ものづくり補助金平成29年度製造業長崎県

世界へ向けた平戸ブランド日本酒の高品質生産及び生産性向上を可能にするプロセスの構築を行う

有限会社森酒造場

成果洗米能力 1倍→4倍

この事例のポイント

  • 従来の設備は普通酒の大量生産向けで、大吟醸・純米酒などの特定名称酒の製造には不向きだった。
  • 市場のニーズに合った特定名称酒を造れる環境を整えるため、自動洗米機、佐瀬式吟醸搾り機、プレートヒータークーラーを導入した。
  • 洗米能力 1倍→4倍。新機械の導入により純米酒の製造に適した環境が整い、「飛燕」のブランド化の道筋ができた。

事業者のプロフィール

事業者名有限会社森酒造場
所在地長崎県 平戸市
業種飲料・たばこ・飼料製造業
技術分野製造環境
従業員数7人
資本金950万円
設立1895年

事業の背景

明治28年創業の日本酒製造業者で、平戸の地で地元に根付いた酒造りを続けてきた。高付加価値の純米酒が国内外で注目され、小規模事業者もそうした商品に力を入れる状況があった。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 生産能力従来の設備は普通酒の大量生産向けで、大吟醸・純米酒などの特定名称酒の製造には不向きだった。
  • 人手・技能地域の杜氏制度の衰退もあり、人材不足に悩まされていた。

やったこと

市場のニーズに合った特定名称酒を造れる環境を整えるため、自動洗米機、佐瀬式吟醸搾り機、プレートヒータークーラーを導入した。自動洗米機はジェット水流で米を傷めずに洗米でき、品質が向上した。洗米作業の人員は5名から2名に減り、洗米能力は4倍に上がった。新たな搾り機は清酒製造で酒を搾るのに最も適した機械で、旧式より品質が格段に向上した。プレートヒータークーラーは火入れ工程で品質の劣化を抑え、芳醇な香りを維持できるようになった。

  • 加工機自動洗米機佐瀬式吟醸搾り機プレートヒータークーラー

新しい製品・サービス:純米酒を含む特定名称酒(ブランド名「飛燕」)

事業の効果

  • 洗米能力 1倍→4倍
  • 洗米作業の人員 5名→2名

新機械の導入により純米酒の製造に適した環境が整い、「飛燕」のブランド化の道筋ができた。自動洗米機で洗米の品質が向上し、洗米能力は4倍、人員は5名から2名に減った。搾り機とプレートヒータークーラーにより清酒の品質が向上し、香りを保てるようになった。取引先は平戸市中心の長崎県内から全国へ広がった。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで、採択された計画の標準を3として見ています。公開情報では判断できない観点は点数を出さず、平均にも入れていません

観点の平均3.2 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

この事例が強かった観点

  • 4
    これまでの取組との一貫性明治28年創業以来の酒造りを基盤に、江戸時代の生酛造りを復活させ、ブランド確立を目指す流れが一貫している。
  • 4
    強み・弱みを踏まえた優位性高付加価値の純米酒が海外でも注目される中、地酒専門店だけに卸し多くの愛好家から高評価を得ている点が強みとして読み取れる。
  • 4
    課題の認識と解決普通酒向けの旧設備と杜氏不足という課題を認識し、特定名称酒の製造環境を整える設備導入で解決を図っている。

伸びしろがあった観点

  • 2
    付加価値・賃上げの目標付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、洗米能力4倍などは導入後の結果にとどまる。
経営戦略との整合性4.0
  • これまでの取組との一貫性4

    明治28年創業以来の酒造りを基盤に、江戸時代の生酛造りを復活させ、ブランド確立を目指す流れが一貫している。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性4

    高付加価値の純米酒が海外でも注目される中、地酒専門店だけに卸し多くの愛好家から高評価を得ている点が強みとして読み取れる。

  • 課題の認識と解決4

    普通酒向けの旧設備と杜氏不足という課題を認識し、特定名称酒の製造環境を整える設備導入で解決を図っている。

事業の実現可能性3.0
  • 付加価値・賃上げの目標2

    付加価値額や賃上げの数値目標は示されておらず、洗米能力4倍などは導入後の結果にとどまる。

  • 事業を進める体制3

    従業員7名の体制と蔵元の指導が示されるが、補助事業の遂行体制を具体的に説明する記述は少ない。

  • 顧客とニーズの裏付け4

    「平戸の恵み」を生かした純米酒の品質と、地酒専門店での高評価という選ばれる理由が整理されて読み取れる。

  • 事業化までの道筋3

    蔵の改装中であることや取引先拡大の展望は示されるが、遂行スケジュールや課題の解決方法は具体性が薄い。

  • 財務と資金の調達3

    財務の状況は公開されている事例には出ないため、中間の3としています。

新市場性・高付加価値性4.0
  • 新しさ・高付加価値4

    一般的な普及が進んでいない生酛造りの特定名称酒で、同分野の中で高付加価値化を図る取組が読み取れる。

公的補助の必要性2.3
  • 波及効果・雇用2

    平戸の地元に根付いた酒造りという地域性はうかがえるが、経済波及や雇用創出の効果は書かれていない。

  • 費用対効果3

    洗米の人員が5名から2名になり洗米能力が4倍になったと示されるが、投資額や費用対効果の数値は書かれていない。

  • イノベーションへの貢献2

    伝統的な製法の復活が中心で、先端的なデジタル技術や新たなビジネスモデルの記述はうかがえない。

政策面3.5
  • 成長分野への進出3

    高付加価値純米酒が海外でも注目される市場動向に対応しており、成長分野への進出がうかがえる。

  • 地域経済への波及4

    平戸の恵みを生かした高付加価値の地酒を、地域の杜氏不足の課題を抱えつつ全国へ販路拡大する取組が読み取れる。

今後の展望

取引先を増やすため、生産力の向上が必須と考えている。現在、仕込みの環境づくりのため蔵の改装を行っている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです(画像のPDFを文字起こししてから読み取りました)。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。