ものづくり補助金平成29年度製造業長野県

拡大する高級酒市場に向けた海外に通用する「白馬錦」の高品質化

株式会社薄井商店

この事例のポイント

  • 酒の品質に対する要求が20〜30年前とは雲泥の差となっており、出荷までの品質保持のための設備投資が欠かせなくなっている。
  • 麹造り工程において均一かつ緻密な温度管理を可能にするパネルヒーターを導入した。
  • 海外で受賞した銘酒「白馬錦」のさらなる品質向上と安定的な生産体制を実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社薄井商店
所在地長野県 大町市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境,バイオ
従業員数7人
資本金1,800万円
設立1906年

事業の背景

薄井商店は1906年創業の老舗酒造メーカーで、大町市の酒蔵で大北地域の契約栽培米にこだわった代表ブランド「白馬錦」を製造している。全国新酒鑑評会では過去4度金賞を受賞し、ロンドン酒チャレンジでも5回入賞するなど国際的評価も高まっている。日本酒消費量は減少が続く一方、特定名称種(高級酒)の人気が高く需要が伸びている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度酒の品質に対する要求が20〜30年前とは雲泥の差となっており、出荷までの品質保持のための設備投資が欠かせなくなっている。
  • 人手・技能麹造りの温度管理が均一・緻密でなく、アルコールの分析作業を人手に頼っていたため、分析精度や所要時間、人員に課題があった。
  • 生産能力さらなる品質向上と安定的な生産体制の構築が求められていた。

やったこと

麹造り工程において均一かつ緻密な温度管理を可能にするパネルヒーターを導入した。またアルコールの計測・分析を自動で行う分析器を導入し、従来人手に頼っていた分析作業を自動化した。これにより高品質な麹を安定的に製造できるようになり、分析精度が向上した。分析にかかる人員と所要時間も大幅に削減し、より効率的な生産体制を構築した。

その他パネルヒーター
検査測定アルコール計測・分析器

事業の効果

海外で受賞した銘酒「白馬錦」のさらなる品質向上と安定的な生産体制を実現した。麹の温度管理と分析工程の改善により高品質な麹を安定して製造でき、分析精度が向上し、分析の人員と所要時間も大幅に削減された。拡大する高級酒市場のニーズに応える基盤を築くことができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性53%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業1906年の老舗で代表銘柄「白馬錦」の品質向上を図る取組と読めるが、過去取組との連続性や経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    全国新酒鑑評会の金賞数全国1位やロンドン酒チャレンジ5回入賞など強みは示されるが、市場動向との関係付けは薄い。

  • 課題の認識と解決2

    分析の人手・所要時間の大幅削減とあるが数値はなく、課題認識と高付加価値化への結びつきはわずかにうかがえる程度。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制3

    社長・専務の体制や従業員7名は書かれるが、補助事業を遂行する体制の具体的な説明は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    海外受賞や高級酒市場の拡大が語られ、顧客ターゲットや選ばれる理由はある程度読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    麹の温度管理や分析の自動化など導入内容は書かれるが、スケジュールや中長期の検証過程は記載がない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    拡大する高級酒市場で特定名称酒の需要が伸びていると具体的に示され、高価格帯の高品質化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の田園風景保全や契約栽培米による地域特性の活用はうかがえるが、国が補助する波及効果の記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    分析作業の人員・時間の大幅削減とあるが数値がなく、補助金投入額に対する費用対効果は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動計測・分析器の導入はあるが、デジタル技術によるサプライチェーン全体への貢献までは書かれていない。

政策面50%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及4

    北アルプスの麓の雪中埋蔵やトンネル貯蔵など地域特性を活かし、地域の景観と経済を守る事業と読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

事業者の声

今、酒の品質に求められる要求は20~30年前とは雲泥の差。品質保持のための設備投資も絶対に欠かせません

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。