ものづくり補助金平成29年度製造業静岡県

連続型蒸煮機導入による増産および生産性の向上を目指した一貫製造ラインの構築

株式会社丸賢商店

成果作業室内温度 31℃→17℃

この事例のポイント

  • 大手取引先から依頼された冷凍の信田煮の大量生産に対し、ボトルネックとなっていた蒸し煮工程の生産能力が追いつかなかった。
  • 連続式蒸煮機製造ラインを導入した。
  • 作業室内温度 31℃→17℃。作業室内の温度上昇が抑えられ、作業環境が格段に改善された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社丸賢商店
所在地静岡県 焼津市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
資本金1億円
設立1960年

事業の背景

株式会社丸賢商店は水産加工品の製造業者で、主に練り製品をチルドで販売してきたが、昭和55年頃から総菜の冷凍食品製造に業務を拡大した。主な取引先は学校給食や介護施設、飲食店、スーパーマーケット等へ食品を販売する大手製造販売会社である。少子高齢化や世帯人数の減少、女性の就職率上昇などにより冷凍食品の消費量は増加している一方、製造企業や工場数は減少傾向にあり、1工場当たりの生産量は増えている。そのため取引先ではアウトソーシングが増えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力大手取引先から依頼された冷凍の信田煮の大量生産に対し、ボトルネックとなっていた蒸し煮工程の生産能力が追いつかなかった。
  • 品質・精度蒸煮機は製品を置く位置によって蒸し温度に差が生じ、製品にばらつきが出やすかった。
  • 人手・技能バッチ式の蒸煮機では台車を1台ごとに扉の開閉が必要で、台車交換に時間がかかり、蒸気漏れで作業室内の温度調整も必要だった。

やったこと

連続式蒸煮機製造ラインを導入した。ライン全体が蒸し器となっており、コンベアで製品を移動させながら蒸す仕組みである。扉の開閉が不要になり、台車交換に要していた時間も削減された。蒸気は機械上部のダクトから工場外へ排出され、蒸気の出入りは自動で調節されるため、蒸室内の温度はほぼ均一に保たれる。入り口から出口まで温度が均一になるよう改善されており、安定した品質の製品を製造できるようになった。

加工機連続式蒸煮機製造ライン

事業の効果

  • 作業室内温度 31℃→17℃
  • 1時間当たりの生産量 1倍→2.6倍
  • 生産能力 1倍→2倍

作業室内の温度上昇が抑えられ、作業環境が格段に改善された。1時間当たりの生産量は従来の2.6倍になり、大量生産の依頼に対応できるようになった。台車交換時間の削減により生産能力は2倍以上となり、蒸し煮工程の改善が図られた。製品の蒸し温度が均一になり、安定した品質の製造が可能となった。取引先からのアウトソーシングニーズも広がっている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    過去の温度管理ノウハウを活かして新設備を導入したとあり、既存事業との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    冷凍食品需要の増加や製造企業数の減少が述べられ、蒸し技術が高く評価されている点も書かれているが、競争優位の定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    蒸し煮工程がボトルネックだったという課題を示し、連続式蒸煮機で生産量を2.6倍、生産能力を2倍以上にしたと具体的に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産量2.6倍、能力2倍以上という実績は書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    大手取引先からの大量生産依頼や、ばらつきのない製品への要望が述べられ、顧客ニーズへの対応は読み取れるが、ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    今後はIoTやロボット技術を導入するとあるが、スケジュールや課題の解決方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    蒸煮機の温度均一性の技術は評価されているとあるが、普及度や高価格化の水準については書かれていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    冷凍食品の消費増加と製造企業減少によるアウトソーシング需要の拡大がうかがえるが、国が補助する理由は明示されていない。

  • 費用対効果3

    生産能力が2倍以上、1時間当たり生産量が2.6倍と示され、投資効果はうかがえるが、費用や付加価値額の数字はない。

  • イノベーションへの貢献2

    今後IoTやロボット技術を積極導入すると述べられているが、現時点での先端デジタル技術の活用内容は具体的でない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    焼津市の事業所であることは示されるが、地域の特性を活かした雇用創出や成長への言及は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後はIoTやロボット技術も積極的に導入し、さらに高まる冷凍食品の消費ニーズを満たす新商品を提供していく。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。