ものづくり補助金平成29年度宿泊業、飲食サービス業佐賀県

最先端冷凍技術による高品質佐賀牛のお寿司の製造

有限会社嬉乃すし

この事例のポイント

  • 特にノドグロやアマダイなど時期により価格が高騰する食材について、安い時にまとめて仕入れられる仕組みを作る必要があった。
  • 佐賀市の飲食店として、磁石(均等磁束密度)、電磁波・冷風のハイブリッド技術で氷核生成に働きかける「プロトン凍結機」を導入した。
  • プロトン凍結機の導入により、旬の魚介類を安い時期にまとめて仕入れられるようになり、原価の抑制が実現した。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社嬉乃すし
所在地佐賀県 佐賀市
業種飲食店
従業員数28人
資本金500万円
設立1991年

事業の背景

当社は佐賀市で40年以上すし店を営み、ランチ・夜の店舗利用に加え、出前・仕出し・持ち帰りにも注力している。月平均1500名以上、繁盛月は1800名程の客が来店し、規模・売上ともに大手チェーン以外のすし店では市内トップレベルである。世界的に生魚需要が高まる中、当店は時価を採用せず年間を通して同一価格での提供に努めてきたが、原価高騰が厳しくなっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • コスト・採算特にノドグロやアマダイなど時期により価格が高騰する食材について、安い時にまとめて仕入れられる仕組みを作る必要があった。
  • 人手・技能人材不足を背景に仕出しや出前の注文数を制限せざるを得なかった。
  • 生産能力鮮度の問題から遠方へのお持ち帰りを断らざるを得ず、売上機会のロスが生じていた。
  • 品質・精度従来の冷凍技術では肉や魚の細胞が壊れてドリップが出て、食味や色合いが悪くなっていた。
  • 品質・精度冷凍したシャリを解凍するとボロボロになり、食味が大きく損なわれていた。

やったこと

佐賀市の飲食店として、磁石(均等磁束密度)、電磁波・冷風のハイブリッド技術で氷核生成に働きかける「プロトン凍結機」を導入した。この機械は凍結時の細胞破壊を防ぎ、色つやのよい高鮮度の状態を維持する。湿度の高い空気で冷凍するため食材が乾燥しにくい。握ったばかりのシャリをふっくらとした状態で維持できる冷凍技術を実現した。導入後は機械を使って魚を熟成させる試作を重ね、佐賀牛を使った新商品の開発を進めている。

その他プロトン凍結機

新しい製品・サービス:佐賀牛を主役にした『幸せを呼ぶ佐賀牛巻き』

事業の効果

プロトン凍結機の導入により、旬の魚介類を安い時期にまとめて仕入れられるようになり、原価の抑制が実現した。年間を通して安定してネタを提供できる見通しが立ち、顧客満足度の向上も期待される。鮮度を気にせず手が空いた時に仕込みができるため、受注点数の制限や従業員の残業などの問題も解決できる見込みである。県外・海外への商圏拡大も視野に入っている。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.4 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性67%
  • これまでの取組との一貫性3

    仕入れ・仕出し・持ち帰り注力、ネタへのこだわりなど事業の延長線は読めるが、経営戦略上の位置付けを示す記述は少ない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    月1500名以上の来店、市内トップレベルの規模、大手以外で他店との差別化という強みはうかがえるが、競争優位の根拠は具体的に示されていない。

  • 課題の認識と解決4

    原価高騰、売上機会ロス、人材不足という課題を挙げ、冷凍技術で解決を図る流れが明確に書かれている。

事業の実現可能性40%
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの目標数値は記載がなく、原価抑制や機会ロス解消の効果も定性的な記述にとどまる。

  • 事業を進める体制1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    鮮度維持や食味向上、海外客からの声、ネット販売構想など顧客価値は読めるが、ターゲットとニーズの裏付けの数値は薄い。

  • 事業化までの道筋3

    佐賀牛巻きの商品化、ネット販売の計画が示されるが、スケジュールや課題解決の方法は具体的に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性60%
  • 新しさ・高付加価値3

    通常は冷凍すしの品質が低いとされる中で、握り立ての食味を再現する技術として差別化を図る点が読み取れる。

公的補助の必要性47%
  • 波及効果・雇用2

    地域の食材仕入れや全国・世界への商圏拡大の視野は示されるが、波及効果や雇用創出の具体的記述は乏しい。

  • 費用対効果2

    仕入れの平準化で原価抑制が見込まれると書かれるが、補助金額に対する付加価値増加の数値は示されていない。

  • イノベーションへの貢献3

    磁場と電磁波・冷風のハイブリッド凍結という新しい技術の活用は読み取れるが、サプライチェーン全体への貢献は示されていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    佐賀市で40年以上営業し、佐賀牛や有明海産のりなど地域の食材を活用する点は地域性として読み取れる。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

佐賀牛を主役にした新商品『幸せを呼ぶ佐賀牛巻き』を開発中で、何百本も試作を重ねて商品化を目指している。今後はインターネット販売も行う予定。

  • 目標:月平均1500名以上、繁盛月は1800名程(導入前の状況)

事業者の声

家族に食べさせたい

公式の事例集より(原文のまま)

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。