ものづくり補助金平成29年度製造業京都府

マシニングセンタ導入による自動車部品加工用特殊工具部品の高品質・短納期確立

株式会社ガルーダ精工

この事例のポイント

  • 自動車用特殊工具の斜め溝加工では±0.01mmの高い精度が求められるが、当時は角度調整が可能なマシニングセンタを保有していなかった。
  • 補助金を活用して新たに5軸のマシニングセンタを導入した。
  • 本事業により特殊工具部品の効率的な社内一貫生産体制を整備でき、顧客の要求に対応できるようになった。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ガルーダ精工
所在地京都府 京田辺市
業種金属製品製造業
従業員数8人
資本金3,000万円
設立2019年

事業の背景

当社は多様な金属を対象に高精度加工を行う会社で、主力は自動車部品加工用の特殊工具用部品である。2018年ごろの売上はほぼ特殊工具関係の顧客A社1社への依存だった。2017年にA社から、B社が担当していた特殊工具の傾斜溝部分の最終加工を承継し一貫生産を受託するかの打診を受けた。B社は汎用加工機で対応しており高度な熟練作業者を必要としていたため、B社の熟練作業者の高齢化が懸念されていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度自動車用特殊工具の斜め溝加工では±0.01mmの高い精度が求められるが、当時は角度調整が可能なマシニングセンタを保有していなかった。
  • 納期・工程納期要求に対応するうえで斜め溝加工がネック工程となっていた。
  • 人手・技能B社が担当していた斜め溝の最終加工は熟練作業者に依存しており、その高齢化のリスクがあった。
  • 販路・情報発信2018年ごろの売上はほぼ特殊工具関係のA社1社に依存していた。

やったこと

補助金を活用して新たに5軸のマシニングセンタを導入した。構成はX・Y・Z・A・Bの5軸で、以前保有していた機械に比べB軸が追加されている。これによりB社の熟練者が行っていた微妙な角度調整を自動設定できるようになった。導入機は3次元曲面加工やアンダーカット(隠れた加工面)の加工も可能で、±0.01mmの精度で斜め溝加工を行えるようにした。

加工機5軸マシニングセンタ

新しい製品・サービス:EV関連の長尺特殊工具、半導体分野のリードフレーム製造用金属スリッター装置の構成部品

事業の効果

本事業により特殊工具部品の効率的な社内一貫生産体制を整備でき、顧客の要求に対応できるようになった。加工時間は約37%短縮され、副次効果として運搬ロスの撲滅、品質の安定性向上、納期の短納期化も図れた。多能工化と多台持ちの体制も実現し、若手従業員のスキルアップにもつながった。補助事業終了翌年に法人化して以降、業績は順調に拡大し、2023年9月末決算では補助事業終了年度比で売上高は1.8倍に増加した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    2010年起業以来の鉄工所時代からの加工技術を背景に、自動車部品向け特殊工具部品の一貫生産へ展開した流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    顧客A社の熟練者高齢化リスクを背景に、B社の加工技術を承継して一貫受注する経緯が具体的に書かれ、競争優位の根拠として読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    斜め溝加工のネック工程を課題として特定し、5軸マシニングセンタ導入で±0.01mm精度・加工時間約37%短縮という効果が書かれている。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    加工時間約37%短縮、直近売上高が補助事業終了年度比1.8倍、2022年度の顧客依存度68%など数値付きの目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員8人で多能工化や熟練工によるOJT体制が書かれているが、補助事業の事務処理体制についての記述は見当たらない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ±0.01mmの高精度加工、1個からの小ロット短納期対応、EV・半導体関連への展開など、顧客ターゲットと選ばれる理由が具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋3

    EV・半導体関連への拡大や得意先分散といった中長期の方向は書かれているが、遂行方法やスケジュールの詳細は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    EVリードフレーム向け金属スリッター部品など、高精度加工を要する分野で高水準の付加価値化を図ることが書かれている。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    EV・半導体関連部品の市場拡大やJEITAの出荷規模4兆円に触れているが、波及効果や雇用創出への言及は限定的。

  • 費用対効果4

    加工時間約37%短縮と売上高1.8倍の増加が書かれており、投資に対する効果の一端は数字で読み取れる。

  • イノベーションへの貢献2

    5軸加工や自動設定によるCNC化はうかがえるが、先端デジタル技術の活用やサプライチェーンへの貢献としては具体性が乏しい。

政策面50%
  • 成長分野への進出3

    EV・半導体関連という成長分野への進出が明記されているが、日本経済の構造転換への言及は書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    京田辺市の革新企業顕彰事業で大賞を受けた事実はあるが、地域の特性を活かした経済成長への寄与は直接書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

EV関連や半導体関連の精密部品加工に拡大適用しており、これらを今後の主力商品として期待している。2022年度にはA社への依存度を68%まで低減し、他分野の顧客開拓も進めている。今後も得意先の分散を進め、成長分野に経営資源を集中して付加価値の高い事業を展開し、就労条件の改善など従業員の幸福度向上を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。