ものづくり補助金平成29年度製造業三重県

最新溶接設備導入による医療・介護用ベッド新商品用部品供給

ダイソウ工業株式会社

成果製作スペース 174㎥→56.2㎥

この事例のポイント

  • 設備の老朽化と生産スペースの不足により、新部品の試作や効率的な量産ができない。
  • 長年使用してきたパナソニック製の溶接ロボットに代わり、溶接ロボット単体で高速かつ低スパッタを実現できる新溶接ロボットを導入した。
  • 製作スペース 174㎥→56.2㎥。新溶接ロボットの導入により、製作時間の短縮とスパッタ低減による高品質化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名ダイソウ工業株式会社
所在地三重県 津市
業種金属製品製造業
技術分野接合・実装
従業員数99人
資本金1,000万円
設立1985年

事業の背景

主力は医療・介護用ベッド部品で、大手ベッドメーカーの介護用ベッド部品では9割のシェアを持つ。ただし競合他社や他業種の参入があり、既存商圏を守る必要があった。厚生労働省の資料では介護用ベッドの市場規模拡大が示され、低コスト・軽量・高強度などユーザーの満足度向上が求められていた。自動車部品や建設機械部品など異業種との取引も行い、業種ごとの景気変動に備えている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力設備の老朽化と生産スペースの不足により、新部品の試作や効率的な量産ができない。
  • 販路・情報発信海外部品メーカーに対する差別化・競争力が維持できなくなることが懸念される。

やったこと

長年使用してきたパナソニック製の溶接ロボットに代わり、溶接ロボット単体で高速かつ低スパッタを実現できる新溶接ロボットを導入した。溶接ロボットを2台並行設置して同時溶接を行えるようにした。溶接対象物の設置台を2面にして360度回転させることで、ハの字型レイアウトによる溶接スペースの制約を解消し、スピーディーな溶接を可能にした。機械の特徴を熟知したメーカーとの打ち合わせを時間をかけて行い、目的に合う最適な機械を選定した。

ロボット溶接ロボット
その他溶接対象物設置台(2面・360度回転)

新しい製品・サービス:医療・介護用ベッド新商品用部品

事業の効果

  • 製作スペース 174㎥→56.2㎥
  • 要員数 8名→10名
  • 粗利益率 36.5%→50%
  • 一人当たり負荷 10.7h→9.6h

新溶接ロボットの導入により、製作時間の短縮とスパッタ低減による高品質化が実現した。設置スペースが縮小し、省力化も可能になった。これにより生産精度・スピードと提案力が向上し、医療・介護用ベッドの新商品開発が促進されると期待される。その結果、他社との差別化と競争力強化が図られた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    長年使ってきたパナソニック製溶接ロボットの経験を踏まえ、医療・介護ベッド部品の既存商圏を守る方針が事例に具体的に書かれている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    介護用ベッド部品で大手ベッドメーカーの9割のシェアを持つ強みと、競合・他業種参入の脅威が示されている。

  • 課題の認識と解決4

    設備老朽化と生産スペース不足を課題として挙げ、溶接ロボット2台並行と2面回転台で解決する計画が書かれている。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標4

    スペース67.8%削減、スパッタ低減75〜90%の目標に対し実績58.6%、90%削減が示され、粗利益率も36.50%から50%が目標とされている。

  • 事業を進める体制3

    要員数を8名から10名に増やす計画と、長年の溶接ロボット運用経験は読み取れるが、事務処理体制の記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    介護ベッド需要の拡大と、低コスト・軽量・高強度へのユーザーニーズが厚労省データを挙げて示されている。

  • 事業化までの道筋3

    メーカーとの打ち合わせを重ねた導入経緯は書かれているが、導入後のスケジュールや課題解決の段取りは具体的でない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    介護用ベッドは市場拡大が見込まれるが、普及度や認知度の水準についての記述は限られている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    高齢化社会のニーズ対応と新商品開発の促進が述べられ、波及効果の記述はあるが定量的な裏付けは少ない。

  • 費用対効果4

    粗利益率36.50%から50%、一人当たり負荷10.7hから9.6hへの改善など、投資の効果が数値で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    溶接ロボットの導入はうかがえるが、デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は明確に書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    医療・介護分野への展開とアセアン進出がうかがえるが、日本経済の構造転換への言及は見当たらない。

  • 地域経済への波及2

    津市の企業であることは示されるが、地域の特性を活かした付加価値創出の記述は乏しい。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

既存商圏を守るとともに、積極的な設計開発提案を行う。要介護者やディーラー販売店の要望を吸い上げて新商品を提案し、エンドユーザーを自ら創造していく。今後も現状の取引先を柱に、技術開発を進めて業容を拡大する考えである。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。