粉体塗装ライン導入による生産性の向上と環境負荷低減の両立

神奈川の製造業の会社が、ものづくり補助金で粉体塗装ラインを導入した採択事例です。

株式会社SAKAE

この事例のポイント

  • 自動車樹脂部品の塗装は職人の経験と勘に頼る部分が多く、技術的に難しい作業であったため、作業工程の改善が必要になっていました。
  • 補助事業では、塗装工程を短縮化する粉体塗装ラインを導入しました。
  • 粉体塗装ラインの導入により、作業効率が大幅に向上しました。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社SAKAE
所在地神奈川 藤沢市
業種その他の製造業
技術分野表面処理
従業員数17人
資本金300万円
設立1974年

事業の背景

主に自動車の内装および外装の樹脂部品の精密塗装を手掛けており、建材や金属の塗装も行っています。自動車内装部品の塗装を長く手掛けており、自動車樹脂部品塗装(溶剤塗装)の売上比率が高い構成でした。

コロナ禍により自動車関連の受注が減少したことを機に、新たな技術である粉体塗装の導入を決断しました。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能自動車樹脂部品の塗装は職人の経験と勘に頼る部分が多く、技術的に難しい作業であったため、作業工程の改善が必要になっていました。
  • 納期・工程塗装工程に時間がかかっており、工程を短縮する必要がありました。
  • 集客・繁閑コロナ禍で自動車関連企業の減産が続き、受注が減少して事業継続性のリスクが表面化していました。
  • その他VOC(有機溶剤)や二酸化炭素の削減が環境意識の高い企業から求められており、環境負荷の軽減が課題となっていました。

やったこと

補助事業では、塗装工程を短縮化する粉体塗装ラインを導入しました。導入した粉体塗装用のガンで作業を行い、静電気によって粉末が表面に付着するため、両面の塗装をしながら細いエッジ部も自然に塗装できるようになりました。

職人の経験と勘に頼っていた作業を、粉体塗装によって効率よく進められる体制に切り替えました。

新しい製品・サービス:粉体塗装技術

補助金で入れた設備

経費の区分は「機械装置・システム構築費」です。

  • 粉体塗装ライン粉体塗装用ガン設備の種類:塗装

事業の効果

粉体塗装ラインの導入により、作業効率が大幅に向上しました。塗装工程の短縮化によって、生産性が高まりました。

環境負荷についても大幅に改善され、VOCや二酸化炭素の削減に取り組めるようになりました。これらにより、競争優位を強化しています。

出た効果の種類(押すと同じ効果の事例へ)

審査の観点ごとの評価

新事業進出・ものづくり補助金

観点の平均2.8 / 5

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性コロナ禍で自動車関連受注が減少した状況を踏まえ、長年の技術と経験、職人の柔軟な対応力を活かして新技術導入に踏み切っている。
  • 4
    課題の認識と解決職人の経験と勘に頼る技術的に難しい作業や溶剤塗装の課題を認識し、粉体塗装ラインで工程を短縮する具体的な解決策を取っている。

もう一歩だった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの目標値は事例文に記載がなく、作業効率の向上を述べるのみで実現可能性は判断しにくい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    自動車内装部品の塗装を長年手掛けてきた経験を背景に、粉体塗装ラインを新技術として導入しており、既存事業との連続性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    コロナ禍で自動車関連受注が減少した状況を踏まえ、長年の技術と経験、職人の柔軟な対応力を活かして新技術導入に踏み切っている。

  • 課題の認識と解決4

    職人の経験と勘に頼る技術的に難しい作業や溶剤塗装の課題を認識し、粉体塗装ラインで工程を短縮する具体的な解決策を取っている。

事業の実現可能性2.6
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標値は事例文に記載がなく、作業効率の向上を述べるのみで実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制3

    職人の柔軟な対応力に触れており、新技術を現場で運用する人材面の体制は読み取れるが、体制の具体的記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    静電気で粉末が付着し両面とエッジ部も自然に塗装される点を示し、環境負荷軽減のニーズも背景として整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入の経緯と効果は示されているが、スケジュールや導入後の課題解決の進め方は事例文に書かれていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    溶剤塗装から粉体塗装への転換により環境負荷を大幅に改善しており、高水準の高付加価値化を図る取組として読み取れる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    VOCや二酸化炭素削減という環境課題への対応が示され、地域の企業間協力にも取り組んでいることから社会的意義は読み取れる。

  • 費用対効果2

    補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果を示す数字や記述はなく、作業効率の向上のみ触れている。

  • イノベーションへの貢献3

    粉体塗装という新技術の導入で溶剤塗装からの転換を図り、環境負荷低減と作業効率の両立を実現しており、イノベーションへの貢献が読み取れる。

政策面2.0
  • 成長分野への進出2

    自動車関連の減産を機に新技術へ移行したことは示されるが、成長分野への進出や構造転換としての位置づけは弱い。

  • 地域経済への波及2

    地域の商工会や工業団地との企業間協力に積極的とあるが、本事業の地域への雇用や成長への波及は記述されていない。

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出典・注記
  • 出典:公式の事例集(令和元年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文からAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 審査の観点:公募要領 p.44(審査項目)
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。