ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

もち米に特化した精米加工における革新的選別プロセスの開発

株式会社森田商店

成果従来は30kgしか対応できなかったが、工場で袋詰めを行うことで少量からでも販売が可能になった。

この事例のポイント

  • 取引先の精米加工メーカーは設備の老朽化と後継者問題から廃業を検討しており、同社が派遣した社員の見立てでも設備は永続的に使えるものではなかった。
  • 社屋に隣接する土地を購入し、「平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」を活用して精米加工に必要な色選タンク、色彩選別機、昇降機、コンプレッサーを導入した。
  • 従来は30kgしか対応できなかったが、工場で袋詰めを行うことで少量からでも販売が可能になった。自社で精米加工を手がけることで、顧客の要望に応じた商品を提供できるようになり、営業の幅が広がった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社森田商店
所在地愛知県 名古屋市
業種食料品製造業
従業員数13人
資本金1,000万円
設立1957年

事業の背景

森田商店は昭和32年設立の小豆を中心とする豆類卸業で、東海3県の菓子メーカーや問屋に良質な豆類を卸してきた。小豆は天候で収穫量が左右され、年によっては価格が2倍に跳ね上がったため、契約栽培化で価格を固定したが収益は下がった。そこで顧客の多い和菓子メーカーに向けてもち米卸に参入した。もち米は12月末の需要が最も高く繁閑の波が大きいため、精米加工メーカーは減少を続けている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力取引先の精米加工メーカーは設備の老朽化と後継者問題から廃業を検討しており、同社が派遣した社員の見立てでも設備は永続的に使えるものではなかった。
  • コスト・採算小豆は天候による収穫量の変動で価格が大きく跳ね上がることがあり、契約栽培で価格を固定した結果、収益が下がっていた。
  • 新製品・新技術もち米の精米加工は新規参入の余地があるものの、自社では高品質なもち米を安定して生産できる設備を持っていなかった。

やったこと

社屋に隣接する土地を購入し、「平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金」を活用して精米加工に必要な色選タンク、色彩選別機、昇降機、コンプレッサーを導入した。中でも色彩選別機にこだわり、中型カラーシステム色彩選別機2台を導入した。色彩選別機に原料を通すことで、より高品質なもち米を生産できる工場となった。導入時に協力を得た生産設備メーカーと共同で、機械と機械をつなぐパイプの角度などを調整し、ラインの改善を繰り返している。

加工機色選タンク
検査測定色彩選別機(中型カラーシステム色彩選別機)
加工機昇降機
その他コンプレッサー

新しい製品・サービス:工場で袋詰めを行うことで、従来の30kgだけでなく少量からのもち米販売に対応できるようになった。

事業の効果

  • 従来は30kgしか対応できなかったが、工場で袋詰めを行うことで少量からでも販売が可能になった。

自社で精米加工を手がけることで、顧客の要望に応じた商品を提供できるようになり、営業の幅が広がった。少量からの販売も可能になり、顧客のニーズに合わせた商品提案ができるようになった。自社で生産ラインを改善する中で、もの作りの楽しさも生まれた。工場新設後は業務委託の話が多く寄せられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    小豆卸からもち米卸へ、さらに精米加工へと事業を広げた経緯は読めるが、経営戦略上の位置づけは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客の多くが和菓子メーカーで小豆ともち米の合わせ売りに需要があったと述べられ、強みは読み取れるが定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決3

    取引先の設備老朽化と後継者問題による廃業検討という課題と、自社で精米加工に進出した対応は読めるが、付加価値向上の数値目標は書かれていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 事業を進める体制2

    従業員13人の小規模企業で、生産設備メーカーと共同で改善を繰り返す体制がうかがえるが、事務処理能力などは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    30kgからの少量袋詰め販売が可能になり、高純度のもち米を色彩選別で生産する点など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    ライン改善を繰り返す方針や生産設備メーカーとの協力は書かれるが、中長期の遂行スケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達2

    令和2年5月の売上が壊滅的だったと記され財務面の厳しさがうかがえるが、資金調達の見込みや財務状況の数字は書かれていない。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    新規参入者として希少性のある色彩選別設備を2台導入したと書かれるが、市場内での高付加価値化の度合いは明示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    精米加工メーカーが減少し統廃合も進むなか、地域の精米機能を維持する意義がうかがえるが、経済波及効果などは書かれていない。

  • 費用対効果3

    設備導入後に業務委託の話が増えたと書かれるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    色彩選別機の導入や設備メーカーとの改善は読めるが、先端デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及は乏しい。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    名古屋市中川区の地元企業として地域の産地と結びつき、地域の食文化に貢献する旨が書かれているが、雇用や地域成長への言及は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

新型コロナの影響で令和2年5月の売上は壊滅的だったが、勉強代と割り切りアフターコロナに向けて動く考えである。精米加工メーカーは統廃合が進む中、顧客のニーズに合致した商品提案と生産ラインの改善を進め、顧客に選ばれる会社を目指すとしている。

事業者の声

顧客に選ばれるような会社を目指す

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。