ものづくり補助金平成29年度製造業大阪府

独自技術の加工法とデジタル印刷を融合したバリアブルセキュリティーラベルの製造事業

ミラクル工業株式会社

成果作業時間は導入前より半減

この事例のポイント

  • クリアカット加工の生産体制に課題があり、コーティング、製版、印刷、ニス印刷など複数の工程で作業時間がかかっていた。
  • 独自開発のクリアカット加工の生産体制の課題を解消するため、UVインクジェット印刷機を導入した。
  • 作業時間は導入前より半減。UVインクジェット印刷機の導入により、クリアカット加工を1工程で行えるようになり、作業時間は導入前より半減した。

事業者のプロフィール

事業者名ミラクル工業株式会社
所在地大阪府 大阪市平野区
業種印刷・同関連業
技術分野機械制御,機械制御,表面処理,表面処理
従業員数30人
資本金1億円
設立1972年

事業の背景

昭和47年に森山印刷として創業し、平成3年にミラクル工業を設立した。主力はクリアカット加工を主体としたシール・ラベル印刷で、子ども向けのシールから産業向けのシール・ラベルまで手がけている。海外企業の参入による価格競争で普通のシールは売りにくくなっており、独自のクリアカット加工などの技術力が強みとなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力クリアカット加工の生産体制に課題があり、コーティング、製版、印刷、ニス印刷など複数の工程で作業時間がかかっていた。
  • コスト・採算クリアカット加工は各工程で色彩、濃度、位置などの調整が必要で、そのたびに大量の損紙が発生し、作業工程で約30%の損紙が出ていた。
  • コスト・採算小ロット生産では製版コストが高くなっていた。

やったこと

独自開発のクリアカット加工の生産体制の課題を解消するため、UVインクジェット印刷機を導入した。設備導入により、従来複数工程だった作業を1工程でできるようにした。導入後は作業時間が導入前より半減し、損紙は10分の1にまで削減した。小ロット生産や1枚ごとの可変印刷にも対応できるようになり、無版でコスト削減を実現した。導入設備により、クリアカット加工や擬似エンボスなどの特殊印刷技術を一つの工程で行えるようになった。

新しい製品・サービス:導入設備を活用して開発した、擬似的なエンボス効果やホログラムを印刷する技術によるデザイン。角度によって変化する色彩や光沢感まで表現でき、小ロットかつ安価で提供できる。容易に模倣できないことから偽造防止用の防犯シールとしても役立つ。

事業の効果

  • 作業時間は導入前より半減
  • 損紙を10分の1にまで削減

UVインクジェット印刷機の導入により、クリアカット加工を1工程で行えるようになり、作業時間は導入前より半減した。損紙は10分の1にまで減り、小ロット対応や可変印刷も可能になった。無版化によって製版コストも削減された。新たな擬似エンボスやホログラム調の表現により、高級感のあるパッケージ印刷を小ロット、低価格、短納期で提供できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性創業時からのクリアカット加工開発と長年の特殊印刷経験を基に、UV設備導入で技術課題を解消しており、これまでの取組との一貫性が読み取れる。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性「他社にはまねできない技術力」「容易に模倣できないデザイン」とあり、海外企業との価格競争を踏まえた差別化が明確に示されている。
  • 4
    課題の認識と解決損紙30%発生の課題に対し、作業時間半減・損紙10分の1の目標達成を示し、小ロット対応で高付加価値化を図る実効性が読み取れる。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    創業時からのクリアカット加工開発と長年の特殊印刷経験を基に、UV設備導入で技術課題を解消しており、これまでの取組との一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    「他社にはまねできない技術力」「容易に模倣できないデザイン」とあり、海外企業との価格競争を踏まえた差別化が明確に示されている。

  • 課題の認識と解決4

    損紙30%発生の課題に対し、作業時間半減・損紙10分の1の目標達成を示し、小ロット対応で高付加価値化を図る実効性が読み取れる。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    作業時間半減や損紙10分の1など効果は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は記載がなく、実現可能性の根拠は限定的。

  • 事業を進める体制3

    社長と息子の営業部長が開発を主導し、30名の従業員と長年の経験を持つ体制が示されており、遂行体制は確保されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    子ども向けから産業用まで用途を示し、化粧品ケースやブランド食品箱への提案、小ロット・低価格・短納期を強みとして明示している。

  • 事業化までの道筋3

    レイアウト検討から設備搬入、操作研究・試運転、検証・フィードバックまでの工程が示され、今後の応用展開も述べられている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    クリアカット加工やホログラム調の擬似エンボスを小ロット・低価格で実現し、高級感ある高付加価値デザインを提供する点が示されている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    子ども向けから防犯用・産業用まで用途が広がり、偽造防止など社会的ニーズへの対応が示されるが、波及効果や雇用創出の記載は乏しい。

  • 費用対効果3

    損紙を10分の1に削減し作業時間を半減させる効果が示されており、投入額に対する効率化の効果は読み取れるが費用対効果の数値は不明。

  • イノベーションへの貢献3

    UVインクジェットによる可変印刷と1工程での多種特殊加工は、デジタルとアナログの融合による新たな製造方式として示されている。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    大阪市平野区の中小企業として、独自技術による高付加価値製品を展開しているが、地域経済への波及についての記述は限定的。

今後の展望

今後はこの技術を応用し、化粧品のクリアケースやブランド食品の箱など、付加価値の高い商品のパッケージデザインを提案していく考えである。

事業者の声

「子ども向けのキャラクターシールが流行し、最近ではネイルシールなどが人気ですが、海外企業の参入による価格競争で普通のシールを売るのが難しい時代になっています。その中で当社ができることを追求し、クリアカット加工などを開発してきました。他社にはまねできない技術力が当社の強みです。」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。