ものづくり補助金平成29年度製造業岡山県

アパレルCAD/CAMとデザインシステム導入による内製加工の一貫生産体制の構築

青木被服株式会社

成果試作品の製作回数 4回→1回

この事例のポイント

  • デザイン性の高い各種製品に対応できる生産体制を構築する必要があった。
  • 2019年に、パソコン上で生地データやバーチャルサンプルを作成できるシマトロニックデザインシステムを導入した。
  • 試作品の製作回数 4回→1回。試作品の製作が原則1回になり、パターン製作時間も短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名青木被服株式会社
所在地岡山県 井原市
業種繊維工業
技術分野デザイン,精密加工,製造環境,立体造形,機械制御,材料製造プロセス
従業員数32人
資本金3,000万円
設立1961年

事業の背景

青木被服は製品の企画から生地裁断、縫製まで一貫して手がけるデニム製品メーカーである。1970年代からジーンズのOEMを手がけ、1989年には百貨店向けOEMを始めた。デフレの進展やSPAの台頭で環境が変わったため、2010年にブランド事業部を新設して自社ブランドを新たな事業の柱に育てた。現在は自社ブランド品が売上高の3割を占める。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術デザイン性の高い各種製品に対応できる生産体制を構築する必要があった。
  • 生産能力試作品の製作を従来は平均4回ほど繰り返しており、パターン製作にも時間がかかっていた。

やったこと

2019年に、パソコン上で生地データやバーチャルサンプルを作成できるシマトロニックデザインシステムを導入した。このシステムで試作品の製作を最低限に抑え、生地のパターンも自動で作成する。あわせて高精度自動裁断機を導入し、丸い形なら真円に裁断できる精度で生産する。裁断後の縫製と加工は15人のベテラン社員が担当する。

ソフトシマトロニックデザインシステム
加工機高精度自動裁断機

新しい製品・サービス:デニム素材の着物(デニム着物)

事業の効果

  • 試作品の製作回数 4回→1回
  • パターンの製作時間 6時間→2時間
  • リードタイム全体では約50%削減できた

試作品の製作が原則1回になり、パターン製作時間も短縮された。リードタイム全体は約50%削減できたという。自動裁断機により品質の水準も高まった。デザインと生産の一体化により、デニム製品の海外販売や自社ブランドの展開を進める基盤ができた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均3.0 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1961年創業から自社ブランド育成、2010年ブランド事業部新設、2019年のデザインシステム導入へと流れは読めるが、経営戦略上の位置付けの明示は薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    デザイン性の高い製品への対応、ブランド品が売上の3割、国内外約50店・パリ等での発表会など、強みと市場の関係が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    試作品が平均4回から原則1回、リードタイム約50%削減など課題と改善は読めるが、高付加価値化の計画数値は示されていない。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    リードタイム約50%削減など成果の数字はあるが、補助事業の目標値として付加価値額や賃上げの目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    15人のベテラン社員が縫製・加工を担当し、従業員32人規模とあるが、補助事業の遂行体制として詳しくは書かれていない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    ブランドデニムはパンツ4万円、コート10万円超、ヨーロッパが主戦場など、製品価値と顧客ターゲットが具体的に示されている。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の中長期の検証や遂行スケジュールは書かれておらず、わずかに今後の海外発信の構想がうかがえる程度。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    デニム着物の製品化、和装の作務衣の認知度向上、ヨーロッパでの高価格帯販売など、同分野で高価格化を図る内容が読める。

公的補助の必要性67%
  • 波及効果・雇用3

    井原市・児島のデニム産業集積地や県の輸出支援メニューに触れ、地域産業の輸出拡大への貢献がうかがえるが、雇用創出の数字はない。

  • 費用対効果3

    リードタイム約50%削減、パターン製作時間6時間強から2時間強など効果は数字で示されるが、補助金額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献4

    自動裁断機とデザインシステムによる生地データ・バーチャルサンプル作成など、デジタル技術の活用が具体的に書かれている。

政策面60%
  • 成長分野への進出2

    海外の高価格帯市場への展開がうかがえるが、日本経済の構造転換に資する点は明示されていない。

  • 地域経済への波及4

    井原市のデニム産業集積地で、高付加価値な自社ブランド製品を生み、井原駅構内の販売など地域の産業を牽引する姿が具体的に読める。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

今後も井原市の工場から世界にデニム製品を発信していく構えである。

事業者の声

「自動裁断機は丸なら真円が裁断できる」

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。