ものづくり補助金平成29年度製造業徳島県

抄紙中の紙の厚さムラ(変動)の改善のための原料濃度の安定化装置の設置事業

富士製紙企業組合

この事例のポイント

  • 和紙の用途や販路が広がるなかで、価格より品質を重視した取引が増え、従来は問題にならなかった品質項目がクレームになってきた。
  • 原料貯留槽の撹拌装置を取り替え、撹拌羽根を増設して角度を改善し、槽内の回流を平均化した。
  • 撹拌装置の羽根増設と角度改善により回流が平均化され、厚さムラが解消した。

事業者のプロフィール

事業者名富士製紙企業組合
所在地徳島県 吉野川市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野製造環境,材料製造プロセス
従業員数43人
資本金3,900万円
設立1952年

事業の背景

和紙は用途や販路が多様化しており、価格よりも品質を重視する取引が増えている。繊維から出るゴミや繊維の長短、色目の変化、ロットによる厚薄、インクの滲み、水分率に起因するカールなど、納品後の次工程に影響する項目が問題になっていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度和紙の用途や販路が広がるなかで、価格より品質を重視した取引が増え、従来は問題にならなかった品質項目がクレームになってきた。
  • 品質・精度原料貯留槽内の水位が一定量以下に下がると攪拌による回流が停滞し、濃度が均一にならず、紙の厚薄が発生していた。
  • 品質・精度貯留槽の内部がタイルで、目地に残った汚れや欠落によるゴミが不良の原因となっていた。

やったこと

原料貯留槽の撹拌装置を取り替え、撹拌羽根を増設して角度を改善し、槽内の回流を平均化した。希釈用の白水(再利用水)供給に専用ポンプを設置し、個人の技量に頼っていた供給量を定量化した。槽のライニングをタイルからステンレスに替え、目地の汚れや欠落によるゴミの発生を抑えた。

加工機原料貯留槽の撹拌装置
加工機白水(再利用水)供給用専用ポンプ
その他原料貯留槽のステンレスライニング

事業の効果

撹拌装置の羽根増設と角度改善により回流が平均化され、厚さムラが解消した。産業用として求められる再現性と均一性を実現した。貯留槽のステンレス化によりゴミの発生が抑えられ、需要の大きいアート用紙の品質が向上した。都度の洗浄にかかる労力と時間が大幅に減り、作業者の負担軽減と効率化につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置づけは書かれておらず、和紙の用途多様化への取り組みがわずかにうかがえる程度。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    市場動向として価格より品質重視の取引増加や、ネット直販・世界60カ国との取引に触れており、外部環境への言及はある。自社の強みとの関係は具体性が薄い。

  • 課題の認識と解決4

    厚薄ムラやゴミ発生などの課題を具体的に挙げ、攪拌装置取替え・専用ポンプ設置・ステンレス化という対策が示されている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額の増加や賃上げの目標値は書かれておらず、洗浄労力の大幅削減という定性的な効果のみ。

  • 事業を進める体制2

    従業員数43名や工場長の記載はあるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の具体的記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    産業用として求められる再現性と均一性、アート用紙の品質向上など顧客ニーズへの言及があるが、ターゲットの定量的裏付けは薄い。

  • 事業化までの道筋2

    実施内容と成果は書かれているが、中長期の課題検証や遂行スケジュールについての記述は見当たらない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    和紙は伝統的な分野であり、高付加価値化や高価格化を図る記述は限定的にうかがえるのみ。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    地域の伝統産業である阿波和紙の継承や、アーティストとの連携による地域展開への言及がわずかにある。

  • 費用対効果2

    洗浄の労力と時間の大幅削減など効率化の効果はあるが、補助金投入額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ネット直販や設備更新による品質改善はうかがえるが、先端的デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    徳島県吉野川市の阿波和紙という地域資源を活かす取組であることが読み取れるが、雇用創出や地域経済成長への効果は書かれていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

和紙そのものの需要は減っているが、ネット直販や世界60カ国との取引などで新たな販路を広げている。今後はアーティストとのつながりを生かしたギャラリー機能など地域に資する展開を図り、和紙で時代の息吹を表現し続けたいとしている。

事業者の声

大量に使う時代は終わり、和紙そのものの需要は減っていますが、ネットでの直販や世界60カ国との取引などに新たな販路を広げています。今後はアーティストとのつながりを生かしたギャラリー機能など、地域に資する展開を図りつつ、常に新しさを求め、和紙で時代の息吹を表現し続けたいです。

公式の事例集より(原文のまま)

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鰹節の厚さと抽出温度を管理するため、ガス式スチームコンベクション、小型鰹節削り機、プレハブ冷蔵庫、冷蔵ユニット、小型軽量充填機、打栓機を導…

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出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。