ものづくり補助金平成29年度製造業滋賀県

和ろうそくの素材・技術を活かしたキャンドルの開発及び生産体制の構築

有限会社大與

成果生産量 1倍→8倍

この事例のポイント

  • 永平寺御用達などの仏事関係を中心とした既存分野の需要が減っており、新しい分野への進出が不可欠になっていた。
  • 米ぬか蝋を使った新商品として、レストラン用のテーブルキャンドルを開発した。
  • 生産量 1倍→8倍。機械化により生産量が8倍になり、量産できる体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社大與
所在地滋賀県
業種化学工業
技術分野デザイン,製造環境
設立1914年

事業の背景

和ろうそくは寺院で使われる宗教用具として発展し、当社は仏事関係を中心とした安定した需要があった。しかし時代の流れで既存分野の需要が減少し、新しい分野への進出が不可欠になっていた。ハゼノキの実が希少になったため、米ぬか蝋を使ったろうそくが主流になっていた。2010年前後から次の100年に向けた商品開発を始めていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑永平寺御用達などの仏事関係を中心とした既存分野の需要が減っており、新しい分野への進出が不可欠になっていた。
  • 新製品・新技術ろうそくを日常で使う場面が想像できず、スパ向けに作ったミニキャンドルは値段が高く、想定していた高級ホテルへは1つも売れなかった。
  • 生産能力和ろうそくは1本ずつ全て手作業で作っており、生産量を増やすことが難しかった。
  • 品質・精度手作業では不均一な熱伝導によりムラが発生しがちで、品質が安定しなかった。

やったこと

米ぬか蝋を使った新商品として、レストラン用のテーブルキャンドルを開発した。新商品に必要な成形機を導入し、製造工程を機械化した。導入した機械はテーパーキャンドル成形機シリンダーセットとラウンドローソク成形機シリンダーセットである。これにより、職人の手作りだったものを高品質かつ低コストで量産できる体制を整えた。

加工機テーパーキャンドル成形機シリンダーセット
加工機ラウンドローソク成形機シリンダーセット

新しい製品・サービス:米ぬか蝋を使い、においのないキャンドルとして、レストランのテーブルキャンドルを開発した。

事業の効果

  • 生産量 1倍→8倍

機械化により生産量が8倍になり、量産できる体制が整った。成形機の導入で品質が安定し、不均一な熱伝導によるムラも減った。廃棄ロスも大幅に減らすことができた。レストランの新商品が口コミで評判になり、新しい販路につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    仏事用具からの脱却が必要と明記され、2010年前後から商品開発を始めた経緯や米ぬか蝋への転換など過去の取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    ハゼノキ希少化や既存仏事需要の減少を外部環境として示し、永平寺御用達などの強みを活かす方向性が読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    既存分野の需要減少という課題を認識し、レストラン向け製品や海外販路開拓で新分野へ進出する方針が示されている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    生産量8倍という数字はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は示されておらず、目標の実現可能性は判断しにくい。

  • 事業を進める体制2

    職人の手作業から機械化したことはわかるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    においがなく燃焼時間が長いことや環境配慮が評価され、レストランなど顧客ターゲットと選ばれる理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    2020年予定の欧州営業活動を早期に実施する方針はあるが、スケジュールや課題の解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    米ぬか蝋を使った高品質な和ろうそくで、グッドデザイン賞受賞や高級飲食店向けの高付加価値化が示されている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の雇用や波及効果への言及はあまりなく、国が補助する積極的理由はわずかにうかがえる程度にとどまる。

  • 費用対効果3

    生産量8倍や廃棄ロスの大幅減という効果は読み取れるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    環境配慮の製品づくりは示されるが、先端的なデジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献は読み取れない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    ろうそくの暮らし需要や海外市場の変化に触れているが、日本経済の構造転換に資する点は明確に述べられていない。

  • 地域経済への波及2

    伝統技術を活かす点は読み取れるが、地域の雇用創出や地域経済成長への言及はわずかにうかがえるのみ。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

コロナ下でも海外での安定した販売が続き、売上減少を食い止めている。コロナ収束後、イギリス・オランダ・ドイツ・北欧・スイスへの営業活動を早期に実施し、海外販路をさらに開拓したいと考えている。

事業者の声

日本でろうそくを暮らしの明かりとして定着させるのはかなりハードルがあります。仏壇ですらろうそくを灯さない今、根本のところで火を人とどう結びつけるのかという問いに真摯に向き合いました。その結果、お客様に火と人の間にそっと寄り添うあたたかい灯というブランドイメージが届いたのだと思います。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。