ものづくり補助金平成29年度製造業佐賀県

1日の生産能力強化による売上拡大および食品ロスの低減

光武製菓株式会社

成果1日あたりの製造量(12時間稼働) 41,760個→46,800個

この事例のポイント

  • 個包装機の処理能力が外装包装機の処理能力を下回っているため、個包装工程で製造が滞るたびに外装包装工程が止まり、生産機会のロスが生じている。
  • 当社は個包装を行う機械を4台有しており、その中で最も生産能力が低い1台を入れ替えた。
  • 1日あたりの製造量(12時間稼働) 41,760個→46,800個。個包装工程のスピードが改善され、外装包装までの工程がスムーズになった。

事業者のプロフィール

事業者名光武製菓株式会社
所在地佐賀県 佐賀県武雄市
業種食料品製造業
従業員数37人
資本金2,500万円
設立1966年

事業の背景

当社は甘納豆を主力商品とする菓子メーカーである。甘納豆は水分が16〜22%と多い半生菓子で賞味期限が短く、閑散期に大量生産しておくことが難しいため、1日あたりの製造量を増やすことが効率化の鍵となっている。当社は業界でもいち早く甘納豆の個包装化に取り組み、甘納豆の売上の7割は個包装タイプである。甘納豆の個包装化に対応しているメーカーは全国でも数社しかなく、これが当社の強みの一つになっている。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力個包装機の処理能力が外装包装機の処理能力を下回っているため、個包装工程で製造が滞るたびに外装包装工程が止まり、生産機会のロスが生じている。
  • 生産能力生産が間に合わないため、新規の顧客からの引き合いをお断りせざるを得ない状況にある。
  • 人手・技能個包装工程を従業員の早出・残業・休日出勤で対応してきたが、それを継続するのは望ましくない。

やったこと

当社は個包装を行う機械を4台有しており、その中で最も生産能力が低い1台を入れ替えた。導入したのは甘納豆用自動包装システムWF-901 OSN-UW-LSで、ホッパーと呼ばれる筒状の部分が振動することにより、甘納豆の粒同士が付着するのを防止する。あわせて包装機に付随する計量供給装置ADW-A-OI 14Sも導入し、甘納豆のような小袋計量に最適で高精度の計量を実現した。新しい機械は各パーツがコンパクトで清掃が容易に行え、ステンレスが使われておりサビが発生しにくく衛生的である。

加工機甘納豆用自動包装システムWF-901 OSN-UW-LS
加工機計量供給装置ADW-A-OI 14S

事業の効果

  • 1日あたりの製造量(12時間稼働) 41,760個→46,800個

個包装工程のスピードが改善され、外装包装までの工程がスムーズになった。1日あたりの製造量が増加したことで生産能力が向上し、働き方改革が進んで従業員の負担も少なくなった。これまで生産が追い付かずお断りしていた新規のお客様からの依頼も受けられるようになった。機器を刷新したことでリフトの角度が変わり作業スペースが広がり、半製品が通る箇所の振動で製品がつまりにくくなって作業効率も向上した。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.9 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性73%
  • これまでの取組との一貫性3

    甘納豆の個包装化に早くから取り組み、売上の7割が個包装タイプとあり、過去の取組との一貫性はうかがえるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性3

    個包装に対応できるメーカーが全国で数社しかないことを強みとし、それを生かして高速化すると書かれているが、市場動向との関係は具体的に述べられていない。

  • 課題の認識と解決5

    個包装機の処理能力不足で製造が滞り、新規顧客を断っていたという課題を示し、1日製造量4万1,760個から4万6,800個への増加という数字で解決効果を示している。

事業の実現可能性60%
  • 付加価値・賃上げの目標5

    1日(12時間稼働)あたりの製造量を41,760個から46,800個へ増加させる目標と実績が数字で示されており、高付加価値化や賃上げへの言及は乏しいが実現性は高い。

  • 事業を進める体制2

    従業員37人規模の会社で、従来は早出・残業・休日出勤で対応してきたとあるが、補助事業を遂行する体制や人材についての記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    新規顧客からの引き合いを断っていた実情があり、需要の裏付けや顧客ニーズはうかがえるが、製品価値の整理は具体性が薄い。

  • 事業化までの道筋3

    機器導入の効果や今後のASEAN展開に触れているが、導入後の遂行スケジュールや課題の解決方法は明確に書かれていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性40%
  • 新しさ・高付加価値2

    甘納豆は半生菓子で賞味期限が短いという特徴が示されるが、同分野での高付加価値化や高価格化を図る内容とは言い切れない。

公的補助の必要性60%
  • 波及効果・雇用3

    西九州新幹線開通に伴うギフト需要や地場原料の使用、ASEAN展開に触れており地域性はうかがえるが、経済波及効果や雇用創出の数字は示されていない。

  • 費用対効果4

    生産量が1日4万1,760個から4万6,800個に増え、新規顧客を受けられるようになったと具体的な成果が示されているが、投入額と付加価値の関係は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    ステンレス使用や振動によるつまり防止などの設備改善はあるが、デジタル技術や新しいビジネスモデルの活用は書かれていない。

政策面40%
  • 成長分野への進出1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • 地域経済への波及3

    地場の原料を使い、武雄を代表する菓子を目指すと書かれており地域性はあるが、雇用創出や地域成長への寄与は具体的に述べられていない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

現在は国内を主な販路としているが、少子高齢化や人口減少で市場の縮小が見込まれるため、今後の人口増加が見込まれるASEAN諸国への展開を加速させたいと考えている。輸出では輸送時間が長くなるため、賞味期限までの日数を確保することが課題であり、1日の製造量を増やして速やかに発送できる生産体制が必要である。西九州新幹線の開通に伴いギフト商材にも力を入れ、極力地場の原料を使用して将来的には武雄を代表するお菓子を作りたいとしている。

業種と困りごとが近い成果事例

大阪府製造業平成25年度

MRI用超電導マグネット監視装置の生産体制強化

制御基板の試験を自動化するため、基板検査装置を開発し、手作業で行っていた測定端子の接続や測定値の読み取りを自動化する。

効果:測定工数は予定通り約半分以下の時間となった

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。