ものづくり補助金平成29年度製造業長野県

新ライン導入による新技術確立と生産性向上及び労働環境の改善

宮田アルマイト工業株式会社

成果生産能力 1倍→2倍

この事例のポイント

  • 現有ラインの生産能力では増産に対応しきれず、キャパオーバーにより断念している受注も多い。
  • 平成29年度補正ものづくり補助金を活用し、すでに取得していた隣地の空き工場に新ラインを構築した。
  • 生産能力 1倍→2倍。新ラインの導入により生産能力が従来の2倍に拡大し、増産要求に対応できる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名宮田アルマイト工業株式会社
所在地長野県 宮田村
業種金属製品製造業
技術分野表面処理
従業員数94人
資本金3,500万円
設立1973年

事業の背景

1973年にアルマイト加工を事業の柱として設立され、当初は光学機器(カメラの外装部品など)が主力だった。早くから自動車関連分野の需要増を見越して設備投資と営業活動を進め、現在は自動車関連アルミダイカスト製品が売上高の約6割を占める。手がける分野は光学、建材、精密機器、家電など多岐にわたり、取引企業は約1,000社にのぼる。自動車のEV化や低燃費化による軽量化ニーズの高まりから、鉄系材料の部品からアルミダイカスト製品への転換が進み、半導体や医療機器など幅広い産業でもアルミ製品の活用が増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力現有ラインの生産能力では増産に対応しきれず、キャパオーバーにより断念している受注も多い。
  • その他シフトを3交代制にしたことで、深夜を含む労働環境が悪化している。
  • 品質・精度製品同士の衝突などによる不良が発生していた。
  • 生産能力工場スペースが手狭で、加工後製品の置き場所にも困っている。

やったこと

平成29年度補正ものづくり補助金を活用し、すでに取得していた隣地の空き工場に新ラインを構築した。既存ラインにはない整流器やチラー設備を導入し、ダイカスト製品のアルマイト処理を一元化する新技術に取り組んだ。その結果、20ミクロン以上の膜厚を安定して均一に形成する加工法を確立し、厳しい精度要求に応えられる生産体制を整えた。新被膜加工技術を伴った新ラインにより、アルマイト加工ラインの生産能力増強と最適レイアウトによる生産プロセスの改善を図った。

その他整流器
その他チラー設備
加工機自動アルマイト加工装置

事業の効果

  • 生産能力 1倍→2倍

新ラインの導入により生産能力が従来の2倍に拡大し、増産要求に対応できる体制が整った。ラインの配置によりモノの流れがスムーズになり、製品同士の衝突による不良発生も解消された。生産効率の向上によりコストダウンも実現し、労働環境の改善にもつながった。アルミダイカストへのアルマイト加工技術が確立され、生産性と労働環境の改善にめどがたった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性2

    自動車関連分野へ早くから需要増を見越して設備投資と営業を展開したとあり、過去の取組との一貫性がうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    EV化や軽量化によるアルミダイカスト需要の増加に触れ、自社は自動車分野が売上の約6割を占めるとあるが、自社の強み・弱みの分析は書かれていない。

  • 課題の認識と解決3

    キャパオーバーで受注を断念している点や生産能力を従来の2倍に拡大した点が課題と解決として書かれるが、高付加価値化の具体的計画は薄い。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産能力が従来の2倍に拡大したと数字で示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は公開事例からは読み取れない。

  • 事業を進める体制2

    従業員数94名と社歴は書かれるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力については記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    アルミダイカスト製品へのアルマイト処理を一元化し、20ミクロン以上の膜厚を均一に形成する点など製品の価値は示されるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後は量産の中で最適加工条件の究明と夜間処理の省人化を検討するとあり方向性はうかがえるが、スケジュールや課題解決方法は明確でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    アルミダイカストへのアルマイト処理を一元化する新技術と20ミクロン以上の膜厚の安定形成は特色だが、市場の普及度や高価格化の水準は示されていない。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用3

    アルミ採用の拡大や自動車の軽量化ニーズを背景に、産業界への波及が期待されるとの記述はあるが、国が補助する理由としての経済波及効果の数値は示されない。

  • 費用対効果2

    生産能力が2倍となりコストダウンも実現したとあるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    先端的なデジタル技術や新しいビジネスモデルの活用については公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    自動車のEV化による鉄系からアルミダイカストへの転換に対応している点はうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は明確でない。

  • 地域経済への波及2

    県内業界のさきがけとして展開してきたとあり地域の事業者としての位置付けはうかがえるが、地域経済の成長を牽引する具体的記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後は量産の中で最適加工条件を究明し、生産性の向上と夜間処理の省人化を検討していく。受注拡大と安定供給に向けて、さらなる技術力の向上に取り組んでいく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。