ものづくり補助金平成29年度製造業広島県

木取り工程に最新設備を導入することで、操作性、安全性、生産性を高め、ギフト市場へ進出する

成果木取り工程時間 3.3分/個→3.1分/個

この事例のポイント

  • 代表者が60代後半となり、製造部門のベテラン職人も高齢化していた。
  • 木取り(カット)工程に、アミテック㈱製のコンピュータ制御全自動式ランニングソーRCV-100Bを導入した。
  • 木取り工程時間 3.3分/個→3.1分/個。切断面が非常にきれいで精度が良くなり、後工程の糊付け後の仕上がりが良くなった。

事業者のプロフィール

所在地広島県 広島県府中市
業種木材・木製品製造業(家具を除く)
技術分野精密加工
従業員数8人
設立1949年

事業の背景

当社の桐箱はお線香箱、箸入れ、墨入れなどの贈答用品として用いられている。同業他社も小規模で家内制工業に近く、生産性を高めるための設備投資は一般的ではなかった。事業主の子4名のうち3名の女性が当社に在籍し、8名中6名が女性である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能代表者が60代後半となり、製造部門のベテラン職人も高齢化していた。
  • 人手・技能若手を募集しても応募がなく、後継者に事業承継できずに廃業するケースが増えていた。
  • 人手・技能ベテラン職人にしか任せられなかった木取り(カット)工程を変革し、女性スタッフなどにも担当できるようにする必要があった。
  • 品質・精度製品検品後の修理率を改善する必要があった。
  • 生産能力木取り工程の時間を短縮する必要があった。
  • その他手動作業で鋸刃が露出した状態のため、危険性を解消する必要があった。

やったこと

木取り(カット)工程に、アミテック㈱製のコンピュータ制御全自動式ランニングソーRCV-100Bを導入した。45年以上木取り工程を行ってきたベテラン職人のノウハウを、機械設備メーカーや商社の監修のもと機械加工化し、女性スタッフへの操作訓練を行った。材料の搬入出における作業性を改善し、比較的筋力の少ない女性でも作業できるようにした。また、導入設備の設計により切断作業の安全性を確保した。

加工機アミテック㈱製コンピュータ制御全自動式ランニングソーRCV-100B

事業の効果

  • 木取り工程時間 3.3分/個→3.1分/個
  • 検品後の修理率 7%→4.8%

切断面が非常にきれいで精度が良くなり、後工程の糊付け後の仕上がりが良くなった。完成後の手直しの頻度も減り、生産性が向上した。大きな材料をセットしておけば自動でカットできるようになったため、今後も作業工程を変えていくことでさらなる効率化が図れる見込みである。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.6 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    1949年創業の桐箱製造で、ベテラン職人の木取りノウハウを機械化する流れが書かれ、事業承継と結びつく。ただし経営戦略としての明確な位置付けは薄い。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    ギフト市場への販路拡大と同業他社が設備投資しない中での差別化が書かれている。強みの定量的な裏付けは薄い。

  • 課題の認識と解決4

    木取り工程時間3.3分/個から3.1分/個、検品後の修理率7%から4.8%と数値で課題と改善が示され、ギフト市場開拓も計画されている。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    工程時間と修理率の改善実績は示されているが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    8名中6名が女性で、女性スタッフへの操作訓練を行ったと書かれている。人材体制の具体性は限定的。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    ギフト市場・カジュアルギフト市場への販路拡大が示されるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    ホームページ刷新や女性が働きやすい職場環境の整備など今後の取組が示されるが、スケジュールは書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    桐箱は伝統的産業で同業者が少ないと書かれ、差別化の記述はあるが、高価格化の数値などは示されていない。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    伝統的な桐箱製造の存続や事業承継の必要性はうかがえるが、経済波及や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果3

    工程時間と修理率の改善数値はあるが、補助金投入額に対する費用対効果は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    最新型カットソーの導入は書かれるが、デジタル技術やサプライチェーンへの貢献は明示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    広島県府中市の「ものづくりの町」の地域性に触れ、地域産業の誇りと伝統の継承が書かれている。経済成長への寄与は読み取れない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

当社は後継者候補が全員女性であることから、就業時間・休暇等について個人の希望に沿った体制を整備し、集塵設備の整備など女性が働きやすい職場環境の構築を進めている。また、詳細な製造ノウハウや営業先の動向など事業承継のソフト面にも取り組み、ホームページの刷新によりギフト市場への販路開拓を図り、桐箱製造の存続を目指している。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。