ものづくり補助金平成29年度製造業香川県

高密度・高感度のX線検査装置導入による地域モデル企業の確立

株式会社片山食品

この事例のポイント

  • カキフライ製造では牡蠣殻の異物混入が最大の課題で、触手や目視による検出は熟練の感触に頼っていた。
  • 新工場の建設にあたり、デュアルセンサー型・中型X線検査装置を導入した。
  • 機器導入によりカキフライの異物(牡蠣殻)除去の精度が向上し、不良率が大幅に軽減した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社片山食品
所在地香川県 香川県観音寺市
業種食料品製造業
技術分野製造環境,製造環境,測定計測,測定計測
従業員数18人
設立1982年

事業の背景

当社は1971年にエビフライを主体とする冷凍食品製造工場として創業し、現在はカキフライの冷凍加工を軸に多彩な事業を展開している。強みは30年以上の経験による水産物加工の効率化と製造技術で、地元漁協と直接取引して新鮮な瀬戸内魚を仕入れている。食の安全・安心が重視される中、HACCPに沿った工場づくりが求められていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 品質・精度カキフライ製造では牡蠣殻の異物混入が最大の課題で、触手や目視による検出は熟練の感触に頼っていた。
  • 生産能力顧客から増産や短納期の要望があったが、異物検査の制約から応えることが難しかった。
  • 品質・精度旧設備では1日約67,000個の加工量に対して約500個の不良が出ており、月に約10,000個のロスが生じていた。

やったこと

新工場の建設にあたり、デュアルセンサー型・中型X線検査装置を導入した。これまで箱詰め前に行っていたX線検知を、洗浄前に行うよう工程ラインを変更した。急速冷凍の前に検知することで、小殻が付着したカキを検出して再洗浄・再検知でき、ロスを削減できるようにした。また「進化型画像処理」というAIを採用し、高感度な異物検出を可能にした。

検査測定デュアルセンサー型・中型X線検査装置

事業の効果

機器導入によりカキフライの異物(牡蠣殻)除去の精度が向上し、不良率が大幅に軽減した。製造量も増加し、洗浄前の検知で再洗浄・再検知が可能となりロスが減った。リードタイムの短縮や製造量増が見込まれ、作業ラインもスムーズになった。職場環境もクリーンになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性2

    2018年に新工場を設立し市場拡大と売上増を記載しているが、過去の取組との一貫性や経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    顧客要望の増産や短納期に応える点、他社との差別化を図る点は書かれているが、市場動向や自社の強み弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    カキ殻混入という課題を明示し、X線検査の工程変更とAI高感度検出で解決を図る計画が具体的に書かれている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    増産や不良率軽減をうかがわせるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれていない。

  • 事業を進める体制3

    熟練技に頼っていた体制から機器導入へ移行する点は読み取れるが、人材や事務処理体制の具体的記述は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    カキフライ等冷凍食品の顧客要望と異物検出という価値、差別化の理由が具体的に整理されている。

  • 事業化までの道筋2

    工程ラインを洗浄前に変更する具体的手順はあるが、スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    高感度AI異物検出で他社との差別化を図るとあるが、分野の普及度や高価格化の数値は示されていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 費用対効果4

    旧設備で1日約67,000個中500個の不良、月約10,000個のロスがあったと数字で示され、費用対効果の根拠が読み取れる。

  • イノベーションへの貢献3

    AI画像処理を採用し業界の異物課題に対応するとあるが、サプライチェーン全体への貢献は記述が薄い。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地元漁協と連携し瀬戸内魚を仕入れる地域性と雇用促進への言及があるが、今回の事業との結びつきは薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。