ものづくり補助金平成29年度製造業石川県

長尺ロール加工設備へのロボットシステム導入による品質・生産性の向上

株式会社梶製作所

成果対象工程の作業工数 2人/日→1人/日

この事例のポイント

  • 長尺ロールの搬入・搬出をクレーンを使う担当者の作業に頼っており、負担が大きかった。
  • 織機用ロールのうち生産数の多い製品の工程を対象に、二次加工・穴あけ加工から搬出までを見直した。
  • 対象工程の作業工数 2人/日→1人/日。対象工程の作業工数が2人/日から1人/日に減り、他の加工機での切削作業などに人を回せるようになり生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社梶製作所
所在地石川県 かほく市
業種金属製品製造業
技術分野精密加工,機械制御
従業員数75人
資本金2億円
設立1951年

事業の背景

当社は長年の長尺製品加工技術を活かし、ロール加工事業を行っている。最大5,300mm・Φ500まで加工可能な長尺NC旋盤6基と長尺汎用旋盤3基を持ち、主に織機用ロールと多種シャフトを製作している。コロナ禍以前は織機用ロールが好調で新規引き合いも増えていたが、製造業の人員不足と工場内スペース不足で受注を増やせない状況だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能長尺ロールの搬入・搬出をクレーンを使う担当者の作業に頼っており、負担が大きかった。
  • 品質・精度外周への穴あけで位置合わせが作業者の感覚任せで、作業時間のばらつき、加工ミス、加工忘れが起き、生産数・品質が安定しなかった。
  • 新製品・新技術重量物で精度が求められるため自動化はメーカーから難しいと言われ、作業者教育でも一定の品質にすることが難しかった。
  • 生産能力当社工場内のスペース不足や人員不足で新規設備を入れられず、受注を増やせなかった。

やったこと

織機用ロールのうち生産数の多い製品の工程を対象に、二次加工・穴あけ加工から搬出までを見直した。多関節ロボットを使い、ホイストクレーンで担当者が行っていた材料の搬入・搬出を自動化した。材料投入・搬出部の装置と穴加工機を自社で製作して組み合わせ、搬入から搬出まで一連の自動化ラインを構築した。穴加工では、レーザーセンサーで端面の穴を基準に外周の正確な位置を判別し、自動で穴あけを行うようにした。これにより穴位置のずれや加工ミス・加工忘れをなくし、ボタン一つで一連の加工ができるようになった。

ロボット長尺ロール加工ロボットシステム(多関節ロボット、レーザーセンサー)
その他材料投入・搬出装置
加工機穴加工機

事業の効果

  • 対象工程の作業工数 2人/日→1人/日
  • 生産数 20本/日→30本/日

対象工程の作業工数が2人/日から1人/日に減り、他の加工機での切削作業などに人を回せるようになり生産性が向上した。ロボット導入で作業者によるムラがなくなり、生産数が増え、作業時間も安定した。穴あけの不良も減り、品質のばらつきが解消されて一定の生産量と品質を確保できた。重労働で危険性の高かった作業も安全に行えるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    ロール加工事業を長年実施し、織機用ロールを製作してきた経緯は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは具体的に書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    コロナ禍で受注が減少し、工場スペース不足などの弱みが書かれるが、市場動向と強みを踏まえた競争優位の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    生産数・品質の不安定、穴あけ不良、作業者の感覚頼りなど課題が具体的に示され、ロボット導入で解決を図ったと読み取れる。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産性向上や不良減少の数値(3%減、2人日から1人日、30本/日増)が示されるが、賃上げや付加価値の目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    自社で装置を製作し組み合わせた点はうかがえるが、人材や事務処理体制について具体的な記述がない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    主要取引先や商品分野は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けを整理した記述は少ない。

  • 事業化までの道筋3

    課題解決の手順として自動化ラインを構築した流れは書かれるが、スケジュールや中長期の検証内容は具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    織機用ロールは高水準の高付加価値化を図る分野とは書かれておらず、新市場性の根拠はわずかにうかがえる程度。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用2

    新たな雇用や需要の創出への言及はわずかで、国が補助する積極的理由は記述されていない。

  • 費用対効果4

    作業工数が2人/日から1人/日、生産数が30本/日増など、費用対効果を裏付ける数値が示されている。

  • イノベーションへの貢献3

    レーザーセンサーとロボットによる自動化ラインを構築したとあるが、サプライチェーン全体への貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    石川県かほく市の地域性への言及はあるが、地域経済を牽引する効果は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

コロナ禍で受注は減り稼働停止が多いが、改善の成果を活かして新たな受注に向けた営業活動を進める。労働人口の減少に備えて省人化・省力化を進め、ロール事業の生産性向上と品質改善に取り組む考えである。

事業者の声

これからもお客様に感動していただける様に、生産性向上と品質の確立への取組を進めてまいります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。