ものづくり補助金平成24年度奈良県

奈良式柿渋の量産化による競争力の強化

石井物産株式会社

成果洗浄工程の処理量 1倍→3倍

この事例のポイント

  • 従来の柿渋は不純物や製造中の酸化で性質が変化し、品質・供給の安定した製品が存在していなかった。
  • 遠心分離機・ドラム式乾燥機・粉砕機・真空機など、製造各工程に大型機を導入し、専門家の指導のもと製造工程の最適化を行った。
  • 洗浄工程の処理量 1倍→3倍。遠心分離機の導入で洗浄工程の処理量が約3倍になり、作業時間が短縮されて製造中の酸化も抑止できた。

事業者のプロフィール

事業者名石井物産株式会社
所在地奈良県 五條市
業種食料品製造業
技術分野発酵
従業員数40人
資本金2,000万円
設立1984年

事業の背景

従来の柿渋は品質と供給が安定せず、含有量0.05%程度でも柿渋配合をうたえる状況で、柿渋製造業者はその恩恵をほぼ受けていなかった。奈良県が特許を保有する奈良式柿渋は抽出時の工夫により高純度・高品質の柿渋製造が可能で、柿渋製品の乏しい化粧品・サプリメント分野への参入が見込まれた。当社は1965年創業以来、奈良吉野産の柿を使った和洋スイーツの生産・販売を行い、「柿の専門いしい」として主要駅・百貨店に直営店を展開している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度従来の柿渋は不純物や製造中の酸化で性質が変化し、品質・供給の安定した製品が存在していなかった。
  • 生産能力製造工程中の酸化反応を抑える必要があり、奈良式柿渋の量産体制を構築することが課題だった。

やったこと

遠心分離機・ドラム式乾燥機・粉砕機・真空機など、製造各工程に大型機を導入し、専門家の指導のもと製造工程の最適化を行った。量産化における最大のボトルネックであった洗浄工程は、遠心分離機の導入により処理量が約3倍になり、作業時間の短縮によって製造中の酸化も抑止できた。ドラム式乾燥機・粉砕機・真空機で粉末化したものを保存することにより、保管時の性質変化を防止し、保管場所や製品化時の効率化を実現した。

加工機遠心分離機
加工機ドラム式乾燥機
加工機粉砕機
加工機真空機

新しい製品・サービス:奈良式柿渋を用いた化粧品・サプリメント分野向けの高純度柿渋

事業の効果

  • 洗浄工程の処理量 1倍→3倍

遠心分離機の導入で洗浄工程の処理量が約3倍になり、作業時間が短縮されて製造中の酸化も抑止できた。粉末化した製品を保存することで保管時の性質変化が防止され、保管場所や製品化時の効率も向上した。奈良式柿渋の量産体制が整い、柿渋製品の乏しい化粧品・サプリメント分野への参入が可能になった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性4

    柿の専門業者として柿渋の研究開発を継続し、自社栽培の敷地拡大も行っている点が事例に書かれており、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    奈良式柿渋の特許と化粧品・サプリ分野の乏しさに触れ、参入機会を述べるが、市場規模や自社の強みの数値的裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    洗浄工程がボトルネックと特定され、遠心分離機の導入で処理量が約3倍になったと具体的な課題解決が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は事例に書かれておらず、わずかに量産化による効果がうかがえる程度である。

  • 事業を進める体制2

    専門家の指導を受けたと書かれるが、人材や事務処理体制の具体的な記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    高純度柿渋が化粧品・サプリメント分野に参入可能と述べ、品質の安定が選ばれる理由として整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    酸化抑止や保管性質変化の防止など課題と対応は述べられるが、中長期のスケジュールや検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    柿渋は含有量0.05%でも配合をうたえる状況で、高純度品は製品の乏しい分野への参入を狙うと明記されている。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    柿渋製造業者が恩恵をほぼ受けていない現状や地域産地のアピールに触れるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    投資額や付加価値額の増加など費用対効果を示す数字は書かれておらず、処理量3倍の効果のみが読み取れる。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    柿渋の消臭・抗菌効果への注目や化粧品分野への参入に触れるが、日本経済の構造転換との関係は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    奈良吉野産の柿を使い、地元産地のアピールや地域に必要とされる企業を目指すと明記され、地域の特性を活かす事業と読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

柿のブランド化の一助となるよう、高品質・高純度柿渋の研究開発・製造をはじめ、柿製品全般の開発に尽力する。生産体制も強化し、地域に必要とされる企業を目指す。

事業者の声

柿をステキな果物に

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。