ものづくり補助金平成29年度製造業愛媛県

異素材3層ウェットシート組合せ技術導入による販路拡大

宇和特紙株式会社

成果1枚で拭き取れる掃除面積 4畳→12畳

この事例のポイント

  • トイレクリーナーでは他社との差別化を図れたが、フローリング用ウェットクリーナーは差別化が難しく売上が伸び悩んでいた。
  • 従来装置では1ロールで3層を重ねることはできたが、革新性が低く差別化できなかった。
  • 1枚で拭き取れる掃除面積 4畳→12畳。3層構造により1工程で3層のウェットシートを製造でき、リードタイムが短縮されて量産化が可能になった。

事業者のプロフィール

事業者名宇和特紙株式会社
所在地愛媛県 西予市
業種パルプ・紙・紙加工品製造業
技術分野デザイン,デザイン
従業員数58人
資本金1,000万円
設立1988年

事業の背景

主力製品はウェットティッシュとトイレクリーナーで、OEM主体ながら自社ブランドでも事業を展開している。大手メーカーは高級原紙を使うため価格が高くなる一方、当社は従来の原紙を使うことで価格競争力を持っている。ウェットティッシュの生産量は年々増加しており、市場規模も拡大している。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 新製品・新技術トイレクリーナーでは他社との差別化を図れたが、フローリング用ウェットクリーナーは差別化が難しく売上が伸び悩んでいた。
  • 品質・精度一般的な商品は1枚で4畳程度の拭き取りが限界で、ホコリがつくと皮脂油等の汚れが落ちないといった意見が多かった。
  • 販路・情報発信顧客ニーズに対応した商品開発を行い、販路を拡大したいと考えていた。

やったこと

従来装置では1ロールで3層を重ねることはできたが、革新性が低く差別化できなかった。今回導入した3WAYフローリングワイパー折り機では3つのロールをセットでき、3種の異なる素材の原紙を重ねられるようになった。オモテ面にホコリに強い原紙、ウラ面に皮脂油に強い原紙を使用することで用途が2倍に拡大した。3層式により水分含有率が高くなり、1枚で従来の約3倍にあたる12畳程度の掃除が可能となった。エンボス加工により表面積を広げ、ホコリや皮脂油の汚れへの顧客の意見に対応した。

加工機3WAYフローリングワイパー折り機

新しい製品・サービス:大判で破れにくく、こまかな汚れやホコリもしっかり取れ、除菌やツヤだしもできる高品質なフローリング用掃除シート

事業の効果

  • 1枚で拭き取れる掃除面積 4畳→12畳

3層構造により1工程で3層のウェットシートを製造でき、リードタイムが短縮されて量産化が可能になった。水分含有率が高まり、エンボス加工で表面積が広がったことで、掃除面積は従来の約3倍になった。大手メーカーとの差別化が図られ、コンビニエンスストアやドラッグストア、大手生活雑貨専門店からの引き合いが増加し受注につながった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.5 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    既存のウェットシート事業の延長で販路拡大を図る取組と読めるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    競争激化の市場で3層構造や従来原紙利用による価格競争力を差別化の根拠として挙げ、強みを踏まえた取組と読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    ワイパーの差別化困難と売上停滞という課題を認識し、3層化とエンボス加工で掃除面積を約3倍にする対策が示されている。

事業の実現可能性48%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    掃除面積3倍程度、コンビニ・ドラッグストアからの受注増加は示されるが、付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    担当者と連絡先は記載があるが、補助事業を遂行する人材や事務体制の具体的な記述はわずかにうかがえる程度。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    大判で破れにくく除菌やツヤだしができる製品像と、1枚で広く拭きたいニーズへの対応が具体的に書かれている。

  • 事業化までの道筋2

    今後の活動として顧客開拓を進める方針は示されるが、スケジュールや課題解決の方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    ウェットシート市場は成長・用途拡大が書かれるが、フローリング用ワイパーの高水準化の度合いは具体性が薄い。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用2

    災害時や介護用途の需要拡大、市場拡大への言及はあるが、波及効果や雇用創出の記述は薄い。

  • 費用対効果2

    掃除面積3倍や受注増加は示されるが、補助金投入額に対する付加価値増加や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    衛生用途や災害対策など需要の伸びに触れるが、日本経済の構造転換への言及は読み取れない。

  • 地域経済への波及2

    愛媛県西予市の地域拠点で製造する記載はあるが、地域の特性を活かした成長牽引の具体的な記述は薄い。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

ウェットティッシュ生産量は増加傾向にあり、掃除用ウェット業界は未開拓市場として参入企業も増えている。顧客ニーズに対応した製品開発が可能となったことから、顧客開拓を進める方針である。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。