ものづくり補助金平成29年度製造業山口県

山口県産大豆からとれる豆乳を利用した豆乳マヨ(マヨネーズ風調味料)の開発

ヤマカ?油株式会社

この事例のポイント

  • 醤油以外の新製品を開発する必要があった。
  • 山口県内の豆腐メーカーと連携し、山口県産大豆からとれる豆乳を使用した「ノンエッグ豆乳マヨ」の開発に着手した。
  • 主力商品となり得る高い品質の豆乳マヨが商品化でき、醤油以外の分野に挑戦したこと自体が新たな方向づけとなり、事業の活性化につながった。

事業者のプロフィール

事業者名ヤマカ?油株式会社
所在地山口県 下関市
業種食料品製造業
技術分野製造環境
従業員数16人
資本金2,500万円
設立1872年

事業の背景

明治5年創業、150年の歴史をもつ地元に根付いた醤油製造業者である。一般家庭の洋食化や女性の社会進出に伴う食の簡便化などにより、醤油の消費量は全国的に減少傾向となり、同社でもシェアの低下が経営課題となっていた。現在の製品構成は醤油29%、調味液24%、加工品29%、その他18%である。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力醤油以外の新製品を開発する必要があった。
  • 販路・情報発信醤油の消費量が全国的に減少傾向となり、同社でもシェアの低下が経営課題となっていた。
  • 品質・精度より高い品質の豆乳マヨを完成させるため、製造工程における技術的な課題を解決する新しい機械が必要だった。

やったこと

山口県内の豆腐メーカーと連携し、山口県産大豆からとれる豆乳を使用した「ノンエッグ豆乳マヨ」の開発に着手した。製造工程の課題をクリアするため新たな機械を導入した。真空カッターミキサーは油を20ミクロン以下の粒子にでき、水分の多い豆乳でも安定した水中油滴型乳化の状態にして、時間の経過による離水を防止できる。電動・加熱温度コントロールシーラーは厚みの異なるガスバリア袋に適したシール条件を設定でき、シールの自動化により作業者によるムラもなくなる。金属探知機は透明度に関係なくミキサーの刃などの金属異物を検知でき、チューブストレーナーは非金属系異物を取り除く。このほか、サラダ油投入備品で液漏れを防止し、パキュームポンプ・ホースで洗浄水をタンクに送り、油と水を分離した後に排水処理施設へ流せるようにした。

  • 加工機真空カッターミキサー
  • その他サラダ油投入備品
  • 加工機電動・加熱温度コントロールシーラー圧着機
  • 検査測定金属探知機
  • その他チューブストレーナーパキュームポンプ・ホース

新しい製品・サービス:豆乳マヨ(マヨネーズ風調味料)

事業の効果

主力商品となり得る高い品質の豆乳マヨが商品化でき、醤油以外の分野に挑戦したこと自体が新たな方向づけとなり、事業の活性化につながった。中食産業への販路開拓の糸口が得られ、卵由来のコレステロールを含まず豆乳由来のイソフラボンを含むことから、健康食品を扱う販売店や通信販売へのアプローチも可能になった。今後の営業展開に大きな可能性をもたらす結果となった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.0 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性地元の醤油メーカーが山口県内大手の豆腐メーカーと連携し県産大豆の豆乳を使う点に、地域資源と自社の醸造技術を組み合わせた強みが見える。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け卵を使わずコレステロールを含まず、豆乳由来のイソフラボンを含む点や、アレルギー患者向けという明確なターゲットと選ばれる理由が示されている。
  • 4
    地域経済への波及山口県産大豆と地元醤油の醸造技術を生かした「ご当地マヨ」として県外展開を計画し、地域特性を活かした事業として明確に述べている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標賃上げや付加価値額の目標値の記載が見当たらず、実現可能性を示す数値目標は読み取れない。
経営戦略との整合性3.3
  • これまでの取組との一貫性3

    創業150年の醤油製造から醸造技術を生かして豆乳マヨへ展開し、醤油の消費減少という課題に対する新分野挑戦として一貫性が読み取れる。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    地元の醤油メーカーが山口県内大手の豆腐メーカーと連携し県産大豆の豆乳を使う点に、地域資源と自社の醸造技術を組み合わせた強みが見える。

  • 課題の認識と解決3

    醤油シェア低下という課題を認識し、醤油以外の新製品として中食産業や通信販売への販路開拓を計画している。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    賃上げや付加価値額の目標値の記載が見当たらず、実現可能性を示す数値目標は読み取れない。

  • 事業を進める体制3

    過去に水産大学校との共同開発で補助事業を経験しており、従業員16名の体制で新機械導入と製造工程の改善に取り組んでいる。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    卵を使わずコレステロールを含まず、豆乳由来のイソフラボンを含む点や、アレルギー患者向けという明確なターゲットと選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    真空カッターミキサーや金属探知機などの導入で離水防止や異物対策を図り、中食・健康食品販売店への展開スケジュールを示している。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性3.0
  • 新しさ・高付加価値3

    ノンエッグの豆乳マヨは卵不使用の高付加価値な調味料として、山口県産大豆を使う差別化があり、普及度の低い分野への挑戦と読める。

公的補助の必要性2.5
  • 波及効果・雇用3

    地産地消を推奨する山口県内の学校給食やスーパーへ県産材料のマヨネーズとして展開し、地域の農産物需要創出に寄与する。

  • 費用対効果ー

    公開情報では判断できません。

  • イノベーションへの貢献2

    県内豆腐メーカーとの連携はあるが、デジタル技術や新ビジネスモデルによるサプライチェーンへの貢献は弱く触れる程度にとどまる。

政策面3.0
  • 成長分野への進出2

    醤油消費の減少という構造変化に対し、食の簡便化や中食産業の成長に対応する分野へ進出しており、構造転換への言及はあるが薄い。

  • 地域経済への波及4

    山口県産大豆と地元醤油の醸造技術を生かした「ご当地マヨ」として県外展開を計画し、地域特性を活かした事業として明確に述べている。

今後の展望

中食産業、健康食品を扱う販売店や通信販売をはじめ、さまざまな販路開拓に挑戦していく。低年齢層の卵アレルギー疾患者の食の一助となることも考えている。山口県産材料を使ったマヨネーズとして「ご当地マヨ」の同じビジネスモデルで他県への展開も検討中である。

事業者の声

やりたいことがあること、諦めずに取り組むことが秘訣

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。