ものづくり補助金平成29年度卸売業、小売業佐賀県

最新包装機械の導入で作業効率と生産性が格段に向上

有限会社エトワール・ホリエ

成果従来10日間だった賞味期限を1カ月〜2カ月ほど延長できた。

この事例のポイント

  • 伊万里焼饅頭・緑茶は1個ずつ手作業で袋詰めや真空パック、シール貼りをしており、包装工程がひっ迫して常時生産のめどが立たなかった。
  • 若者にも馴染みやすい新商品として、伊万里焼饅頭の生地で抹茶を練り込んだあんを包んだ「伊万里焼饅頭・緑茶」を2018年に完成させた。
  • 従来10日間だった賞味期限を1カ月〜2カ月ほど延長できた。自動包装機の導入により、脱酸素剤の封入と専用袋による包装で賞味期限が延び、課題だった日持ちが改善した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社エトワール・ホリエ
所在地佐賀県 伊万里市
業種飲食料品小売業
技術分野製造環境
従業員数21人
資本金300万円
設立1900年

事業の背景

創業124年の老舗菓子舗で、饅頭やせんべいなど100種類以上を自社製造している。主力商品の伊万里焼饅頭は発売以来73年親しまれ、現在は全売上の70%を占める。しかし近年は売り上げが横ばいで、購買層は50〜60歳代以上に偏り、やわらかいものに慣れた若者の購入が減っていた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能伊万里焼饅頭・緑茶は1個ずつ手作業で袋詰めや真空パック、シール貼りをしており、包装工程がひっ迫して常時生産のめどが立たなかった。
  • 品質・精度水分量を増やした伊万里焼饅頭・緑茶は日持ちしにくく、脱酸素剤の封入による保存対策が不可欠だった。

やったこと

若者にも馴染みやすい新商品として、伊万里焼饅頭の生地で抹茶を練り込んだあんを包んだ「伊万里焼饅頭・緑茶」を2018年に完成させた。日持ちと包装の課題に対応するため、自動包装機を導入した。脱酸素剤を伊万里焼饅頭の下に置いてラインに流し、ピロー包装からシールまでを半自動化した。

加工機自動包装機

新しい製品・サービス:伊万里焼饅頭・緑茶

事業の効果

  • 従来10日間だった賞味期限を1カ月〜2カ月ほど延長できた。
  • 3000個の包装にかかる時間 6時間→1時間
  • 包装に従事する人数 4人→2人
  • 1人1時間あたりの包装個数 125個→1,500個

自動包装機の導入により、脱酸素剤の封入と専用袋による包装で賞味期限が延び、課題だった日持ちが改善した。3000個の包装時間は6時間から1時間弱に短縮され、1人あたりの包装個数は12倍になった。これにより包装スタッフ2人を製造工程に配置転換でき、伊万里焼饅頭・緑茶の製造拡大につながった。作業負担と衛生面のリスクも減り、従業員が商品に丁寧に向き合えるようになった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    伊万里焼饅頭の70%が売上を占め、新商品・緑茶を開発した経緯が書かれるが、経営戦略上の位置づけまでは述べられていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    若者の購入減少や水分量の多い商品開発など市場動向への対応は読み取れるが、競争優位性の記述は薄い。

  • 課題の認識と解決4

    包装がひっ迫し常時生産できない課題を特定し、自動包装機導入で生産性12倍と具体的な改善を示している。

事業の実現可能性64%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    包装時間6時間から1時間弱、1人1時間の包装数125個から1500個(12倍)、賞味期限10日から1~2カ月と数値目標と実績が示されている。

  • 事業を進める体制3

    従業員数21人や包装スタッフの製造部門への配置転換は書かれるが、補助事業の遂行体制の詳細は薄い。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    若者向け商品という顧客ターゲットと、日持ち延長で計画生産ができる点など選ばれる理由が具体的に読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    導入後の手作業と機械の使い分けという課題は述べられるが、スケジュールや中長期の検証方法は書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    水分量の多い饅頭の日持ち課題を脱酸素包装で解決した点は読み取れるが、分野全体の認知度や高価格化は書かれていない。

公的補助の必要性53%
  • 波及効果・雇用2

    地域の伊万里焼にヒントを得た商品で地域に支えられていると述べるが、国が補助する積極的理由は書かれていない。

  • 費用対効果4

    生産性12倍、賞味期限延長、人員2人を製造部門へ配置転換と、設備投資の効果が数字で示されている。

  • イノベーションへの貢献2

    自動包装機による半自動化は読み取れるが、デジタル技術や新ビジネスモデルの記述はない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    伊万里市の伊万里焼を活かした地域の名産菓子で、地域の皆さんに支えられていると述べられている。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

賞味期限が延びたことで、年間の販売計画と連動した計画生産の体制が整った。今後は、どこまでを手作業にしどこまでを機械に任せるかという技術の伝承が課題として残っている。

業種と困りごとが近い成果事例

東京都卸売業、小売業平成25年度

スライド式ホルダーを採用した床排水トラップの開発

製品形状を円形から正方形に変更し、一軸方向へのスライドで着脱できるスライド構造の床排水トラップ「スライドロック」を開発した。

効果:洗濯機の排水ホース内に残ってしまう排水量を大幅に少なくすることができた。

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。