ものづくり補助金平成28年度製造業北海道

高齢者の脆い乾燥肌ケア用製品を植物バターを原料に新製法で開発

株式会社アビサル・ジャパン

この事例のポイント

  • 乳幼児と高齢者の肌は皮脂量やバリア機能が低く、高齢者の肌は脆いため、介護・医療の現場でも使えるスキンケア商品の開発が必要だった。
  • 補助金で導入した機械装置で皮膚表面の状態を観察し、水分量やpH度を測定しながら試作を繰り返した。
  • 医師や試験機関の協力により、洗浄効果と保湿効果が認められ、皮膚疾患にも有効であることがわかった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アビサル・ジャパン
所在地北海道 札幌市中央区
業種化学工業
技術分野デザイン,バイオ,製造環境
従業員数22人
資本金7,000万円
設立2004年

事業の背景

主力は北海道の甜菜糖を使ったスキンケア商品「シュクレ」で、洗浄型保湿剤として肌荒れや乾燥にも効果が期待でき、国内外のメディアで紹介されるほど人気と信頼を得ている。砂糖の殺菌性や細胞を再生する働きに着目し、2003年に糖質スクラブとしてアメリカで特許を取得した。乳幼児向けに商品を展開した後、介護・医療の現場でも使える製品へ広げた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術乳幼児と高齢者の肌は皮脂量やバリア機能が低く、高齢者の肌は脆いため、介護・医療の現場でも使えるスキンケア商品の開発が必要だった。

やったこと

補助金で導入した機械装置で皮膚表面の状態を観察し、水分量やpH度を測定しながら試作を繰り返した。介護施設で試作品のヒアリングを行い、バタータイプは寝たきりの方には使いにくいと判明したため、アロマオイルを使った水溶性の洗浄保湿タイプに絞り込んだ。入浴できない方にも使えるよう洗い流し不要のローション型とし、褥瘡周りの洗浄保湿を可能にした。医師の指導のもと安全性を重視して処方を確立し、最終処方で保湿に関する高評価を得たものを使用基準とした。試験機関で安全性と機能性を確認し、世界で唯一遺伝子組み換えなしの甜菜糖を使ってトレーサビリティをクリアした。

検査測定マルチ皮膚測定器

新しい製品・サービス:介護・医療現場でも使える洗い流し不要の洗浄保湿ローション「カラダキレイ」

事業の効果

医師や試験機関の協力により、洗浄効果と保湿効果が認められ、皮膚疾患にも有効であることがわかった。支援物資として提供した被災地では簡単で衛生的と好評を得て、災害時の水不足や旅行・アウトドアでの入浴しにくい場面でも役立つことが確認された。介護用品展示会や学会でのニーズ調査では保険適用外サービスの需要が高く、販売チャンスがあると手応えを得た。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    甜菜糖スキンケア「シュクレ」の企画・販売というこれまでの取組から新製品へ続く流れは読めるが、経営戦略上の位置付けは記述が薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    国内外のメディア紹介や人気・信頼という強みは書かれているが、市場動向との比較や競争優位の根拠は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決3

    介護施設でのヒアリングから水溶性タイプへ絞り込んだ課題認識は読めるが、高付加価値化や成長に向けた計画の数値は示されていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標値は書かれていないが、今後の課題としてコストダウンに触れるのみで、数値目標はうかがえない。

  • 事業を進める体制3

    医師や試験機関の協力、介護施設との連携が記述され体制の一端は読めるが、人材や事務処理能力の具体は書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    介護・医療現場向け、乳幼児やアトピー向けとの違い、災害時や入浴困難時の用途など、ターゲットと選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    試作、ヒアリング、モニタリングを繰り返して処方を確立した工程は読めるが、スケジュールや期限の記述はない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    甜菜糖を用いた洗浄型保湿ローションは一般に普及していない分野で、特許取得や高評価を得た点も具体的に示されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    災害時の支援物資提供や介護現場での負担軽減に触れるが、国が補助する積極的理由としての波及効果や雇用創出は書かれていない。

  • 費用対効果2

    介護従事者の負担軽減やコストダウンの課題は触れられているが、補助金投入額に対する付加価値増加などの数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    補助金で導入した機械装置で皮膚の水分量やpHを測定した点はうかがえるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は書かれていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    北海道の甜菜糖を使い札幌で製造販売する点は地域資源の活用としてうかがえるが、地域経済や雇用への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

介護施設等で日常的に使用できるよう、コストダウンすることが今後の課題である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成28年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。