ものづくり補助金平成29年度製造業岡山県

岡山の天然水100%使用の「かちわり氷」生産自動化による収益拡大

株式会社アイスライン

成果箱詰め数(1分あたり) 33袋/分→40袋/分

この事例のポイント

  • 氷製品は気温の変化で需要の波が大きく、在庫を持ちすぎると倉庫代や保冷の電気代がかさんで薄利になる。
  • 2019年に自動箱詰め機、段ボール製函機・封函機の3台を導入した。
  • 箱詰め数(1分あたり) 33袋/分→40袋/分。生産性は21%向上し、安定した生産体制が整った。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社アイスライン
所在地岡山県 岡山市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境,機械制御
従業員数153人
資本金7,400万円
設立1905年

事業の背景

1905年に北海道函館の天然氷の販売を始め、現在は氷や氷菓子、ドライアイスの製造販売、業務用冷凍食品の卸という3事業を展開している。2017年にかちわり氷をリニューアルし、西大寺物流センター近くで掘り当てた天然水を100%使うことで他社製品と差別化してきた。近年は大手コンビニのカップ入り氷やスムージー用の冷凍果汁キューブの製造に参入し、売上げを大きく伸ばしている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算氷製品は気温の変化で需要の波が大きく、在庫を持ちすぎると倉庫代や保冷の電気代がかさんで薄利になる。
  • コスト・採算工場の冷凍設備にかかる電気代が多額で、電気代高騰の影響も大きい。
  • 生産能力箱詰めラインの生産性が不安定で、急な需要増に即時対応できない。
  • 納期・工程夏の急な注文増に応じられず、欠品による販売機会の損失が起きるおそれがある。

やったこと

2019年に自動箱詰め機、段ボール製函機・封函機の3台を導入した。自動箱詰め機はアイスラインの社員と協力会社が独自に開発した。コンベア上で氷を平らに均してから吸盤で袋を吸着させ、箱詰め後に再度均して段ボールのふたの盛り上がりを無くし、和荷崩れの原因を解消する仕組みである。

  • 加工機自動箱詰め機段ボール製函機・封函機

事業の効果

  • 箱詰め数(1分あたり) 33袋/分→40袋/分
  • 作業者数 4名→2名

生産性は21%向上し、安定した生産体制が整った。作業者が4名から2名に減り、急な需要変化の時も人員を確保しやすくなった。氷の破損など不良品の発生も減り、総合的な生産性向上により販売機会の損失防止につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 5
    課題の認識と解決箱詰め数が手作業の1分33袋から40袋に増え、生産性21%向上、作業者4名から2名に削減と数字で課題解決の効果が示されている。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性夏に気温30〜35度で注文が急増する需要変動に対し、岡山の天然水100%で他社と差別化している点が具体的に書かれている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付けかちわり氷の需要変動と欠品防止のニーズ、天然水100%という選ばれる理由が具体的に整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    波及効果・雇用地域の大手小売への卸や雇用の記述はあるが、国が補助する積極的な波及効果の理由は明示されていない。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性3

    1905年創業で氷を原点に事業を拡大し、過去にも補助金で製氷機や自動製造ラインを導入したと書かれており、一貫性はうかがえる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    夏に気温30〜35度で注文が急増する需要変動に対し、岡山の天然水100%で他社と差別化している点が具体的に書かれている。

  • 課題の認識と解決5

    箱詰め数が手作業の1分33袋から40袋に増え、生産性21%向上、作業者4名から2名に削減と数字で課題解決の効果が示されている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性21%向上という実績は示されるが、今後の高付加価値創出や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    社員と協力会社が自動箱詰め機を独自開発したと書かれ、体制の一端はうかがえるが人材や事務処理体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    かちわり氷の需要変動と欠品防止のニーズ、天然水100%という選ばれる理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    2019年に設備を導入した経緯や効果は書かれるが、中長期の検証やスケジュールの記述は薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    かちわり氷は製品ジャンルの普及度に関する記述がなく、高付加価値化・高価格化の水準は書かれていない。天然水100%の差別化はうかがえる。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用2

    地域の大手小売への卸や雇用の記述はあるが、国が補助する積極的な波及効果の理由は明示されていない。

  • 費用対効果4

    投資後に生産性21%向上、作業者4名から2名削減と効果が数字で示され、費用対効果の根拠がうかがえる。

  • イノベーションへの貢献2

    独自開発の自動箱詰め機による省力化は書かれるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述は乏しい。

政策面3.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及3

    岡山の天然水を使う地域特性を活かした製品と、中国・四国地方への卸が書かれ、地域性はうかがえる。

今後の展望

今年の売上げは過去最高を予定している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。