ものづくり補助金平成29年度製造業島根県

多面パレット式マシニングセンタ導入に伴う無人運転推進と生産プロセス改善

株式会社秦鉄工所

成果一度にセットできる工程数 8種→14種

この事例のポイント

  • 多品種小ロットの受注が増え、平均10種の加工が必要だが、従来の8面パレット式横形マシニングセンタでは8種しか行えなかった。
  • 一度に14種の工程をセットできる14面パレット式横形マシニングセンタを導入した。
  • 一度にセットできる工程数 8種→14種。パレット交換時間がゼロとなり、生産性が大幅に向上した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社秦鉄工所
所在地島根県 出雲市
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数18人
資本金1,200万円
設立1969年

事業の背景

1969年の創業以来、半世紀にわたり鋳物加工を続けており、200キロから1トンクラスの中型鋳物加工を主力としている。近隣に競合が少なく、島根県内のほか鳥取、広島、岡山にも取引先を持つ。工作機械部品、印刷機械部品、船舶部品など幅広い業界の部品加工を手掛け、約10年前からは県内の大型鋳造加工会社と組んで鉄道部品も製作し、鉄道部品は売上の約3割を占めるまでに成長した。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多品種小ロットの受注が増え、平均10種の加工が必要だが、従来の8面パレット式横形マシニングセンタでは8種しか行えなかった。
  • 人手・技能パレット組み換えに平均週2回、1回あたり数時間を費やし、200キロ以上の治具をボルトを1本ずつ外して付け替え、工具も十数本以上交換する必要があった。
  • 品質・精度加工には1000分の1ミリ単位の精度が求められ、治具交換後の確認作業にも時間がかかった。
  • 人手・技能鋳物の位置決めは熟練工が経験と勘に頼っており、担当者によってバラつきが出て、手入力によるミスも年間数件程度発生していた。
  • その他機械の老朽化により修繕が必要となり、時間と費用に大きなロスが生じていた。

やったこと

一度に14種の工程をセットできる14面パレット式横形マシニングセンタを導入した。これによりパレット交換時間がゼロとなり、生産性が大幅に向上し、年間170万円以上のロス削減も実現した。高精度の仕上げ工程を含む最大14種の工程を自動で行えるため、夜間の長時間無人運転が可能になった。高精度センサーシステムで素材寸法を測定し、中心を求める位置決め作業を無人工程にしたことで、手入力によるミスがなくなり精度も一層高まった。

事業の効果

  • 一度にセットできる工程数 8種→14種

パレット交換時間がゼロとなり、生産性が大幅に向上した。年間170万円以上のロスを削減した。手入力によるミスがなくなり、精度も一層高まった。夜間の無人運転が可能になり、省人化も進んだ。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性近隣に競合が少ないこと、島根・鳥取・広島・岡山に取引先があること、1000分の1ミリ精度の加工技術が強みとして具体的に書かれている。
  • 4
    課題の認識と解決平均週2回・1回約2時間のパレット交換や年間数件の手入力ミスなど課題が数字で示され、14面機導入で解消する流れが書かれている。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標パレット交換時間がゼロになり年間170万円以上のロス削減を実現したと数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員18名で熟練工が位置決めを担っていたことはうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は少ない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    創業以来半世紀の鋳物加工と、業界で先駆的に設備投資を重ねてきた経緯が書かれ、過去の取組との一貫性は読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    近隣に競合が少ないこと、島根・鳥取・広島・岡山に取引先があること、1000分の1ミリ精度の加工技術が強みとして具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決4

    平均週2回・1回約2時間のパレット交換や年間数件の手入力ミスなど課題が数字で示され、14面機導入で解消する流れが書かれている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標4

    パレット交換時間がゼロになり年間170万円以上のロス削減を実現したと数字で示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員18名で熟練工が位置決めを担っていたことはうかがえるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    鉄道部品が売上の約3割を占め、受注増加傾向が書かれており、顧客ターゲットや選ばれる理由の一部はうかがえるが整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の運用として夜間・無人運転が可能になったと書かれているが、中長期の検証やスケジュールは記載されていない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    中型鋳物の高精度加工や鉄道部品への参入は読み取れるが、普及度や高付加価値化の水準を示す記述は薄い。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    鉄道部品の製作が東南アジアを走る電車に使われていることはうかがえるが、波及効果や雇用創出への言及はない。

  • 費用対効果3

    年間170万円以上のロス削減という効果は書かれているが、補助金投入額との比較となる費用対効果の記述はない。

  • イノベーションへの貢献3

    高精度センサーシステムで位置決めを無人化した点は書かれているが、サプライチェーン全体への貢献までは述べられていない。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    島根県内の鋳物産業の盛んな地域で中型鋳物を手掛け、地域の取引先を持つ点は読み取れるが、雇用や地域成長への言及は薄い。

今後の展望

鉄道部品の需要が今後も期待され、鋳物や工作機械の受注も増加傾向にある。顧客の信頼を重ねて受注をさらに増やしたいとしている。

事業者の声

弊社では現在鉄道部品のシェアが売り上げの約3割を占めるようになった。完成した電車は東南アジアを走っており、今後も需要が期待される。鋳物や工作機械の受注も増加傾向にある。顧客の信頼を重ね、一層受注を増やしていきたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。