ものづくり補助金平成29年度製造業徳島県

絶縁材料中の微小弱磁性金属除去自動装置の開発

ダイカテック株式会社

この事例のポイント

  • 特許を取得していた除鉄装置が海外でコピーされたため、コピーできない新方式の装置を開発する必要があった。
  • 除鉄装置の機構を空気移動方式からリニアモーターカーのシャフトと同じ電磁移動方式に変更し、最強の磁束密度を持つ棒磁石を組み込んだ。
  • 電磁移動式の機構を確立し装置全体を簡素化した。

事業者のプロフィール

事業者名ダイカテック株式会社
所在地徳島県 徳島市
業種電子部品・デバイス・電子回路製造業
技術分野製造環境
従業員数11人
資本金300万円
設立2002年

事業の背景

同社は粉体や顆粒の異物を除去する金属異物除去装置メーカーで、食品工場では人体に影響する恐れのある金属異物、半導体や二次電池の絶縁材料では導電性金属を取り除いてきた。特許を取得していた除鉄装置が海外でコピーされるという経験があった。車載用電装設備のコネクター用樹脂材料では、形状不良の検知と排出精度の向上が求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術特許を取得していた除鉄装置が海外でコピーされたため、コピーできない新方式の装置を開発する必要があった。
  • 品質・精度車載用電装設備のコネクター用樹脂ペレットで形状不良を検知し排出する精度を高める必要があった。
  • 生産能力従来機は分解・洗浄時の作業性が悪いことが課題だった。

やったこと

除鉄装置の機構を空気移動方式からリニアモーターカーのシャフトと同じ電磁移動方式に変更し、最強の磁束密度を持つ棒磁石を組み込んだ。棒磁石を動かす推力を得るコイルは3通りを試作・検証し、巻き数と径を決定した。ペレット選別では電磁フィーダーと画像処理形状選別装置を導入し、形状選別検査機能をアタッチメントとして付加する装置を完成させた。形状選別と磁力選別を一台にまとめた複合機は業界初となる。

その他電磁フィーダー
検査測定画像処理形状選別装置

新しい製品・サービス:電磁移動式の超高磁力棒マグネット除鉄装置、画像処理装置を組み込んだ樹脂ペレット用磁力選別装置、形状選別と磁力選別の複合機

事業の効果

電磁移動式の機構を確立し装置全体を簡素化した。マグネット棒を1本ごと交換する方式から、ユニットごとに取り外す方式に変えたことで、分解・洗浄時の作業性が大幅に向上した。立ち会い試験で既納入先の入れ替え需要を喚起し、売り上げ増につなげる見込みである。ペレット選別機は性能試験を経て特許出願を予定しており、業界初の複合機は新規顧客と自社既存機への装着で高いニーズが見込める。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    特許取得済みの除鉄装置が海外でコピーされた経験から新方式を開発したとあり、既存事業との一貫性は読み取れるが経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    海外コピーの苦い経験を踏まえコピーできない新方式を目指し、最強の磁束密度の棒磁石を組み込んだと具体的に強みが書かれている。

  • 課題の認識と解決3

    ペレットの形状不良検知・排出精度向上という課題認識はあるが、高付加価値化や成長につながる計画の詳細は書かれていない。

事業の実現可能性52%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    既納入先の入れ替え需要喚起や売上増を目指すとあるが、数値の目標や賃上げの目標値は示されていない。

  • 事業を進める体制3

    従業員11名で装置開発と試験を行ってきた実績が読み取れるが、補助事業を遂行する体制の具体的な記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    業界初の形状選別と磁力選別の複合機で、新規顧客と既存機への装着に高いニーズが見込めると選ばれる理由が示されている。

  • 事業化までの道筋3

    ペレット選別機は性能試験を経て特許出願予定とあるが、スケジュールや課題解決方法の詳細は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性80%
  • 新しさ・高付加価値4

    半導体絶縁材料向けの微小金属除去は業界初の複合機など、同分野で高付加価値を狙う独自性が具体的に示されている。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用3

    食品や半導体、車載部品など日本の屋台骨産業の品質を支えるとあり、国が補助する理由はやや抽象的である。

  • 費用対効果2

    マグネット棒の交換方式変更で分解洗浄の作業性が大幅向上したとあるが、補助金額に対する費用対効果の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    画像処理装置を組み込んだ形状選別で新たな検査機能を開発しリサイクル分野への関与を述べているが、サプライチェーン全体への貢献は具体的でない。

政策面50%
  • 成長分野への進出2

    半導体や二次電池、車載用電装など成長分野に関わる記述はあるが、構造転換への言及は明確ではない。

  • 地域経済への波及3

    徳島の地から日本の産業を支えるとあり地域性は示されているが、雇用創出や地域成長への具体的記述は少ない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

立ち会い試験で既納入先の入れ替え需要を喚起し、売り上げ増につなげたい。複合機は新規顧客と自社既存機への装着で高いニーズが見込める。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。