ものづくり補助金平成24年度奈良県

新規商品のプラスチック製シューグリッド(靴箱)の企画・設計・試作に伴う金型導入

株式会社吉川国工業所

この事例のポイント

  • 米国市場の玄関収納の考え方に合わせ、グローバルな視点で効率的な収納提案を開発する必要があった。
  • 重要取引先の米国The Container Storeへの試作品提案に向け、シューグリッド(靴箱)の開発に着手した。
  • 試作開発と金型の調整を経て量産体制を確立し、米国The Container Storeでの採用が決定した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社吉川国工業所
所在地奈良県 葛城市
業種プラスチック製品製造業
技術分野プラスチック成形加工
従業員数95人
資本金2,000万円
設立1959年

事業の背景

当社はプラスチック日用品雑貨の企画・開発から生産までを一貫体制で行うメーカーで、創業以来のノウハウと日産約30,000ショットのインジェクション設備を持つ。1980年代以降のデザイン戦略により、グッドデザイン賞を15年連続で受賞してきた。デザイン性が向上する一方で販路により価格差が生じたため、「like-it」ブランドを導入し欧米市場で好評価を得た。重要取引先の米国The Container Store(大手HC)への営業から、米国市場の玄関収納の考え方は国内と異なることが分かった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術米国市場の玄関収納の考え方に合わせ、グローバルな視点で効率的な収納提案を開発する必要があった。
  • コスト・採算デザイン性は向上しても販路によって価格差が生じ、売りたい価格を維持することが課題だった。
  • 生産能力プラスチック製シューグリッドの量産体制を構築する必要があった。

やったこと

重要取引先の米国The Container Storeへの試作品提案に向け、シューグリッド(靴箱)の開発に着手した。米国マーケット視察と顧客レビュー分析により顧客ニーズを把握し、競合となる中国製商品を分析して差別的優位性を追求した。分析から明らかになった「拡張性」と「収納性」を実現するため、自由にカスタマイズ可能な構造とブーツ収納へのアレンジ対応を開発の3つのポイントとした。金型の構造や製作方法を微調整しながら繰り返し試行し、量産体制を確立した。

加工機インジェクション設備
金型シューグリッド(靴箱)用金型

新しい製品・サービス:プラスチック製シューグリッド(靴箱)

事業の効果

試作開発と金型の調整を経て量産体制を確立し、米国The Container Storeでの採用が決定した。アラ利率30%の価格設定、日米独中での知的財産権登録を経て、アジア・ヨーロッパ市場への拡大と国内販売に向けたプロモーション計画の策定に着手した。企業の総合力が顧客との信頼につながったと評価されている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来80年のノウハウや15年連続グッドデザイン賞など過去の取組は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは文章中で明確に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    米The Container Storeとの取引や中国製品分析、拡張性・収納性という強みを具体的に示し、競争優位の方向性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決3

    アメリカ市場で玄関収納の考え方が異なるという課題認識はあるが、高付加価値化への計画の詳細は薄い。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    アラ利率30%の価格設定や増産化の時期は示されるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    95名の従業員、一貫生産体制、24時間の生産管理は読み取れるが、補助事業を担う人員配置の記載は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ターゲットは米The Container Storeで、顧客レビュー分析や差別的優位性、パートナー評価97点など選ばれる理由が具体的。

  • 事業化までの道筋4

    平成26年5月の増産化、平成27年春の商談開始など時期と遂行内容が示され、課題解決の道筋も記載されている。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    プラスチック製シューグリッドで、アラ利率30%の価格設定や欧米での好評価など高価格化を図る方向が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用3

    アジア・ヨーロッパへの市場拡大や国内販売、日米独中の知財登録が書かれ、波及効果は一定程度うかがえる。

  • 費用対効果2

    補助金額や付加価値増加の数値は書かれておらず、費用対効果はわずかにうかがえる程度。

  • イノベーションへの貢献2

    リサイクル設備や環境配慮は書かれるが、先端デジタル技術の活用や新ビジネスモデルは読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    奈良県葛城市の本社所在地は読めるが、地域特性を活かした雇用や地域成長への言及は具体性が薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

平成26年5月目処に試作開発で使用した金型を生産転用して増産化し、平成27年春にカタログによる国内販売に向けた商談を開始する予定。平成27年6月のライフスタイルショーに向け新製品の提案方法を検討する。

  • 目標:パートナーとしての適正化評価で97点の高評価を得た。
  • 目標:アラ利率30%の価格設定を行った。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成24年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。