ものづくり補助金平成29年度製造業熊本県

人手不足時代に対応する加工技術の標準化及び複雑形状物の旋削加工技術開発事業

株式会社玉名製作所

この事例のポイント

  • 熟練工が2015年頃から順次定年退職を迎え、技能の継承と人手の確保が難しくなった。
  • 熟練工の仕事をNC工作機械に移行するため、生産技術の全面見直しを行い、納期短縮と品質向上を図った。
  • 導入したNC旋盤により、熟練工の仕事を機械に移し、人手不足でも生産性を維持できる体制を目指した。

事業者のプロフィール

事業者名株式会社玉名製作所
所在地熊本県 熊本市北区
業種生産用機械器具製造業
技術分野精密加工
従業員数9人
資本金1,200万円
設立1945年

事業の背景

1990年頃の世界情勢の激変を受け、製造部門を組立中心にして部品加工を大幅に外注化したところ、生産性は大きく改善した。しかし2015年頃から熟練工の定年退職が始まり、外注先も人手不足で納期が遅れるようになった。戦後は産業用ポンプや減速機、ギヤードモータを国内の主要工場へ販売し、高度成長期にはギヤードモータを年間12,000台以上製造販売していた。

課題と取り組み

抱えていた課題

  • 人手・技能熟練工が2015年頃から順次定年退職を迎え、技能の継承と人手の確保が難しくなった。
  • 納期・工程外注工場も人手不足で納期の遅れが増え、納期遅れを解決する必要があった。
  • 生産能力在庫圧縮のためのカンバン方式に、旧型NC旋盤では対応しきれず、汎用旋盤と熟練工に頼る体制に戻る課題が生じていた。

やったこと

熟練工の仕事をNC工作機械に移行するため、生産技術の全面見直しを行い、納期短縮と品質向上を図った。導入したNC旋盤は滝沢鉄工所製のTAC-650である。今回のNC旋盤は多品種少量生産向けに大きく進化しており、納期短縮とカンバン方式への対応が可能になった。

加工機NC旋盤 TAC-650(滝沢鉄工所製)

事業の効果

導入したNC旋盤により、熟練工の仕事を機械に移し、人手不足でも生産性を維持できる体制を目指した。目標としていた納期遅れの改善は1か月後から顕著に現れた。多品種少量生産に対応できるため、納期短縮とカンバン方式への対応が可能になり、強力な武器になると見込んでいる。

審査の観点ごとの評価

いま募集している新事業進出・ものづくり補助金の公募要領にある審査の観点14つで見ています

観点の平均2.1 / 5

出典:公募要領 p.44(審査項目)

経営戦略との整合性60%
  • これまでの取組との一貫性3

    1945年設立以来の減速機・ギヤードモーター製造と、熟練工依存からNC旋盤導入への流れは読み取れるが、経営戦略上の位置付けは明記されていない。

  • 強み・弱みを踏まえた優位性2

    市場や競争環境の分析は書かれておらず、製造拠点の立地や製品の用途がうかがえる程度にとどまる。

  • 課題の認識と解決4

    熟練工の定年退職と外注先の人手不足による納期遅れという課題を明示し、NC旋盤導入で納期短縮と生産性向上を図る方針が具体的に書かれている。

事業の実現可能性44%
  • 付加価値・賃上げの目標3

    納期遅れは1ケ月後から顕著に改善したと記載があるが、付加価値額や賃上げの数値目標は書かれておらず具体性が薄い。

  • 事業を進める体制2

    従業員9名(正社員6名、パート3名)の体制は書かれているが、補助事業を遂行する担当体制や事務処理能力の記述はない。

  • 顧客とニーズの裏付け3

    多品種少量生産やカンバン方式への対応という導入機の特徴は書かれるが、顧客ターゲットやニーズの裏付けは示されていない。

  • 事業化までの道筋2

    生産技術の全面見直しを行うとあるが、スケジュールや課題解決の具体的な方法は示されていない。

  • 財務と資金の調達1

    公開されている事例からは読み取れません。

新市場性・高付加価値性20%
  • 新しさ・高付加価値1

    公開されている事例からは読み取れません。

公的補助の必要性33%
  • 波及効果・雇用3

    製鉄所・発電所・港湾施設などのインフラ基盤を24時間稼働で支えていることや経済安全保障への貢献が書かれ、国が支援する理由の一部がうかがえる。

  • 費用対効果1

    公開されている事例からは読み取れません。

  • イノベーションへの貢献1

    公開されている事例からは読み取れません。

政策面40%
  • 成長分野への進出2

    経済安全保障関連への貢献の意向がうかがえるが、構造転換や成長分野への進出としては具体的に書かれていない。

  • 地域経済への波及2

    熊本市北区植木町の立地は書かれているが、地域の特性を活かした付加価値創出や雇用拡大の記述は見られない。

5=数字や事実つきで具体的に読み取れる、4=具体的に読み取れる、3=読み取れるが具体性が薄い、2=わずかにうかがえる、1=公開情報からは読み取れない。公開されている事例を公募要領の観点に照らして当社が整理したもので、実際の審査の点数ではありません。

今後の展望

製鉄所、発電所、セメント工場、製紙工場、港湾施設などのインフラ基盤を24時間稼働で支える製品を扱っており、今後は経済安全保障関連で微力ながら貢献したいと考えている。

業種と困りごとが近い成果事例

出典とまとめ方
  • 出典:公式の事例集(平成29年度、全国中小企業団体中央会)。事例集の再利用は中央会の許可を得ています。
  • 課題・取り組み・設備・効果・展望は、事例集の本文から当社がAIで項目に分けて短くまとめたものです。数字は事例集に書かれているものだけを載せ、時間の単位などをそろえています。原文のまま載せているのは事業者の声だけです。
  • 代表者名・電話番号・番地は載せていません。法人の形が名前にない事業者は名前を出していません。