ものづくり補助金平成29年度建設業鳥取県

過酷で危険な森林伐採作業を「オペレート作業」へと転換するためのハーベスタの導入

株式会社赤松産業

成果一人当たりの生産量 3.88m3→21.05m3

この事例のポイント

  • 伐採適齢期を迎えたスギ・ヒノキを早急に伐採して市場に出す必要があるが、生産効率が低く作業が進まない。
  • 伐採現場へハーベスタを導入し、伐採から造材・集積までを一連の作業として行えるようにした。
  • 一人当たりの生産量 3.88m3→21.05m3。ハーベスタ導入により作業効率が上がり、1班あたりの作業人員が削減された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社赤松産業
所在地鳥取県 鳥取県西伯郡大山町
業種総合工事業
技術分野材料製造プロセス
従業員数33人
資本金2,500万円
設立1981年

事業の背景

株式会社赤松産業は建設業、産業廃棄物処理、製材、造園など多岐にわたる事業を営んでいる。土木・建設工事の発注高が激減したため、約7年前から国が勧める伐採林齢のスギ・ヒノキを中心に、皆伐から木材加工までを一体的に手がける取り組みに会社の将来を託している。所有山林約300haのうち約210haが伐採林齢に達しており、林齢50年から60年の成木を早急に伐採して市場に出すことが課題となっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力伐採適齢期を迎えたスギ・ヒノキを早急に伐採して市場に出す必要があるが、生産効率が低く作業が進まない。
  • 生産能力植栽から伐採までに40年から50年かかり投下資本の回収に時間を要するため、伐採作業の工程を短縮して生産効率を上げる必要がある。
  • 人手・技能過酷で危険というイメージが強く、若手や女性が林業に入りにくく、労働人口の減少で人手不足が深刻化している。

やったこと

伐採現場へハーベスタを導入し、伐採から造材・集積までを一連の作業として行えるようにした。導入機械はハーベスタヘッド WOODY WH50と油圧ショベル ZX135USL-6で、油圧ショベルのベース機にハーベスタヘッドを取り付けて使用する。導入により作業員の危険な伐倒作業を機械操作へと置き換え、新たな作業形態を確立した。新規ハーベスタを活用したプロジェクトチームが既存の林業チームと連携し、生産量の拡大を進める計画である。

事業の効果

  • 一人当たりの生産量 3.88m3→21.05m3
  • 1ヵ月あたりの延べ作業人数 46人→19人
  • 1ヵ月あたりの生産量 178.605m3→400m3
  • 年間に近い伐採量(想定) 5,400m3→9,900m3

ハーベスタ導入により作業効率が上がり、1班あたりの作業人員が削減された。そのため班数を増やすことができ、伐採スピードが上がって生産性が向上した。チェーンソー作業で起きていた伐倒時の衝突事故や枝打ちの跳ね返り事故がなくなり、極寒の中での作業負担も軽くなり、安全性も高まったと見られる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性伐採から製材まで自社一貫で中間マージンを減らしコスト低減を図る強みを明示し、競争優位の構造が具体的。
  • 4
    課題の認識と解決1人あたり生産量3.88mから21.05mへの改善と、伐採量5,400mから9,900mへの増大予測で、課題に対応する効果が数字で示されている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標一人当たり生産量が3.88mから21.05mへ、6人で5,400mから9,900mへの増加予測が示され、目標の根拠が数字で裏付けられている。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    林業・伐採・製材を一貫して手がける既存事業の延長に、ハーベスタ導入を位置づけている点が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    伐採から製材まで自社一貫で中間マージンを減らしコスト低減を図る強みを明示し、競争優位の構造が具体的。

  • 課題の認識と解決4

    1人あたり生産量3.88mから21.05mへの改善と、伐採量5,400mから9,900mへの増大予測で、課題に対応する効果が数字で示されている。

事業の実現可能性3.4
  • 付加価値・賃上げの目標4

    一人当たり生産量が3.88mから21.05mへ、6人で5,400mから9,900mへの増加予測が示され、目標の根拠が数字で裏付けられている。

  • 事業を進める体制3

    既存林業チームと連携するプロジェクトチームを設け、作業標準策定や社内チェック体制を整備する計画が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    国の伐採計画に基づく早急な伐採需要や木材価値の高い林齢の存在など、ニーズの裏付けが示されている。

  • 事業化までの道筋4

    作業道側面30m以内の伐採を1〜3年、枝線造成を4〜5年かけて進めるなど、期間を区切ったスケジュールと課題解決の方法が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    林業の機械化による高効率化を進める点は示されるが、ジャンルの希少性や高価格化の記述は弱い。

公的補助の必要性3.3
  • 波及効果・雇用4

    域内での雇用機会の創出、女性の働く場の提供、治山治水・温暖化対策への貢献など、波及効果が具体的に述べられている。

  • 費用対効果3

    生産量の大幅な向上と作業人員の削減が示されるが、補助金額に対する費用対効果の数値は読み取れない。

  • イノベーションへの貢献3

    ハーベスタという高性能林業機械の導入により、林業の作業システムを改良する取組が示されている。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    林業の構造改革や働き方改革を掲げ、儲かる林業への転換を目指す方向性が示されている。

  • 地域経済への波及4

    中山間地域の活性化や地域での人材確保・雇用増大を掲げ、地域の特性を活かした事業であることが示されている。

今後の展望

新規ハーベスタを活用し、既存の林業チームと連携して生産量を拡大する。労働災害ゼロを目指して社内の安全チェック体制を構築し、作業標準を策定する。伐採は作業道の側面30m以内で進め、4、5年かけて林道を造成する計画である。地域内の雇用と女性の働く場を増やし、国土保全や治山治水、地球温暖化防止にも貢献する方針である。

事業者の声

赤松産業の大きな強みは伐採搬出から輸送運搬、そして製材までの工程を自社で一貫して取り組んでいる点にあります。中間マージンを減らすことで低コスト化を図り「儲かる林業」「人が集まる林業」を目指しています。

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。