ものづくり補助金平成29年度製造業山口県

日本初 商品品質を長期にわたり保持することを可能にする連続冷凍システムの開発

株式会社ナガオカ

この事例のポイント

  • 多種多量の製品群を高品質かつ高効率に生産できる冷凍ラインの構築が課題となっている。
  • 冷凍ムラがなく、凍結時の乾燥を極力防げる品質面の要件と、長時間安定した冷凍能力を発揮でき、コンパクトで作業後の洗浄が容易な技術面の要件を満たす試作機を製作した。
  • 稼働テストにより、目指した冷凍機の実現が確認された。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社ナガオカ
所在地山口県 下関市
業種生産用機械器具製造業
技術分野製造環境,機械制御
従業員数5人
資本金100万円
設立2008年

事業の背景

平成20年(2008年)創業の株式会社ナガオカは、水産加工・食品加工業者を主な顧客として冷凍・冷蔵設備や空調設備の設計、製作、施工、メンテナンスを一貫して手がけてきた。山口県内・福岡県内の顧客から信頼を得て事業を拡大している。家庭用冷凍食品は、コロナ禍による自粛の影響や共働き・単身・高齢世帯の増加により需要が高まっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力多種多量の製品群を高品質かつ高効率に生産できる冷凍ラインの構築が課題となっている。
  • コスト・採算人件費・物流費・製造費の高騰や原材料・包装資材の価格上昇により、冷凍食品メーカーは厳しいコスト環境に置かれている。
  • 人手・技能ライン変更等によって生じる苦労や作業効率の悪化が現場の課題となっている。
  • 品質・精度冷凍ムラや凍結時の乾燥を防ぎ、品質を高めることが求められている。

やったこと

冷凍ムラがなく、凍結時の乾燥を極力防げる品質面の要件と、長時間安定した冷凍能力を発揮でき、コンパクトで作業後の洗浄が容易な技術面の要件を満たす試作機を製作した。試作機には搬送コンベア、制御盤、冷凍機、有圧換気扇、直膨コイル、断熱パネル、銅管・電線・各種スイッチなどを購入し、原材料・機械の発注購入、組み立て、試運転、調整を経て完成させた。新循環式冷却方式を採用し、その技術の特許も出願した。

  • その他搬送コンベア制御盤冷凍機有圧換気扇直膨コイル断熱パネル銅管・電線・各種スイッチ

新しい製品・サービス:連続冷凍システムを搭載した冷凍機「ナガオカ式フリーザー」(現在はN-COOL FREEZERに改名)

事業の効果

稼働テストにより、目指した冷凍機の実現が確認された。新循環式冷却方式により冷凍ムラがなくなり、商品の水分飛散を抑えて凍結時の乾燥を抑制し品質変化を防げるようになった。熱交換器への着霜が軽減されて長時間安定した冷却運転が続けられ、吸入圧力を適正かつ高く運用することで安定した冷凍能力も確認された。水分飛散が少ないため作業後の洗浄も容易になり、コンパクト設計により狭い工場でも低コストで組み立て・施工できるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性業務用冷凍機器を長年設置・メンテしてきた経験と、2019年の冷却装置特許取得を背景に、試作機開発が連続する取組として位置づけられている。
  • 4
    課題の認識と解決多種多量の製品群を高品質・高効率で生産する冷凍ラインという課題を明示し、新循環式冷却方式で解決する実効性が稼働テストで確認されている。
  • 4
    新しさ・高付加価値凍結時の乾燥抑制と冷凍ムラのない新循環式冷却方式は、同分野で高品質化を図る独自技術として特許出願・取得まで至っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載されておらず、高付加価値化の目標の実現可能性は読み取りにくい。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性4

    業務用冷凍機器を長年設置・メンテしてきた経験と、2019年の冷却装置特許取得を背景に、試作機開発が連続する取組として位置づけられている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    冷凍食品需要の高まりと製造コスト高騰を踏まえ、コンパクト設計・高品質冷凍を強みとした機器を開発しており、競争優位の方向性は示されている。

  • 課題の認識と解決4

    多種多量の製品群を高品質・高効率で生産する冷凍ラインという課題を明示し、新循環式冷却方式で解決する実効性が稼働テストで確認されている。

事業の実現可能性2.8
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの具体的な目標値は記載されておらず、高付加価値化の目標の実現可能性は読み取りにくい。

  • 事業を進める体制3

    従業員5名の小規模体制だが、設計から施工・メンテまで一貫して行う実績があり、試作機の製作と稼働テストを遂行している。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    冷凍食品メーカーの課題に対し、品質保持やライン変更の苦労の解消という価値を整理し、展示やクライアントでの凍結テストで顧客に訴求する方針が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    部品購入から組立、試運転、調整、完成までの流れと、移動型機の開発や簡易工場の構築といった今後の段階が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    凍結時の乾燥抑制と冷凍ムラのない新循環式冷却方式は、同分野で高品質化を図る独自技術として特許出願・取得まで至っている。

公的補助の必要性3.0
  • 波及効果・雇用3

    冷凍食品業界の発展を支える下支えになるとし、食品メーカーの生産性向上や地域の製造業への波及が示唆されている。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値増加や生産性向上の数値的な費用対効果は示されていない。

  • イノベーションへの貢献4

    新循環式冷却方式という独自技術の特許取得で、冷凍ラインのイノベーションに貢献し得ることが具体的に示されている。

政策面2.5
  • 成長分野への進出2

    冷凍食品市場の成長傾向に触れているが、日本経済の構造転換に資する点は明確に述べられていない。

  • 地域経済への波及3

    山口県下関市の地域で、山口県・福岡県の顧客からの信頼を基に事業を拡大しており、地域特性を活かした事業といえる。

今後の展望

冷凍食品は新製品の発売や増産傾向が当面続く見込みである。完成した試作機を自社に展示し顧客の要望で凍結テストを行うほか、移動型の試作機を開発してクライアントのもとで実際の商品をその場でテストする計画である。自社に簡易冷凍工場を構築して認知度を上げ、ブランド化を推進して多くのメーカーでの採用を目指す。

事業者の声

専門家に頼ってもいいので、採択されるまで何度も挑戦を!

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。