ものづくり補助金平成29年度製造業石川県

畳の端材をリサイクル化した訪日観光客向け豆畳の開発

中村製畳株式会社

この事例のポイント

  • 豆畳は販売価格が高いという課題があった。
  • 排出された畳の端材を活かし、端材から作る豆畳を開発した。
  • 製造プロセスの改善により販売価格が低下し、安全性が確立された。

事業者のプロフィール

事業者名中村製畳株式会社
所在地石川県 金沢市
業種その他の製造業
従業員数3人
資本金1,000万円
設立1969年

事業の背景

当社は畳の製造販売、襖・障子の張替、クロス張替を行い、大手旅館や地元建設業者・ハウスメーカーを主要取引先としている。近年は一般住宅で和室が減っている一方、へりなし畳など時代に合わせたデザイン性の高い商品には底堅い需要がある。建材畳はリサイクルされにくく、ほとんどが産業廃棄物として焼却処分されている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算豆畳は販売価格が高いという課題があった。
  • 新製品・新技術製品が小さいため工業ミシンで縫えず、タッカーで打ち付けていたために金属反応や錆が表れ、飛行機の機内に持ち込めないという課題があった。
  • 人手・技能使い方が分からないという声があり、使用方法を提案する必要があった。
  • 生産能力極端に小さい豆畳は既存の裁断機で切れないため、カッターナイフで裁断しており作業時間がかかりすぎていた。

やったこと

排出された畳の端材を活かし、端材から作る豆畳を開発した。端材を適切にカットできる畳床裁断機を導入し、裁断作業時間を短縮した。さらに厚さ2cmの極厚の物も縫え、サイズの大小にかかわらず糸で縫着できるミシンを導入し、タッカーに代えて糸で縫い付けられるようにした。畳表面にデザインを施せるミマキエンジニアリング製プリンターUJF3042FXを導入し、訪日外国人向けのインテリア畳の開発を行った。

加工機畳床裁断機
加工機ミシン(15ミリの畳を縫える、厚さ2cmの極厚物も縫着可能)
加工機ミマキエンジニアリング プリンター UJF3042FX

新しい製品・サービス:訪日外国人向けの豆畳(インテリア畳)。外国人が好む日本独自の文化や情緒を描いた絵画として壁などに飾る商品。

事業の効果

製造プロセスの改善により販売価格が低下し、安全性が確立された。和のデザインを活かしたインテリア畳の活用方法を提案できるようになり、顧客ターゲットを明確にして新たな価値を創造できるようになった。新型コロナウイルスの影響で訪日外国人客が減り計画に影響が出ているが、香港とシンガポールの現地ショップで実験的に販売し反応を確認している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    畳の端材リサイクルと畳製造技術を活かす取組として以前から行っていたことが書かれており、一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    訪日外国人向け土産需要と和室の底堅い需要に触れている。ただし自社の強み・弱みを比較した記述は具体的ではない。

  • 課題の認識と解決4

    販売価格・施工方法・使用方法の3課題を挙げ、裁断機・ミシン・プリンターでそれぞれ対応すると具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    販売価格低下などの効果は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値や数値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員3人、設立昭和44年、畳製造販売の実績が書かれているが、事業遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ターゲットを訪日外国人に定め、和の文化を描いた絵画として壁に飾る用途を提案すると明確に書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    香港・シンガポールでの実験販売やデザイン選定など今後の進め方は触れられているが、スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    「ニッチな市場」と自ら述べ、和の情緒を描いた畳インテリアという差別化を示している。高価格化の具体的数字はない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    産業廃棄物として焼却される畳端材のリサイクルという社会的意義がうかがえるが、経済波及や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    投入額に対する付加価値増加や生産性向上の数値は書かれていないため、費用対効果は判断できない。

  • イノベーションへの貢献2

    廃棄物リサイクルの取組はうかがえるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    石川県の地域企業として端材リサイクルに取り組むと書かれているが、地域経済の成長への寄与は具体的ではない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

訪日外国人の回復を見据え、ニッチな市場ではあるが時代に合わせて変化を楽しみながら和室を後世に残していきたいと考えている。

  • 目標:訪日外国人が3000万人まで回復する頃には、必ずチャンスがあると確信する。

事業者の声

使い方を教えてほしい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。