ものづくり補助金平成29年度製造業福井県

めっきと塗装の標準色見本作成による高付加価値商品開発への貢献

株式会社ワカヤマ

成果メッキ対応可能な製品サイズ 12cm→40cm

この事例のポイント

  • 従来の小型メッキ装置(メッキ液量25L)では12cm程度までの製品しか対応できず、約30cmの棒状電極などへの加工依頼に応えられなかった。
  • 本事業で、エレベーター式回転メッキ装置WAK3000(50cm×60cm×高さ53cm、メッキ液量100L)を導入した。
  • メッキ対応可能な製品サイズ 12cm→40cm。大型のエレベーター式回転メッキ装置の導入により、電極棒などの長尺物やラス網など幅のある製品の受注が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ワカヤマ
所在地福井県 鯖江市
業種金属製品製造業
従業員数36人
資本金1,000万円
設立1986年

事業の背景

株式会社ワカヤマは1986年設立で、鯖江市でめがねフレームの最後の仕上げを担ってきた表面処理会社である。チタン製めがねフレームの製作で培った高度なメッキ技術を基に、水素水生成機などに用いられるチタン電極へのプラチナメッキを開発し、劣化や変色がなく長期使用できると高い評価を得ていた。2015年4月期の売上高は2億9,050万円である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の小型メッキ装置(メッキ液量25L)では12cm程度までの製品しか対応できず、約30cmの棒状電極などへの加工依頼に応えられなかった。
  • 人手・技能膜厚を均一にするために治具を手で揺らす作業や、メッキ終了後の引き上げ作業を人手で行っており、膜厚のばらつきが生じていた。
  • 生産能力従来機では治具を1本ずつしか投入できず、生産量が限られていた。
  • コスト・採算引き上げ速度の調整が難しく、高価なプラチナ液を必要以上に使用していた。

やったこと

本事業で、エレベーター式回転メッキ装置WAK3000(50cm×60cm×高さ53cm、メッキ液量100L)を導入した。中央に取り外し可能な極板を設ける設計とし、約40cm程度の製品にも対応できるようにした。従来機では1本しか入れられなかった治具を4本ずつ投入できるようにした。膜厚均一化のための治具を揺らす作業と、メッキ終了後の引き上げ作業を自動化した。引き上げ速度を遅く設定し、プラチナ液の使用量を抑えた。

  • 加工機エレベーター式回転メッキ装置WAK3000

新しい製品・サービス:水素水生成機などに用いられるチタン電極へのプラチナメッキ技術、および次亜塩素酸水生成用の電極加工

事業の効果

  • メッキ対応可能な製品サイズ 12cm→40cm
  • 治具の投入本数 1本→4本
  • 生産量 1倍→5倍

大型のエレベーター式回転メッキ装置の導入により、電極棒などの長尺物やラス網など幅のある製品の受注が可能になった。治具を4本ずつ投入できるようになり、生産量は約5倍に増えた。治具を揺らす作業と引き上げ作業が自動化され、膜厚のばらつきが減るとともに作業効率が向上した。引き上げ速度の調整によりプラチナ液の使用量も抑えられ、コスト削減につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性従来機で12cm程度までしか対応できず、約30cmの電極に応えられなかった課題を、WAK3000で40cm程度まで対応可能にしたと具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決長尺物の受注不可という課題に対し、治具4本同時投入で生産量約5倍、引き上げ自動化など、課題解決の具体策が示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標生産量が約5倍、受注件数と規模が伸びていると数値で示されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制人の採用が難しい状況が触れられているが、補助事業の遂行体制や人材の確保策は具体的に書かれていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    チタン製めがねフレーム製作で培った技術をベースに電極へのプラチナメッキを開発したと読める。経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    従来機で12cm程度までしか対応できず、約30cmの電極に応えられなかった課題を、WAK3000で40cm程度まで対応可能にしたと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    長尺物の受注不可という課題に対し、治具4本同時投入で生産量約5倍、引き上げ自動化など、課題解決の具体策が示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産量が約5倍、受注件数と規模が伸びていると数値で示されている。付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    人の採用が難しい状況が触れられているが、補助事業の遂行体制や人材の確保策は具体的に書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    水素水生成機や次亜塩素酸水生成の電極加工など、医療・健康分野のニーズと顧客像が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の展望として機能水市場への注力が述べられているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    機能水向けチタン電極へのプラチナメッキという、同分野で高付加価値を狙う技術が具体的に述べられている。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    医療・健康分野や機能水市場の広がりに触れているが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    プラチナ液の使用量削減によるコスト削減は書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化による生産体制の最適化は書かれているが、デジタル技術や新ビジネスモデルの活用はうかがえない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    機能水市場や医療・健康分野への展開が書かれており、成長分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は乏しい。

  • 地域経済への波及2

    鯖江のめがね産業の技術を生かす点が書かれているが、地域経済や雇用への波及効果は具体的に述べられていない。

今後の展望

職人の技術を機械に移行し、生産と品質の安定化を促進する。「機能水」市場に着目し、人々の関心が高い医療・健康分野のニーズに合わせた価値提供に注力していく。次亜塩素酸水生成用の電極加工の注文も増えている。

事業者の声

これまで色味のなかった物にメッキ加工を施すことで、生活に華やかさを提供したい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。