ものづくり補助金平成29年度製造業長野県

美観・精度を備えたSUS製品生産と暗黙知の伝承に向けた加工実績データ活用

株式会社共栄製作所

成果段取り時間を80%削減

この事例のポイント

  • 金型交換作業の長時間化により設備稼働率が低下し、受注機会を逃していた。
  • 金型の選択・設定から曲げまでを完全自動化するため、自動ベンディングマシンを新規導入した。
  • 段取り時間を80%削減。ベンディングマシンの導入により、ステンレス曲げ加工の段取り時間を当初想定を超えて80%削減し、確認作業の削減と不良発生…

事業者のプロフィール

事業者名株式会社共栄製作所
所在地長野県 佐久市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数74人
資本金2,500万円
設立1965年

事業の背景

共栄製作所はプレス金型設計・製作からプレス、精密板金、溶接、部品加工・組立までを一貫して行う金属部品メーカーである。主な顧客は農機具、建設機械、印刷機器、自動車関連で、今後は食品加工設備関連などの新たな分野を加える方針だった。ステンレスは耐久性が高く錆びにくいことから食品加工設備関連、医療、航空宇宙関連などで需要が高まっているが、加工工程でキズがつきやすく製品の美観に関わるため、同業者の多くが敬遠する素材だった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力金型交換作業の長時間化により設備稼働率が低下し、受注機会を逃していた。
  • 品質・精度ステンレス製品の曲げ加工で不良率が高く、加工工程で付くキズも問題になっていた。
  • 人手・技能熟練技術者の退職により技術が弱体化し、技術の見える化と若手技術者の育成、技術継承が急務になっていた。

やったこと

金型の選択・設定から曲げまでを完全自動化するため、自動ベンディングマシンを新規導入した。これにより段取り時間を当初の想定を超えて80%削減し、素材にキズをつけることなく不良発生の抑制という目標もクリアした。熟練工の勘に頼っていた微妙な数値をプログラミングで加工に反映し、製造工程をモニターチェックすることで技術の見える化も実現した。導入した設備で取得した加工データは既存の汎用設備にも水平展開し、暗黙知の伝承に活かせる体制を整えた。

加工機自動ベンディングマシン

事業の効果

  • 段取り時間を80%削減

ベンディングマシンの導入により、ステンレス曲げ加工の段取り時間を当初想定を超えて80%削減し、確認作業の削減と不良発生の抑制も実現して目標値をほぼ達成した。加工工程の数値をプログラミングで反映し工程をモニターチェックできるようになり、技術の見える化が進んだ。取得したデータを既存設備に水平展開して若手への技術伝承にも活かせるようになり、食品加工設備部品の受注拡大や医療機器分野への進出につなげられる見通しである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性3

    プレス金型・部品加工の一貫生産を強みとし、ステンレス加工に注力する方針が記載されている。ただし過去の取組との連続性を具体的に示す記述は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    農機具・建設機械など既存顧客に加え食品加工設備や医療分野へ広げる方針が示され、ステンレス需要の高まりを背景としている。

  • 課題の認識と解決5

    段取り時間を80%削減、不良発生の抑制、受注機会の逃失解消という課題と効果が数字つきで示されている。

事業の実現可能性56%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    段取り時間80%カットを実現し、ほぼ当初の目標値を達成したと記載されている。付加価値額や賃上げの目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    限られた社員が担当していたことや若手育成に触れているが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ステンレスの耐久性や錆びにくさを特長とし、美観・価格・強度を備えた一体成形を顧客に評価されていると記載されている。

  • 事業化までの道筋3

    暗黙知の伝承に向け取得データを既存設備へ水平展開する方針が示されるが、具体的なスケジュールや手順は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    ステンレスの曲げ加工において、傷を避けつつ高精度に加工する難易度の高い分野で、他社が敬遠する領域に参入している。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    食品加工設備・医療機器など新分野への進出が語られるが、経済波及や雇用創出など国が補助する積極的理由は明記されていない。

  • 費用対効果3

    段取り時間80%削減や不良抑制の効果は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加額などの費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    加工工程をプログラミングでモニターチェックし技術を見える化したとあるが、サプライチェーン全体への貢献までは読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    食品加工設備や医療機器など成長が見込まれる分野への進出がうかがえるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及2

    佐久市の企業として地域に立地する記述はあるが、地域特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の具体的記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

ステンレス加工には従業員のスキルアップと設備力が欠かせない。今回の導入効果は想定以上で、今後さらにベンディングマシンを導入していきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。