ものづくり補助金平成29年度製造業愛知県

生産能力増強と高付加価値商品量産を実現する薄力粉自動供給設備の増設

尾張製粉株式会社

この事例のポイント

  • 薄力粉の袋詰め・包装は手作業で行われ、作業量が増えると作業効率が落ちて生産効率も低下していた。
  • 平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用し、薄力粉供給の自動化に取り組んだ。
  • 薄力粉の生産効率は当初目的を上回る約30%向上した。

事業者のプロフィール

事業者名尾張製粉株式会社
所在地愛知県 半田市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,製造環境
従業員数50人
資本金7,425万円
設立1932年

事業の背景

尾張製粉は明治18年創業で、小麦粉関連の製品を手がけるグループの中核企業で、グループ総売上高は約145億円である。製粉業界では国内大手4社がシェアの80%以上を握る寡占状態が続く中、同社は小ロットの製品を扱う中小規模市場に的を絞ってきた。同社の小麦粉製品は強力粉が60%、薄力粉が40%を占め、倉庫型店舗やドラッグストア向けの家庭用小麦粉の需要が伸びていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能薄力粉の袋詰め・包装は手作業で行われ、作業量が増えると作業効率が落ちて生産効率も低下していた。
  • 生産能力生産能力に余裕がなく、店舗数の拡大を目指す中小スーパーや倉庫型店舗からの増産要求に応えられず、ドラッグストア向け製品の拡大も断念していた。

やったこと

平成29年度補正ものづくり・商業・サービス経営力向上支援補助金を活用し、薄力粉供給の自動化に取り組んだ。強力粉製品向けに設置したものと同じ収容能力15トンのサイロ1基を増設し、薄力粉をサイロから袋詰め・包装工程の小袋包装機まで搬送するスクリューコンベヤーを導入した。これにより、薄力粉供給を担う作業に当てていた人員が不要になり、薄力粉の自動供給設備が完成した。

その他収容能力15トンのサイロ(薄力粉用)
その他スクリューコンベヤー

新しい製品・サービス:ホットケーキ用などのミックス粉の新製品。付加価値は高いが市場規模は大きくない。

事業の効果

薄力粉の生産効率は当初目的を上回る約30%向上した。強力粉と同等の生産能力に引き上げられ、量産によるコスト効果も加わって価格競争力が強化された。供給作業に当てていた人員が不要になり、人件費や紙袋などの資材費も削減できた。現場作業の軽減で新製品開発に人を割り当てられるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    中小規模市場に絞った事業展開や、2014年の強力粉供給自動化からの継続投資が記載され、過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    大手4社がシェア80%超の寡占状態と、中小規模市場を狙う方針が示され、市場環境と自社の強みの関係が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の袋詰めで生産効率が低下する課題を認識し、薄力粉サイロ増設で生産効率を約30%向上させる計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    生産効率を約30%向上、サイロ収容能力15トンと数値が示されるが、賃上げや付加価値額の目標値は記載がない。

  • 事業を進める体制2

    実施体制について、人員の再配置に触れるのみで、補助事業を遂行する人材や事務処理体制の記載は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    中小スーパーや倉庫型店舗、ドラッグストア向けの増産ニーズに対応できる点が書かれ、顧客ターゲットと選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    今後の取組として新市場開拓や製品開発が触れられるが、スケジュールや遂行方法の具体的な記載は少ない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    小ロット多品種の中小規模市場を狙い、ミックス粉は付加価値が高い一方で市場規模が大きくない分野と説明されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域経済への波及や雇用創出は記載されず、国が補助する積極的な理由はうかがえる程度に留まる。

  • 費用対効果4

    生産効率が当初目的を上回る約30%向上し、人件費と紙袋などの資材費も削減したと費用対効果の一部が示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    サイロ設置と自動供給による省力化は記載されるが、先端デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    地方の中小製粉事業者として中小規模市場を開拓する点はうかがえるが、地域特性や地域成長への言及は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

生産能力が高まったことで、店舗数の拡大を目指す中小スーパーや倉庫型店舗の増産要求に対応できるようになった。今後は、生産能力の問題で断念していたドラッグストア向け製品の拡大に向けた取り組みも強化していく。

事業者の声

「このため、小ロット多品種の新たなミックス粉の分野では、大手より優位性がある」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。