ものづくり補助金平成29年度製造業福井県

IH式フライヤー設備導入による生産性向上と新商品開発体制の強化

安田蒲鉾株式会社

成果次の商品の調理までの待ち時間が約30分短縮された。

この事例のポイント

  • ガス式フライヤーは温度にブレが生じ、次の商品の調理まで待ち時間が発生し、商品の均一性を出すのに苦労して生産量が制限されていた。
  • 揚げ物製造ラインで長年使われてきたガス式フライヤーを、IH式オートフライヤーに更新した。
  • 次の商品の調理までの待ち時間が約30分短縮された。IH式オートフライヤーの導入により温度管理が安定し、揚げ色のムラがなくなり商品を均一に製造できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名安田蒲鉾株式会社
所在地福井県 敦賀市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,製造環境
従業員数50人
資本金2,000万円
設立1953年

事業の背景

当社は蒲鉾発祥の地とされる敦賀市で創業以来、蒲鉾を通じて食文化の提案を続けてきた。現在は福井のギフト・引き出物として「かまぼこ」、お土産として「魚そうめん」「いかしゅうまい」が地元や全国で愛されている。同社は先駆的な蒲鉾作りを体験できる「かまぼこ道場」を持ち、観光や教育にも力を入れて魚食文化の振興を図っている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力ガス式フライヤーは温度にブレが生じ、次の商品の調理まで待ち時間が発生し、商品の均一性を出すのに苦労して生産量が制限されていた。
  • 生産能力調理は職人的な温度調整に頼っており、勘に頼らない管理が難しかった。
  • 品質・精度ガス式フライヤーでは揚げ色にムラが生じていた。
  • その他ガスによる直火調理で高温となり、工場内の作業環境が過酷で、ガス漏れによる火災発生の危険性があった。

やったこと

揚げ物製造ラインで長年使われてきたガス式フライヤーを、IH式オートフライヤーに更新した。インバーター制御により温度を高精度に調整できる設備で、プログラミング設定によるタイマー起動も可能になった。これにより温度のブレがなくなり、商品を均一に製造できるようになった。

新しい製品・サービス:病院・高齢者向けの柔らかい商品や、地域産品を使用した観光需要向け商品の開発に注力している。

事業の効果

  • 次の商品の調理までの待ち時間が約30分短縮された。
  • 工場内温度は5℃低下した。
  • 使用油量は約1割減少した。

IH式オートフライヤーの導入により温度管理が安定し、揚げ色のムラがなくなり商品を均一に製造できるようになった。作業者の配置に余裕が生まれ、生産能力も大幅に向上した。稼働前後の工場内の温度上昇幅が縮小し、ガス漏れの危険がなくなったことで安全対策も強化された。使用油量が約1割減り、コスト削減にも貢献している。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    課題の認識と解決ガス式の温度ブレ・待ち時間・ガス漏れといった課題を挙げ、IH式で生産量制限を解消した点が具体的に読み取れる。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標待ち時間が約30分短縮、工場内温度5℃低下、使用油量約1割減と数値目標に近い成果が示されており、実現の裏付けがうかがえる。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け病院・高齢者向けの柔らかい商品や観光需要向け商品など顧客ターゲットと商品の方向性が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制社員数50人や設立年は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    ガス式フライヤーからIH式への転換が記載され、新商品開発や観光施設との連携という方向性は読み取れるが、経営戦略上の位置づけまでは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    主要取引先の生鮮スーパーとの連携や地域産品の活用が書かれているが、市場動向と自社の強み・弱みの関係は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    ガス式の温度ブレ・待ち時間・ガス漏れといった課題を挙げ、IH式で生産量制限を解消した点が具体的に読み取れる。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標4

    待ち時間が約30分短縮、工場内温度5℃低下、使用油量約1割減と数値目標に近い成果が示されており、実現の裏付けがうかがえる。

  • 事業を進める体制2

    社員数50人や設立年は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    病院・高齢者向けの柔らかい商品や観光需要向け商品など顧客ターゲットと商品の方向性が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    新規取引先の開拓や商品開発の方向性は書かれているが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    県内最多の商品ラインナップや観光需要向け商品に触れているが、同分野で高水準の高付加価値化を図る根拠は示されていない。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    観光施設としての充実や地域産品の活用、見せる工場による人材不足解消への好影響などが書かれ、地域への波及が読み取れる。

  • 費用対効果3

    生産性向上や油使用量約1割減などの効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    インバーター制御やプログラミング設定によるIH式の活用はうかがえるが、サプライチェーンへのイノベーション貢献は書かれていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    福井県の地域産品を使い観光施設と連携する取組が書かれ、地域の特性を活かしていることはうかがえるが、雇用創出の記述は薄い。

今後の展望

新商品対応力が向上したことを受け、既存商品との差別化を図った新製品や消費者ニーズに合わせた商品開発を進める。主要取引先である生鮮スーパーとの連携を強化し、新商品の販売につなげる。県内練り物製造メーカーで最多の商品ラインナップのさらなる充実を図り、新規取引先の開拓を目指す。

事業者の声

「見せる工場」として、自社ブランドのイメージアップにつなげる。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。