着実に進めた。
  • WILL工法の売上高 1倍→5倍。中層混合処理工法の施工を専用機で行えるようになり、掘削深度や角度などを管理画面で調整できるため、今後の精度向上と受注向…

事業者のプロフィール

事業者名有限会社丸中建設
所在地福島県 二本松市
業種総合工事業
従業員数52人
資本金2,000万円
設立1997年

事業の背景

当社は土木工事を中心に地盤改良・土地調査、造園、舗装、産廃処理などを手掛けており、地盤改良工事では浅層混合処理工法と深層混合処理工法の2つを事業としている。東日本大震災以降、地震による液状化や不同沈下への対策として地盤改良工事の需要が高まり、市場は増加傾向にある。その一方で同業者も増えており、差別化が課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術地盤改良工事の需要が増えて同業者も増えたため、他社との差別化が喫緊の課題になっていた。
  • 新製品・新技術中層混合処理工法は施工上の問題点があり、それに代わる新工法を確立する必要があった。
  • 販路・情報発信新たな市場を開拓するための情報収集と市場確保の基盤が十分に整っていなかった。

やったこと

視察研修と情報収集を綿密かつ着実に進めた。JETRO(日本貿易振興機構)と銀行筋から情報収集を始め、東南アジアと九州で市場の視察研修を行ったほか、全国の中小建設会社のネットワークを立ち上げて情報収集と市場確保の基盤を整えた。3つの地盤改良工法のうち中層混合処理工法は最も新しく、施工する企業が少数で市場は大きく拡大している分野であり、シェア8割のパワーブレンダー工法に施工上の問題があったため、それに代わるWILL工法を事業化して専用機を導入した。導入した地盤改良機は汎用のバックホウにアタッチメントとして取り付け可能で、リアルタイムに管理できる専用管理装置を搭載し、タッチパネル方式で操作が容易である。掘削深度、角度、セメント流量等を運転席に座ったまま管理画面上で調整でき、オペレーターの経験に依存せず施工できる。

その他WILL工法用地盤改良機(汎用バックホウ取付アタッチメント)

新しい製品・サービス:WILL工法(中層混合処理工法を用いた地盤改良機と専用管理装置)

事業の効果

  • WILL工法の売上高 1倍→5倍

中層混合処理工法の施工を専用機で行えるようになり、掘削深度や角度などを管理画面で調整できるため、今後の精度向上と受注向上に大きく前進すると見込まれる。オペレーターの負担が軽減され、比較的短期間の研修で能力を取得できるため新規雇用にもつながると考えている。また、汎用バックホウに取り付けられるため経済的にもコストを大幅に軽減できる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    浅層・深層混合処理を営み、地盤改良市場の拡大を背景に中層混合処理工法を事業化したと書かれ、過去事業との連続性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    中層混合処理工法は施工企業が少数で市場が大きく拡大中と書かれ、未参入分野への参入理由が具体的に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    課題は他社との差別化とされ、施工上の問題があるパワーブレンダー工法に代わるWILL工法の導入で解決するとしている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    WILL工法自体の売上高は導入時点より5倍程度の増加を見込むと具体的な数値目標が示されている。

  • 事業を進める体制3

    JETROや銀行からの情報収集、視察研修、全国の中小建設会社ネットワーク立ち上げなど取組は書かれるが、人材や事務体制は具体的でない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    中層混合処理工法は施工企業が少数でシェア8割の工法に施工上の問題があると、ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋4

    導入後1〜2年は福島県内で実績を積み、その後全国へ広げ、海外進出の情報収集も開始すると段階的な方針が書かれている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    中層混合処理工法は施工企業が少数で市場が大きく拡大している分野で、同分野で新工法を導入する点が書かれている。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    地震による液状化や不同沈下、東日本大震災以降の需要増など社会的な必要性は書かれるが、雇用創出の具体数などは示されていない。

  • 費用対効果3

    コストを大幅に軽減でき、新規雇用にも繋がるとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    リアルタイム管理できる専用管理装置とタッチパネル操作を搭載し、運転席で掘削深度等を調整できるとデジタル活用が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出3

    地盤改良需要の拡大や災害対策への言及はあるが、日本経済の構造転換への貢献は書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    福島県二本松市の事業者として福島県内で実績を積むとあり地域性はうかがえるが、地域経済成長への寄与は具体的でない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

導入後1〜2年は福島県内での実績を積み、その後日本全国へ広げることを想定している。併せて海外進出を前提とした情報収集の開始も予定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。