ものづくり補助金平成29年度製造業大阪府

ロボアーム成形機の制御ソフトウェア開発による業界全体の労働生産性向上計画

丸昭機械株式会社

この事例のポイント

  • 加工現場では職人が加工順や治具選定、制御をトライ&エラーで繰り返しており、作業の効率に課題があった。
  • ワイヤ加工機メーカーとして、顧客現場の課題解決を図る独自のソフトウェアを開発した。
  • 段取り時間を約90%削減し、加工制御プログラムの作成では NC設定をゼロ時間にできる見込みを示した。

事業者のプロフィール

事業者名丸昭機械株式会社
所在地大阪府 八尾市
業種生産用機械器具製造業
技術分野機械制御,機械制御,情報処理,情報処理,精密加工,精密加工,立体造形,立体造形
従業員数28人
資本金1,000万円
設立1976年

事業の背景

創業は昭和51年で、ワイヤを立体形状部品に加工するフォーミングマシン(成型機)のメーカーとして、自動車部品や建築金物などの製造現場を支えてきた。顧客は自動車業界をはじめ、家電、住宅設備などである。線材部品業界は海外との競争が激化しており、顧客の生産性や付加価値を高める装置が求められていた。EV向けのバスバー用細線加工のように、繊細な素材の加工も難しさを増していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能加工現場では職人が加工順や治具選定、制御をトライ&エラーで繰り返しており、作業の効率に課題があった。
  • 品質・精度ワイヤ加工は3次元で複雑形状化しており、同じ手法では品質の面でも課題を抱えていた。

やったこと

ワイヤ加工機メーカーとして、顧客現場の課題解決を図る独自のソフトウェアを開発した。専用の3D-CAD/CAMにより設計を簡素化し、そのデータを使った干渉チェック機能を実現した。あわせて3D-CGによる加工アニメーション機能と、成型機の制御プログラムを自動生成する機能を備えた。これにより、加工順や治具の選定、干渉の確認を事前に行えるようにした。

  • ソフト独自ソフトウェア専用3D-CAD/CAM、干渉チェック、加工アニメーション、制御プログラム自動生成

新しい製品・サービス:独自制御ソフトウェア(3D-CAD/CAM、干渉チェック、加工アニメーション、制御プログラム自動生成機能)

事業の効果

段取り時間を約90%削減し、加工制御プログラムの作成では NC設定をゼロ時間にできる見込みを示した。1つの治具で複数の加工に対応できるため、治具の種類を減らしてコストを下げられる。干渉チェックにより精度公差を縮小し、品質の向上につながる。今回のソフトは省力化の手段として、業界の標準になることも狙っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性平成14年のロボアームシリーズ開発や創業以来のノウハウ蓄積を踏まえ、独自ソフトを今後順次成型機へ標準搭載する方針が示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性業界トップ水準のシェアと、高価な金型を使わず3次元曲げを行える成型機の提供が書かれ、競争優位が具体的に読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決職人のトライ&エラーに限界があるという課題を示し、段取り時間約90%削減や治具種類削減といった効果が数字で示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標段取り時間約90%削減は成果として書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    平成14年のロボアームシリーズ開発や創業以来のノウハウ蓄積を踏まえ、独自ソフトを今後順次成型機へ標準搭載する方針が示されている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    業界トップ水準のシェアと、高価な金型を使わず3次元曲げを行える成型機の提供が書かれ、競争優位が具体的に読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    職人のトライ&エラーに限界があるという課題を示し、段取り時間約90%削減や治具種類削減といった効果が数字で示されている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    段取り時間約90%削減は成果として書かれているが、付加価値額や賃上げの目標値は記載されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員28名や主な保有設備は書かれているが、補助事業を遂行する人材配置や事務体制の詳細は読み取れない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    自動車部品、建築金物、EVのバスバー向け鋼線加工など顧客分野と、繊細な素材にも対応できる選ばれる理由が書かれている。

  • 事業化までの道筋3

    独自ソフトを中長期で順次標準搭載する方針と、5GやAIの活用に取り組む方向性は示されているが、具体的なスケジュールは不明。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    高価な金型を使わず3次元の複雑形状曲げを実現する世界最先端の成型機と、業界ホップの地位が書かれており高付加価値性がうかがえる。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用3

    人材採用難や将来の人口減少を見据えて省力化に貢献するという社会的な意義は書かれているが、経済波及効果の定量的記述はない。

  • 費用対効果3

    段取り時間約90%削減などの効果は示されているが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数字は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    5GやAI等の先端技術を成型機に活用する取り組みと、3D-CAD/CAMや干渉チェック機能による独自ソフトの開発が書かれている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出3

    海外との競争激化の中でEV向けバスバー加工など最先端分野に進出していると書かれており、構造転換への寄与がうかがえる。

  • 地域経済への波及2

    本社所在地として八尾市が示されているのみで、地域の特性を活かした雇用創出や地域経済への波及は読み取れない。

今後の展望

今後はロボアームシリーズの納入先企業に提案し、中長期で順次、自社の成型機に標準搭載する方針である。将来の人口減少や人材採用難を見据え、業界のデファクトスタンダードを狙う。5GやAIなど最先端技術を成型機に活用する取り組みも始めている。

事業者の声

このソフトで省力化に貢献する

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。