ものづくり補助金平成29年度製造業東京都

IoT活用による設計プロセス連携および高度な溶接技術者の育成

株式会社今野製作所

この事例のポイント

  • 受注が増える中で、溶接技術者の人手が不足している。
  • 株式会社エー・アイ・エスと連携し、3DCAD/PDMと生産管理システムのデータ連携、事業所間・企業間のCAD-CAM連携、3Dプリンタによる設計から試作までの連携を進めた。
  • ハードとソフトの両面で技術協力が強まり、二社の連携で品質が向上し、納期が短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社今野製作所
所在地東京都 足立区
業種金属製品製造業
従業員数38人
資本金3,020万円
設立1961年

事業の背景

昭和36年に北区で創業し、昭和44年に法人化した。ステンレス板金加工を柱に、油圧機器事業、板金加工事業、エンジニアリング&サービス事業、福祉機器事業を展開している。顧客は首都圏の研究機関・大学・民間企業の研究部門など、最先端の研究用機材を必要とする機関が多い。平成26年から企業連携「東京町工場ものづくりのワ」に参加し、企業間のデータ連携に力を入れてきた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑受注が増える中で、溶接技術者の人手が不足している。
  • 人手・技能溶接の専門技術者を育成する必要がある。
  • 生産能力設計から製造までのデータ連携が十分でなく、設計提案力を強める必要がある。

やったこと

株式会社エー・アイ・エスと連携し、3DCAD/PDMと生産管理システムのデータ連携、事業所間・企業間のCAD-CAM連携、3Dプリンタによる設計から試作までの連携を進めた。Solidworks PDM Professional(連携用カスタマイズ)、Solidworks PDM用ワークステーション、高精密3DプリンタAGILISTA-3200(樹脂製品のカスタムオーダーに対応)、TV会議システム、クラウドファイルストレージを導入した。二社で「デジタルものづくり研究所」と「溶接技術研究所」を組織し、共同で製作する体制と溶接の専門技術者を育成する体制を整えた。

ソフトSolidworks PDM Professional(連携用カスタマイズ)
その他Solidworks PDM用ワークステーション
その他AGILISTA-3200 高精密3Dプリンタ
その他TV会議システム
ソフトクラウドファイルストレージ

事業の効果

ハードとソフトの両面で技術協力が強まり、二社の連携で品質が向上し、納期が短縮された。溶接の専門技術者の育成体制も整った。設計から製造まで多くの相乗効果が生まれ、部品管理や進捗の一元管理ができるようになった。製造現場と営業の情報共有が進み、拠点間の混乱も解消された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.7 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存の板金・油圧事業を拡充してきた経緯と企業間データ連携の継続が書かれ、一貫性はうかがえるが戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    首都圏の研究機関・大学などの最先端機材需要に触れ、一品物対応の多能工活躍も書かれているが、競争優位の根拠の記述は限定的。

  • 課題の認識と解決4

    溶接技術者の人手不足を課題として挙げ、溶接技術研究所による人材育成と設計連携で高付加価値化を図る取組が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    納期短縮や品質向上は書かれるが、付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、わずかにうかがえる程度。

  • 事業を進める体制3

    溶接技術者の育成や技術研究所の組織化が書かれ体制は読めるが、人員数や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    最先端研究機材を必要とする首都圏の機関を顧客として挙げるが、ターゲットの裏付けや選ばれる理由の整理は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    設備導入と研究所設立の順序は書かれるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    3Dプリンタによる樹脂製品のカスタムオーダー対応など、高付加価値化の方向性は読み取れるが、市場の認知度との比較は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    研究機関や大学への最先端機材供給と、2社連携による地域の町工場ネットワークが書かれ、波及効果はうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献4

    Solidworks PDMによる設計データ共有、3Dプリンタ、TV会議、クラウドストレージを用いた企業間連携が具体的に書かれている。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    ものづくりのデジタル化や3Dプリンタ活用は読み取れるが、日本経済の構造転換への言及は見られない。

  • 地域経済への波及3

    東京町工場ものづくりのワによる地域企業連携が書かれ、地域の特性を活かした連携は読み取れるが、雇用創出の記述はない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

互いのノウハウを持ち寄った連携で効率化を実感しており、今後はより高付加価値を生むために個々の技術力向上へ注力していく予定である。

事業者の声

企業間でノウハウを開示し合うわけですから、お互いの信頼関係が一番大切です。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。