ものづくり補助金平成29年度製造業奈良県

コスト競争力と省エネ性能を高めた新製品の開発・量産計画

瓜生製作株式会社

この事例のポイント

  • 開発後30年以上を経過した主力のオイルパルス機構には海外模造品も出回っており、高度化する顧客ニーズを満たすことも難しくなっていた。
  • 従来の機構を全面的に刷新した新型オイルパルス機構を開発し、その量産に向けて新型複合加工機を導入した。
  • 新型複合加工機の導入により、24時間無人運転による連続稼働が可能となり、工程間の停滞が解消されて生産性は3倍以上に高まった。

事業者のプロフィール

事業者名瓜生製作株式会社
所在地奈良県 大阪市東成区
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工,立体造形
設立1915年

事業の背景

当社は大正4年に国内初の空気圧工具の工場として創業し、100年以上にわたり空気圧・電動工具を製造してきた。主力のオイルパルスレンチは業界シェア70%を占め、自動車・建築・鉄道・航空機・造船・重工業・工作機械など幅広い業界で利用されている。2018年3月時点で特許登録は国内外合わせて118件、実用新案登録は79件あり、全国11か所と60か国におよぶ販売・メンテナンス網を持つ。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術開発後30年以上を経過した主力のオイルパルス機構には海外模造品も出回っており、高度化する顧客ニーズを満たすことも難しくなっていた。
  • 生産能力技術流出を防ぐため主要部品を自社で生産する必要があったが、現有設備では部品の特殊形状加工に対応しきれず、加工能力が大幅に不足していた。

やったこと

従来の機構を全面的に刷新した新型オイルパルス機構を開発し、その量産に向けて新型複合加工機を導入した。主要部品を自社生産できるようにし、新型加工機のバーフィーダーを利用することで24時間無人運転による連続稼働を可能にした。所要加工時間は現有機とほぼ同程度だが、寸法精度と加工表面の粗さが改善された。手仕上げ時に行っていたカエリ取り工程も、必要性の有無を検討する程度まで加工時点で除去できるようになった。

加工機新型複合加工機
その他バーフィーダー

新しい製品・サービス:新機構を搭載した新シリーズ「PHOENIX」(充電式オイルパルスレンチ/電子制御オイルパルスレンチ)

事業の効果

新型複合加工機の導入により、24時間無人運転による連続稼働が可能となり、工程間の停滞が解消されて生産性は3倍以上に高まった。寸法精度と加工表面の粗さが改善され、カエリ取り工程の削減にもつながった。これにより新機構を有する新製品の量産体制が完成した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性80%
  • これまでの取組との一貫性4

    大正4年創業で100年以上、空気圧・電動工具一筋の歴史があり、主力機構を刷新して「改めて当社の優位性を確保する」計画と位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    オイルパルスレンチは業界シェア70%で、海外模造品の出現という外部環境を踏まえ、特許118件や60か国の販売網を強みとして示している。

  • 課題の認識と解決4

    開発後30年超で顧客ニーズへの対応が難しくなったという課題を認識し、新機構の新製品化と量産体制で対応する計画になっている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    目標として示されているのは「3倍以上の生産性」のみで、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    全国11か所の拠点や海外網には触れているが、本事業を遂行する人材や事務体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客ニーズの高度化や海外模造品への対抗が背景にあり、自動車・建築・鉄道など利用業界も示され、選ばれる理由が読み取れる。

  • 事業化までの道筋2

    新型複合加工機の導入と24時間無人運転は書かれているが、中長期の検証や具体的なスケジュール、課題解決の方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    業界シェア70%の主力製品で、寸法精度や加工表面の粗さ改善による高性能化を図るなど、同分野で高水準の付加価値化をめざしている。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    主要部品の自社生産で技術流出を防ぐとされているが、雇用創出や波及効果など国が補助する積極的な理由は書かれていない。

  • 費用対効果3

    新型加工機で生産性3倍以上を確保したという数字はあるが、補助金額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    複合加工機と仕様変更、バーフィーダーによる無人連続稼働は示されるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルへの言及はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    主力製品の刷新と量産体制の構築が書かれているが、成長分野への進出や日本経済の構造転換にどう資するかは示されていない。

  • 地域経済への波及2

    大阪市と奈良県の拠点が挙げられているものの、地域の特性を活かして雇用や地域経済を牽引する内容は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。