ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

コンクリート製土留め角杭の半自動生産システム構築による生産・作業環境革新

石川コンクリート工業株式会社

成果金型設置時間 30分→10分

この事例のポイント

  • 角杭の生産は人手に頼る工程が大部分で効率が悪く、同業他社から生産量以上の引き合いがあっても対応できず受注を逃していた。
  • 角杭用の金型を、型枠と仕切り板を連結して一体化したスライド式型枠に改良し、スライド機工で仕切り板の間を開閉できるようにした。
  • 金型設置時間 30分→10分。金型設置時間が従来の3分の1の約10分に短縮され、一人で金型を設置できるようになったことで生産性が向上した。

事業者のプロフィール

事業者名石川コンクリート工業株式会社
所在地愛知県 西尾市
業種窯業・土石製品製造業
技術分野立体造形
従業員数8人
資本金1,000万円
設立1982年

事業の背景

石川コンクリート工業は擁壁や集水桝、U字溝などのコンクリート2次製品を製造・販売しており、40年以上磨いてきた立体造形技術が強みである。主力の側溝・ふた製品は売上高の60%以上を占めていたが、県内の道路整備予算の減少により伸び悩んでいた。業界全体も停滞する一方で、積極的に設備投資して品質と生産性を高め業績を伸ばす同業他社もあった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力角杭の生産は人手に頼る工程が大部分で効率が悪く、同業他社から生産量以上の引き合いがあっても対応できず受注を逃していた。
  • 人手・技能角杭生産は重労働の3K職場で、型枠や仕切り板が金属製で長尺のため重く、一連の工程を2人で作業しなければならなかった。

やったこと

角杭用の金型を、型枠と仕切り板を連結して一体化したスライド式型枠に改良し、スライド機工で仕切り板の間を開閉できるようにした。これにより一人で金型を設置でき、固定もワンタッチ式となった。併せて、完成した角杭5本を保持して金型からまとめて運搬できる専用脱型機を開発した。角杭は長さが最大3mで、1辺が10cm角、12cm角、15cm角などのサイズがあり、重量は1本あたり数十kgから100kgを超える。型枠と仕切り板を一体化したことで強度が上がり、手持ちのテーブル振動機を使ってコンクリートを均一に締め固められるようになった。

金型角杭用スライド式型枠(金型)
その他専用脱型機

事業の効果

  • 金型設置時間 30分→10分

金型設置時間が従来の3分の1の約10分に短縮され、一人で金型を設置できるようになったことで生産性が向上した。専用脱型機により5本をまとめて運搬できるため運搬効率が上がり、重量物の取り扱いが減って安全性も向上した。古い金型で発生していた欠損や型枠の隙間からのコンクリート流れ出しによる不良がなくなり、手直しが不要になった。テーブル振動機の振動で表面の凹凸が従来の2分の1以下に抑えられ、角杭の美観も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    40年以上の立体造形技術と「あいくる」認定の環境対応製品開発の経緯が書かれ、角杭の生産性改善は同業他社の引き合い対応という位置づけで読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    県の道路整備予算減少と側溝製品の伸び悩み、同業他社の設備投資との比較が書かれ、外部環境と強みの関連は読み取れるが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    角杭は人手依存で受注を逃していた課題が明示され、組立時間を従来の3分の1の約10分に短縮し、将来3倍の生産が可能と述べられている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    「将来的には現状の3倍の生産が可能」との発言はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれておらず、実現可能性の根拠は薄い。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    同業他社からの生産量以上の引き合いという需要の裏付けがあり、表面の凹凸を従来の2分の1以下に抑え美観も向上したと書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    金型・脱型機の開発と導入の流れは書かれているが、スケジュールや今後の課題解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    角杭は一般的に普及した製品ではなく、3K職場の改善と同業他社との差別化を図る記述はあるが、高価格化の数字は示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    公共事業のリサイクル材利用促進に沿った環境対応製品への言及があり、国の政策との関わりがわずかにうかがえる。

  • 費用対効果3

    従来の3分の1の設置時間や3倍の生産可能性は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    スライド式型枠や専用脱型機など新規設計の設備は示されるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は記述されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    愛知県西尾市の地域企業であることや県の公共事業との関わりがうかがえるが、地域の経済成長への牽引は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

将来的には現状の3倍の生産が可能と見込まれている。

事業者の声

将来的には現状の3倍の生産が可能だ

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。