ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

主力商品「花ぼうろ」のサンド・ジャム付けの自動化による生産力・販売力向上計画

株式会社北島

成果花ぼうろの1時間1人当たり生産量 360個→990個

この事例のポイント

  • 花ぼうろの売上が年々拡大する中、手作業の生産体制では突発的な受注増や繁忙期に時間外労働に頼らざるを得なかった。
  • 従来は手作業で行っていた花ぼうろのジャム付けとサンドの工程を自動化するため、製造ラインへの設備導入を行った。
  • 花ぼうろの1時間1人当たり生産量 360個→990個。自動化により花ぼうろの生産性が大幅に向上し、作業労力が削減されて誰もが担える工程になったことで省人化が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社北島
所在地佐賀県 佐賀市
業種食料品製造業
従業員数82人
資本金1,000万円
設立1696年

事業の背景

元禄9年に数珠屋として開業し、明治初期から製菓業に専念してきた。丸ぼうろの製法を改良して育ててきた当社は、戦後に洋菓子・和菓子の商品開発を重ね、昭和35年からの8年間で「花ぼうろ」を完成させた。花ぼうろは今では丸ぼうろに次ぐ主力商品となっており、売上は年々拡大していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力花ぼうろの売上が年々拡大する中、手作業の生産体制では突発的な受注増や繁忙期に時間外労働に頼らざるを得なかった。
  • 生産能力施設の老朽化が進み、部品のメンテナンスにも苦慮するようになっていた。
  • 人手・技能持久力を要する工程であるため高年齢の従業員の負担が大きく、人材の定着を妨げる要因となっていた。
  • 品質・精度品質を維持しながら安定して商品を供給できる生産体制を確立することが求められていた。

やったこと

従来は手作業で行っていた花ぼうろのジャム付けとサンドの工程を自動化するため、製造ラインへの設備導入を行った。反転搬送コンベアは焼き上がった製品を紙からはがし、サンドするために半数を裏返す機械である。ジャム充填装置の導入により、10,000個の製造に要する時間が2時間短縮された。重ね搬送コンベアはサンドを自動で行い、コンベアで流して円形の滞留装置でケースに入れるまでの時間を確保する。

その他反転搬送コンベア
加工機ジャム充填装置
その他重ね搬送コンベア

新しい製品・サービス:花ぼうろ いちごさん

事業の効果

  • 花ぼうろの1時間1人当たり生産量 360個→990個
  • 反転搬送コンベア導入後の1時間1人当たり生産量 1,028個→1,980個

自動化により花ぼうろの生産性が大幅に向上し、作業労力が削減されて誰もが担える工程になったことで省人化が実現した。原価が改善して残業時間も減り、工場全体の編成配置にも柔軟性が生まれた。手作業が減ったことで衛生面のリスクを回避でき、賞味期限を延長できた。これにより在京百貨店など今まで出荷できなかった先への提案営業も可能になり、2021年には「花ぼうろ いちごさん」の発売も実現した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.3 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    花ぼうろの売上拡大と基本方針の維持、生産体制確立が書かれ、主力商品の製造自動化が経営方針と結びついている。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    在京百貨店など新たな販路への提案営業が可能になったと書かれるが、市場動向や自社の強み・弱みの分析は読み取れない。

  • 課題の認識と解決4

    手作業の限界や残業・老朽化の課題を挙げ、導入後に花ぼうろの生産性が1時間1人360個から990個に向上したと数字で示される。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    生産性が360個から990個へ向上した実績は示されるが、今後の付加価値額や賃上げの目標値は書かれていない。

  • 事業を進める体制2

    従業員82人や工程の編成配置の柔軟化には触れるが、補助事業を遂行する体制や事務処理能力の記述は乏しい。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    花ぼうろの売上拡大と賞味期限延長による販路拡大が書かれ、顧客への提案営業の裏付けがうかがえる。

  • 事業化までの道筋2

    導入後の成果は書かれるが、遂行方法やスケジュール、課題の解決手順は公開された事例からは読み取れない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    あんずジャムをサンドした花ぼうろは独自の和洋折衷菓子で、丸ぼうろに次ぐ主力商品と説明されている。

公的補助の必要性40%
  • 波及効果・雇用2

    雇用や需要の創出にはわずかに触れるが、国が補助する積極的な理由となる波及効果の記述は弱い。

  • 費用対効果3

    生産性が2.75倍に向上し、残業削減や原価改善も書かれているが、補助金額に対する費用対効果の数字はない。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面30%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及2

    佐賀の地で長年菓子を作ってきたことに触れるが、地域の特性を活かした成長や雇用創出の記述は限定的である。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

花ぼうろの強化により「ぼうろ」トップブランドの地位を確かなものにしていく方針である。新規取引先の開拓や既存顧客への新たな提案を通じて、顧客と当社の双方に価値をもたらしていく。生産性向上と人材活用により、焼き菓子・和菓子・洋菓子の職人の技術を融合させ、独創性に富んだ新商品の開発を加速していく。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

ねじ寸法自動計測システムの試作開発

平成25年度ものづくり補助金を活用し、人手に依存せず検査精度と生産性を向上させる「ねじ寸法自動計測システム」を試作開発した。

効果:計測面の焦点深度 2mm→5mm

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。