ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

玄界灘で獲れるシラスを使った高品質の冷凍加工品を提供する事業

成果凍結時間 24時間→1時間

この事例のポイント

  • イリコ・乾燥チリメンの製造卸売はブランド化が進んでおらず、他県と比較して買取単価が低水準である。
  • 3Dフリーザーを導入し、シーズンオフだったシラスに代えて、凍結までの時間や素材の柔らかさがシラスと同程度の鯛やカワハギの肝を使って検証した。
  • 凍結時間 24時間→1時間。3Dフリーザーの導入により、凍結時間が24時間から1時間に短縮され、ドリップが減少し、素材表面の乾燥も低減された。

事業者のプロフィール

所在地佐賀県 佐賀県唐津市
業種食料品製造業
従業員数11人
資本金0万円
設立1989年

事業の背景

当社は親子三代にわたって肥前町でイワシ漁を行い、イリコ・チリメンなどへの加工と販売を手がけてきた。平成26年から発売した「レンジで美味しい釜揚げシラス」は売り上げが好調で、小売販売、ふるさと納税の返礼品、通信販売などで成果を上げている。一方で、イリコ・乾燥チリメンの製造卸売はブランド化が進んでいないため、他県と比べて買取単価が低い。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 販路・情報発信イリコ・乾燥チリメンの製造卸売はブランド化が進んでおらず、他県と比較して買取単価が低水準である。
  • 生産能力一般顧客や小売業者から年間を通じた安定供給の要望があるが、生産能力に限界がある。
  • 生産能力茹で釜の製造キャパシティが漁獲量に見合っていない。
  • 品質・精度現在の設備で生シラスを解凍すると鮮度が劣化する。

やったこと

3Dフリーザーを導入し、シーズンオフだったシラスに代えて、凍結までの時間や素材の柔らかさがシラスと同程度の鯛やカワハギの肝を使って検証した。凍結時間は24時間から1時間に短縮され、ドリップは減少し、素材表面の乾燥も低減された。味と食感も従来冷凍庫から大幅に改善し、鮮魚と同等であることを確認した。3Dフリーザーは1時間で凍結できるため、作業の合間や漁に出られない日に冷凍作業を行えるよう、作業手順も見直した。

新しい製品・サービス:冷凍生シラス

事業の効果

  • 凍結時間 24時間→1時間

3Dフリーザーの導入により、凍結時間が24時間から1時間に短縮され、ドリップが減少し、素材表面の乾燥も低減された。味と食感も鮮魚と同等になることを確認した。製造量が増え、年間を通じた商品供給が可能になった。ドリップ流出を防止できたことで、新商品として生シラスを提供する道が開けた。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.3 / 514観点のうち13観点で評価

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性唐津の業者でいち早く専用釜を導入した品質・衛生への取組や、獲れたての鮮度と軟水の茹で方といった強みを踏まえた内容になっている。
  • 4
    課題の認識と解決凍結時間が24時間から1時間に短縮された検証結果を示し、買取単価の低さや茹で釜の能力不足という課題を設備導入で解決する計画になっている。
  • 4
    顧客とニーズの裏付け一般顧客や小売業者から年間を通じた安定供給の要望があり、ポケットマルシェやふるさと納税返礼品で成果を上げ、鮮度と味で差別化する理由が整理されている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    費用対効果補助金額に対する付加価値額の増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は触れる程度にとどまる。
経営戦略との整合性3.7
  • これまでの取組との一貫性3

    親子三代のイワシ漁・加工の歴史と、いち早く専用釜を導入してきた過去の取組が、今回の3Dフリーザー導入へ一貫してつながっている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    唐津の業者でいち早く専用釜を導入した品質・衛生への取組や、獲れたての鮮度と軟水の茹で方といった強みを踏まえた内容になっている。

  • 課題の認識と解決4

    凍結時間が24時間から1時間に短縮された検証結果を示し、買取単価の低さや茹で釜の能力不足という課題を設備導入で解決する計画になっている。

事業の実現可能性3.2
  • 付加価値・賃上げの目標3

    賃上げや付加価値額の目標数値は見当たらないが、真空パック商品による当社での雇用者増や製造量拡大を目指すと書かれている。

  • 事業を進める体制3

    作業手順の見直しや製造量のアップ、冷凍生シラスと釜揚げシラスの増産体制が整ったと記載され、遂行体制が示されている。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    一般顧客や小売業者から年間を通じた安定供給の要望があり、ポケットマルシェやふるさと納税返礼品で成果を上げ、鮮度と味で差別化する理由が整理されている。

  • 事業化までの道筋3

    凍結時間やドリップ状況の検証を経て商品化・増産体制を確立し、地域の飲食店や民宿への販路拡大という今後の展開が示されている。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    鮮度を保った冷凍生シラスという、これまで提供できなかった商品を新たに打ち出し、他社との差別化を図る高付加価値化を狙っている。

公的補助の必要性2.7
  • 波及効果・雇用3

    地域のブランド力強化や地域の飲食店・民宿への販路拡大で地域活性化に貢献するとし、雇用増と漁獲魚の有効活用にもつながる。

  • 費用対効果2

    補助金額に対する付加価値額の増加や生産性向上の数値は示されておらず、費用対効果は触れる程度にとどまる。

  • イノベーションへの貢献3

    高鮮度維持凍結機の導入で地域の漁獲魚を有効活用し、唐津シラスの地域ブランド化を通じた地域のサプライチェーンへの貢献が示されている。

政策面4.0
  • 成長分野への進出ー

    公開情報では判断できません。

  • 地域経済への波及4

    唐津の特産シラスを地域の特性として活かし、ふるさと納税返礼品や地域の飲食店への販路拡大で、地域の雇用と経済成長を牽引する事業になっている。

今後の展望

全国のお客様に唐津シラスのおいしさを広め、地域のブランド力強化を図る。「ポケットマルシェ」や「未来ギフト唐津」を通じて顧客を増やしており、地域の飲食店や民宿にも販路を拡大する。「レンジで美味しい釜揚げシラス」を将来的に主力商品に育てる計画で、真空パックの真鯛の煮付けや塩焼きも販売し、雇用増と漁獲した魚の有効活用を目指す。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。