ものづくり補助金平成29年度製造業和歌山県

新しいジャガード裏毛の編み生地の生産と新生産システムの構築

株式会社アイガット

この事例のポイント

  • 欧州の有名ブランドから、企業の社会的責任(CSR)への対応や製造過程を見せる工場見学の要請が増えていた。
  • ジャガード裏毛編機を導入し、顧客から熱望されていたジャガード裏毛生地の生産を実現した。
  • 表の表情と柄の変化ができる業界初の新しいジャガード裏毛生地の開発に成功し、3色使いの生産性も確立した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイガット
所在地和歌山県 岩出市
業種繊維工業
技術分野デザイン,デザイン,材料製造プロセス,材料製造プロセス,製造環境,製造環境
従業員数17人
資本金1,000万円
設立2014年

事業の背景

株式会社アイガットは東紀繊維のファミリー企業として平成26年に自社工場として設立され、生地の企画・製造・販売を行っている。100年以上の歴史を持つ稀少な吊り編機で、肌馴染みのよい「生きた」風合いの生地を製造し、高級メゾンなど国内外のブランドから高く評価されている。事業の拡大に伴い新工場を建設するにあたり、顧客からの新生地の提案力向上とCSR強化が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信欧州の有名ブランドから、企業の社会的責任(CSR)への対応や製造過程を見せる工場見学の要請が増えていた。
  • 新製品・新技術吊り編み方式のジャガード裏毛生地は高価格帯のため、顧客からリーズナブルな価格の同種生地を熱望されていた。
  • 生産能力給糸ラインの環境面と品質面、生産性と歩留まりに改善すべき点があった。

やったこと

ジャガード裏毛編機を導入し、顧客から熱望されていたジャガード裏毛生地の生産を実現した。給糸ラインにはサイドクリル(横給糸)を採用してチューブ化し、環境面と品質面の向上、生産性と歩留まりの向上を図った。ジャガード裏毛編機の導入により、業界初となる表糸を2口給糸する機構を開発し、フラットな表情ではなく表の表情(意匠性)と柄の変化(多様性)を持つ新しいジャガード裏毛編み生地を開発した。編み機メーカーと協力し、従来のニット業界にはなかった3色使いのジャガード裏毛生地の生産性を確立した。また、新規獲得のため国際生地見本市にも出展した。

加工機ジャガード裏毛編機
その他サイドクリル(横給糸)

新しい製品・サービス:表の表情(意匠性)と柄の変化(多様性)を持つ、表糸を2口給糸する機構による3色使いのジャガード裏毛生地

事業の効果

表の表情と柄の変化ができる業界初の新しいジャガード裏毛生地の開発に成功し、3色使いの生産性も確立した。和歌山県初となるサイドクリルの導入により綿埃の発生を80%削減し、作業環境と編み生地の品質が改善された。給糸ラインの改善により歩留まりは10%向上した。新製品の開発力を武器に国際生地見本市への出展などで販路拡大を図り、CSRを「5R Five Rules」としてブランド化して顧客との信頼関係の強化につなげている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    新工場建設に伴う事業拡大の中で、ジャガード裏毛生地の提案力強化とCSR強化を計画したと書かれているが、過去の取組との連続性は具体的に示されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    業界初の吊り編み方式の高価格帯生地に対し、顧客から低価格版を熱望されたことを受け、業界初の表糸2口給糸機構を開発したと具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    高価格という課題に対し、表糸2口給糸の開発で新生地を実現し、3色使いの生産性を確立したと、課題と解決の流れが読み取れる。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    歩留まり10%アップ、綿埃80%削減といった数値はあるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    編機メーカーと協力して生産性を確立したとあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はわずかである。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    顧客一人ひとりのオリジナルに応える新生地で、ルイ・ヴィトン等の新規顧客に提案し、欧州ブランドからの要望に応えたと読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    国際生地見本市への出展や販路拡大を図っていると書かれているが、中長期の検証やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性100%
  • 新しさ・高付加価値5

    業界初の吊り編み方式、業界初の表糸2口給糸機構、3色使いの生産性確立など、同分野で高水準の高付加価値化を示す事実が多数ある。

公的補助の必要性73%
  • 波及効果・雇用3

    欧州ブランドや高級メゾンとの取引、和歌山初のサイドクリル導入など地域での意義はうかがえるが、雇用や波及効果の記述は薄い。

  • 費用対効果4

    綿埃発生を80%削減、歩留まり10%アップと具体的な効果数値が示されており、費用対効果の根拠が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献4

    サイドクリル導入で環境面と品質面を両立し、編機メーカーと協力して新生地の生産性を確立したとあり、技術面の革新が読み取れる。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    国内外の高級ブランドへの提案は読み取れるが、日本経済の構造転換に資する分野進出としての位置づけは書かれていない。

  • 地域経済への波及4

    和歌山初のサイドクリル導入や100年以上の吊り編機の保有など地域の特性を活かした高付加価値生産が具体的に書かれている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。