ものづくり補助金平成29年度製造業大阪府

3D最新設備と義肢装具士の職人技術との融合によるインソール生産体制の構築

大東義肢株式会社

成果インソール製作時間 120分→30分

この事例のポイント

  • インソールの製作は、足型をシャームで取り、石膏を流すなどの工程を経るため時間がかかっていた。
  • 三次元(3D)シャーム計測機と、それに連動する切削機を導入し、インソールを製作する工程を自動化した。
  • インソール製作時間 120分→30分。インソールの製作時間は従来の4分の1の30分程度になった。

事業者のプロフィール

事業者名大東義肢株式会社
所在地大阪府 大阪市
業種業務用機械器具製造業
技術分野測定計測,測定計測,立体造形,立体造形
従業員数11人
資本金4,000万円

事業の背景

同社は義肢や装具を自社で設計・生産し、大阪府内や和歌山県内の病院(主に整形外科、リハビリテーション科)を主な取引先としている。医療現場からは短納期への要望が高まっていた。同業他社でインソールを自動製作しているのは1割未満とされる。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力インソールの製作は、足型をシャームで取り、石膏を流すなどの工程を経るため時間がかかっていた。
  • コスト・採算従来の石膏を使う工程があり、材料費がかさんでいた。
  • 人手・技能技術者の経験やコツに頼っており、設計を数値化しにくく、技能の伝承が難しかった。
  • その他手作業による石膏の削り出しで粉じんが作業空間に舞い、その対応も課題だった。

やったこと

三次元(3D)シャーム計測機と、それに連動する切削機を導入し、インソールを製作する工程を自動化した。計測したデータに基づき切削機が材料を削り出すことで、インソールが完成する。これにより、従来必要だった石膏を使う工程が不要になった。

事業の効果

  • インソール製作時間 120分→30分
  • 材料費が約半分に削減

インソールの製作時間は従来の4分の1の30分程度になった。石膏を使う工程がなくなり、材料費も約半分に削減できた。作業環境も改善され、粉じんの課題も解消された。設計が数値化されたことで技能の効率的な伝承が可能になり、技術者が利用者と向き合う時間も増えた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性20年以上の経験を持つスタッフと自社での設計・生産体制が強みとされ、同業他社で自動製作を行うのは1割未満と示されている。
  • 4
    課題の認識と解決石膏工程の手作業や削り粉への対応を課題として挙げ、製作時間を4分の1の30分程度に短縮して短納期要望に応えたと書かれている。
  • 4
    イノベーションへの貢献3次元シャーム計測機と切削機を連動させ、計測データから削り出す仕組みで設計を数値化したと具体的に書かれている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業化までの道筋高齢者向け製品の充実や他社からの委託加工受注を視野に入れると書かれているが、遂行方法やスケジュールは示されていない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    従来のシャーム工程から3次元計測と切削機の導入へ移し、インソール製作を自社で行う方針が読み取れるが、経営戦略上の位置付けは詳しく書かれていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    20年以上の経験を持つスタッフと自社での設計・生産体制が強みとされ、同業他社で自動製作を行うのは1割未満と示されている。

  • 課題の認識と解決4

    石膏工程の手作業や削り粉への対応を課題として挙げ、製作時間を4分の1の30分程度に短縮して短納期要望に応えたと書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標3

    製作時間4分の1、材料費約半分という実績の数字はあるが、今後の付加価値や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    義肢装具士を含む社員11名と20年以上の経験者がそろうと記載があり、人材面の体制は読み取れる。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    顧客は大阪府内や和歌山県内の整形外科などの病院で、病院からの短納期要望や利用者の満足度向上が選ばれる理由として示されている。

  • 事業化までの道筋2

    高齢者向け製品の充実や他社からの委託加工受注を視野に入れると書かれているが、遂行方法やスケジュールは示されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    同業他社でインソールの自動製作を行うのは1割未満とされ、ニッチな分野で高水準の付加価値化を図る取組と読み取れる。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    超高齢社会や健康寿命の延伸に触れているが、雇用創出や経済波及効果など国が補助する積極的理由は具体的に書かれていない。

  • 費用対効果3

    製作時間を4分の1、材料費を約半分に削減したと数字が示されているが、補助金額に対する費用対効果の記載はない。

  • イノベーションへの貢献4

    3次元シャーム計測機と切削機を連動させ、計測データから削り出す仕組みで設計を数値化したと具体的に書かれている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    高齢者向け製品の充実や健康寿命の延伸に言及しているが、日本経済の構造転換に資する点は明確に書かれていない。

  • 地域経済への波及3

    大阪府や和歌山県の病院を中心に地域医療へ貢献すると述べられているが、雇用や地域経済成長への効果は書かれていない。

今後の展望

他社からの委託加工の受注や、高齢者向けインソールの充実を視野に入れている。

事業者の声

義肢、装具は、失われた機能を回復するために、非常に大切な分野です。製品を通して患者様の機能回復と社会復帰のお手伝いをしたいと考えております。是非、当社製品を患者さまに身につけて頂き、早期リハビリにつなげてもらいたいです。患者さまが少しでも快適に生活できることを願い、地域医療に貢献していきます。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。