ものづくり補助金平成27年度製造業兵庫県

全自動Vカットソーマシン導入による生産プロセス革新と新規市場の創出

有限会社衣笠木工所

この事例のポイント

  • 素麺ギフト用化粧木箱は中元等の贈答習慣の衰退や食習慣の変化で需要が縮小し、生産量が頭打ちになっていた。
  • ボンド付け仕様ラインのVカット加工工程に全自動Vカットソー加工機を導入した。
  • Vカット工程の段取り替え作業時間が大幅に削減され、工程全体の作業時間は最大で10分の1程度まで短縮された。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社衣笠木工所
所在地兵庫県 たつの市
業種木材・木製品製造業
技術分野精密加工
資本金500万円
設立1986年

事業の背景

近年は中元等の贈答習慣の衰退や食習慣・嗜好の変化により、素麺ギフト用化粧木箱の需要が縮小し、当社主力製品の生産量は頭打ちになっていた。一方で、おせち料理や地域の名産品・特産品向けの多様で高級志向の小型木箱の需要が増加傾向にあり、海外製から日本製へ切り替える企業も見られるようになった。木箱専門メーカーとしての地位を確かなものにするため、ボンド付けによる小型木箱の量産体制を整える必要があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 集客・繁閑素麺ギフト用化粧木箱は中元等の贈答習慣の衰退や食習慣の変化で需要が縮小し、生産量が頭打ちになっていた。
  • 生産能力需要が拡大しているフリーサイズの小型木箱は、既存設備の加工能力が限界に達していた。
  • 納期・工程既存のVカット加工工程は治工具の交換や調整に時間と手間がかかり、ボトルネックになっていた。
  • 新製品・新技術試作品を作るには生産中のラインを止める必要があり、取引先の多様な要望に応じた新製品開発が困難だった。
  • その他切削時の粉塵が多く、刃物部分の安全性にも課題があった。

やったこと

ボンド付け仕様ラインのVカット加工工程に全自動Vカットソー加工機を導入した。同機はコンピューター制御により材料の位置や加工角度を自動で調整し、加工速度が速く仕上がりも高精度である。既存のVカットルーターと併用することで生産能力が大幅に向上し、フリーサイズ小型木箱の増産が可能になった。多種類の加工パターンを記憶でき、0.1mm単位の精度で位置決めや測定ができるため、不慣れな作業者でも簡単な操作で精度の高い加工が可能になった。刃物走行部を覆う安全カバーが装備されており、作業の安全性と集塵性も向上した。

新しい製品・サービス:迅速な試作品製作による新製品開発(取引先の多様なサイズやデザインの要望に対応)

事業の効果

Vカット工程の段取り替え作業時間が大幅に削減され、工程全体の作業時間は最大で10分の1程度まで短縮された。短納期での生産が可能になり、年間約30万箱、売上高にして約6千万円の増産となった。生産ラインを止めずに試作品を迅速に作れるようになり、取引先の要請に柔軟に対応できるとともに新製品開発の競争優位性が強化された。品質が向上し不良率も大幅に削減された。安全カバーと集塵性の向上により作業の安全性と職場環境が改善された。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性既存の主力製品である素麺ギフト用木箱の需要縮小を受け、小型木箱の量産体制整備を経営上の課題として位置付けている。
  • 4
    課題の認識と解決ボトルネックだったVカット工程を課題として特定し、段取り時間の大幅削減で年間約30万箱・約6千万円の増産を見込んでいる。
  • 4
    付加価値・賃上げの目標工程作業時間が最大10分の1程度に短縮され、年間約30万箱・売上約6千万円の増産という目標と成果が具体的に示されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    事業を進める体制従業員数は0人とあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はうかがえない。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    既存の主力製品である素麺ギフト用木箱の需要縮小を受け、小型木箱の量産体制整備を経営上の課題として位置付けている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    木箱専門メーカーとしての地位確立や海外製からの切替需要が書かれるが、自社の強み・弱みを数値で比べた記述は乏しい。

  • 課題の認識と解決4

    ボトルネックだったVカット工程を課題として特定し、段取り時間の大幅削減で年間約30万箱・約6千万円の増産を見込んでいる。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標4

    工程作業時間が最大10分の1程度に短縮され、年間約30万箱・売上約6千万円の増産という目標と成果が具体的に示されている。

  • 事業を進める体制2

    従業員数は0人とあるが、補助事業を遂行する人材や事務処理体制についての記述はうかがえない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    フリーサイズ小型木箱の需要拡大や高付加価値のオーダーメイド品への対応が書かれるが、顧客ターゲットの整理は薄い。

  • 事業化までの道筋2

    新設備導入の経緯は書かれるが、中長期の検証や遂行スケジュールについての記述はうかがえない。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    高級志向の小型木箱で高付加価値のオーダーメイド品を扱うとあるが、分野の普及度や高水準の価格設定を示す記述は薄い。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用2

    地域の名産品や特産品向けの木箱需要に触れるが、国が補助する波及効果や雇用創出の記述はうかがえない。

  • 費用対効果4

    補助対象設備の導入で年間約30万箱、売上約6千万円の増産と不良率の大幅削減が示されており費用対効果が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    コンピューター制御の自動加工機の導入は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献や新ビジネスモデルは書かれていない。

政策面2.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及2

    地域の名産品向け木箱への需要に触れるが、地域経済の成長を牽引する記述まではうかがえない。

今後の展望

HACCP対応とFSSC22000の取得を視野に入れ、安心・安全への取り組みを進めるとともに、2020年には名実ともに業界ナンバー1をめざす。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成27年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。