ものづくり補助金平成28年度製造業福岡県

高菜漬け製造設備導入による製造工程改善と増産体制確立

熊川食料工業株式会社

成果タンクでの漬け作業時間 30分→5分

この事例のポイント

  • 国産高菜漬けの需要が高まる一方で、現状の製造設備では既存顧客のニーズに応えることも困難な状況だった。
  • 製造ロス削減と処理能力増加を目的に、新形状タンク、二層式圧搾機、テーブルリフターの3種類の設備を導入した。
  • タンクでの漬け作業時間 30分→5分。新形状タンクの導入で移し替えが簡素化し、漬け作業時間が30分以上から5分まで短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名熊川食料工業株式会社
所在地福岡県 みやま市
業種食料品製造業
技術分野バイオ,製造環境
従業員数23人
資本金1,000万円
設立1914年

事業の背景

熊川食料工業は1914年に瀬高町で高菜漬けなどを製造するために創業し、三池高菜の価値を保つため全て瀬高産の高菜を使用している。主力は瀬高産の高菜漬けおよび高菜漬けを使った惣菜の製造・販売である。近年は国産高菜漬けの需要が高まっている。高菜の収穫・漬け込みは年に2度あり、近年は漬け込みと製造の時期が重なることで人手不足が深刻になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力国産高菜漬けの需要が高まる一方で、現状の製造設備では既存顧客のニーズに応えることも困難な状況だった。
  • コスト・採算製造ロスが多く、処理能力も不足していた。
  • 人手・技能漬け込みと製造の時期が重なり人手不足に陥って従業員の負担が増え、作業の効率化が喫緊の課題になっていた。
  • 生産能力収穫した高菜を軽トラックの荷台から手作業でタンクに移す作業に時間がかかっていた。

やったこと

製造ロス削減と処理能力増加を目的に、新形状タンク、二層式圧搾機、テーブルリフターの3種類の設備を導入した。新形状タンクは軽トラックの荷台に合わせたサイズとし、従来の正方形タンクでは漬けるのに30分以上かかっていた作業を5分まで短縮した。従来は一層で脱塩から絞りの工程を交互に行っていた圧搾機を二層式にし、脱塩した高菜を隣の層にスライドさせて次の工程に移れるようにした。テーブルリフターにより、従業員が行っていた計量機までの荷揚げ作業を自動化した。

その他新形状タンク
加工機二層式圧搾機
その他テーブルリフター

事業の効果

  • タンクでの漬け作業時間 30分→5分
  • 設備導入による効率化を実現し、営業利益も増加傾向にある

新形状タンクの導入で移し替えが簡素化し、漬け作業時間が30分以上から5分まで短縮された。二層式圧搾機により脱塩から次工程への移行が速くなり、荷揚げ作業の自動化で従業員の負担と危険が減った。3種類の設備で生産効率が大幅に上がり、従業員が遅くまで作業することがなくなった。効率化により営業利益も増加傾向にある。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    製造ロス削減と処理能力増加を目的に設備導入し増産を目指したとあるが、過去の取組との関係や戦略上の位置づけは書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    国産高菜漬けの需要増と既存設備では顧客ニーズに応えにくい状況が示されるのみで、競争優位性の根拠は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    漬け込み時の作業時間が30分以上から5分に短縮、圧搾機と荷揚げ自動化など、課題と対策が具体的に対応づけられている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    営業利益増加傾向や計画より5パーセント上回るペースが示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    人手不足と従業員負担の状況はあるが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理能力は記載がない。

  • 顧客とニーズの裏付け2

    瀬高産高菜漬けの価値や需要増への言及はあるが、顧客ターゲットや選ばれる理由の整理は書かれていない。

  • 事業化までの道筋2

    導入設備と工程の改善内容は書かれるが、スケジュールや中長期の検証方法は記載されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高菜漬けは三池高菜を使う地域特産品とあるが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述は乏しい。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の特産である瀬高産高菜の活性化や産地の担い手減少への言及があるが、国が補助する理由としての波及効果は具体的でない。

  • 費用対効果3

    作業時間短縮やロス削減、営業利益増加は示されるが、補助金投入額に対する費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    自動化や設備導入は示されるが、先端的デジタル技術やサプライチェーンへの貢献についての記述は見当たらない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    瀬高産高菜を使い地域の特産を守る取組とあるが、雇用創出や地域経済成長への寄与は具体的に書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後の課題は凶作による農家の減少に歯止めをかけることであり、産地の活性化にも取り組む必要がある。瀬高たかな漬協同組合の理事長として、HACCP勉強会を組合員向けに開催し、品質の重要性と作り手の意識向上にも取り組んでいる。今年度も計画より5パーセント上回るペースで進んでいる。

事業者の声

設備を導入することにより、結果を出さないといけないというモチベーションにもなります。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。