ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

ハイゲージ編立機の導入による薄手の医療用圧着ソックスの試作開発

太陽ニット株式会社

この事例のポイント

  • 標準のハイゲージ編機ではゴムの伸縮性に耐えきれず、生産可能な生地の薄さにも限界がある。
  • 別注のハイゲージ編機を導入し、より薄い生地の製造を可能にした。
  • 国産の弾性ソックスが完成し、医療機関の要求を満たす仕様が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名太陽ニット株式会社
所在地奈良県 橿原市
業種繊維工業
技術分野製造環境
設立1968年

事業の背景

当社は昭和43年創業で、靴下および関連製品の開発・製造・販売を50年以上続けている。知的所有権は約100件を保有し、企画から出荷まで自社一貫体制で100%自社ブランド製品を展開している。奈良県は国内の靴下生産の約半数を占める産地だが、一般消費者の認知は低い。医療用着圧ソックスは輸入品が大半で、日本人に合った製品が少ない。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力標準のハイゲージ編機ではゴムの伸縮性に耐えきれず、生産可能な生地の薄さにも限界がある。
  • 品質・精度医療用着圧ソックスに求められるストッキング状の薄い生地を、現有の編機では限界を超える薄さで製造できない。
  • 販路・情報発信国内で流通する弾性ソックスは輸入品が大半で、日本人の体形に合うサイズと圧力の製品が少なく、価格も高い。

やったこと

別注のハイゲージ編機を導入し、より薄い生地の製造を可能にした。あわせて爪先縫製専用のロストミシンを導入した。これにより医療機関の要求を満たす仕様の弾性ソックスを完成させた。平成29年より康仁会西の京病院血管外科の今井崇裕医師と連携し、弾性ソックスの開発を進めた。

加工機ハイゲージ編機(別注)
加工機爪先縫製専用ロストミシン

新しい製品・サービス:医療機関向けの国産弾性ソックス(医療用着圧ソックス)

事業の効果

国産の弾性ソックスが完成し、医療機関の要求を満たす仕様が実現した。これにより量産体制の構築と事業化の目処が立った。販路については医療機関の既存納入業者との競合や製造販売の許可などの課題が残っており、医療機関以外の販路も含めて模索中である。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    創業から50年以上靴下・関連製品を一貫開発し、知的所有権約100件、30年超のロングセラーがあり、事業の継続性は読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    日本人に合った圧力・サイズの国産弾性ソックスが少ないという市場課題と、自社の開発力・小ロット対応が書かれているが、競争優位の定量的根拠は薄い。

  • 課題の認識と解決3

    薄い生地の製造限界という課題を認識し、ハイゲージ編機導入で解決を図る流れは読めるが、高付加価値化の見通しは数字で示されていない。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    量産体制の構築と事業化の目処が立ったとあるが、付加価値額の増加や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制2

    医療機関の今井医師との連携は書かれているが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    医療機関の要求を満たす薄手の弾性ソックスで、日本人の体形に合うサイズと圧力、リーズナブルな価格という顧客ニーズと選ばれる理由が明確。

  • 事業化までの道筋2

    販路は医療機関の既存業者との競合や製造販売許可などの課題が残り、模索中とあるのみで、スケジュールや解決方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    国内で流通する弾性ソックスの大半が輸入品という状況で、薄手の国産弾性ソックスという高付加価値の分野に取り組んでいる。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    輸入品依存と患者の経済的負担という課題が挙げられているが、雇用創出や波及効果の記述はわずかにうかがえる程度。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献2

    医療機関との連携による共同開発は書かれているが、デジタル技術やビジネスモデルの革新性は記述されていない。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    奈良県の地場産業である靴下産業の認知向上を図る取組が書かれ、地域振興との関連がうかがえる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

販路の課題を解決し、医療機関以外の販路も含めて開拓を進める予定である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。